パレオパントプス

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パレオパントプス
生息年代: 400 Ma
パレオパントプスの復元図
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
古生代デボン紀プラギアン期 - エムシアン
(約4億年前)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
: ウミグモ綱 Pycnogonida
: †古皆脚目(ムカシウミグモ目)
Palaeopantopoda
Broili, 1930[1][2]
: †ムカシウミグモ科
Palaeopantopodidae
Hedgpeth, 1955[3][2]
: パレオパントプス属 Palaeopantopus
学名
Palaeopantopus
Broili, 1929[4]
タイプ種
パレオパントプス・マウチェリ
Palaeopantopus maucheri
Broili, 1929[4]

パレオパントプス[5]Palaeopantopus[4])は、約4億年前のデボン紀に生息した化石ウミグモ類の一。退化的な頭部と付け根が環形構造に分かれた腹部をもつ[2][6]ドイツフンスリュック粘板岩で見つかったパレオパントプス・マウチェリ[5]Palaeopantopus maucheri)という1のみによって知られている[2][7][8]

本体

パレオパントプス・マウチェリの化石標本 WS 4747/MB-A-45(フンボルト博物館所蔵)

体長1.5cm、を広げるとおよそ14cmのウミグモである[2]。分節した腹部や脚の環形構造など、現生のウミグモ類に見られない特徴をもつ[2]。3つの化石標本(WS 2810, WS 2812, WS 4747、後にSNSB-BSPG 1930 I 501, SNSB-BSPG 1929 V 3, MB-A-45)のみによって知られている[2]。IGPD-HS437 を本属とする見解もあるが[9]、腹部や頭部付属肢の相違により否定的とされる[6]

本体は小さく平たい楕円形で、4対の短い接脚突起 (lateral proccess, 本体から突き出して脚に繋がる部分) に囲まれる。通常、ウミグモの頭部 (cephalon, cephalosoma, 鋏肢触肢担卵肢・第1が付属する合体節) は明瞭な柱状であるが、本属の場合は第1脚の接脚突起が正面で隣接しており、その前にあるはずの前半の頭部領域は見当たらない[6]。Bergström et al. 1980 ではその前半部は腹側にあると考えられるが、それを示唆する化石証拠は不明確で、標本 WS 2810 に眼丘(ocular tubercle, を備える突起)らしき痕跡が見られるくらいである[2]。ただし、(proboscis)・鋏肢 (chelifore, cheliphore)・触肢 (palp)・担卵肢 (oviger) といった頭部前半由来の器官は知られている。吻は本体の腹側に折り畳んだ徳利状で[2]、前方には正体不明な突起が1本ある[6]部 (trunk, もしくは胸部 thorax, 第2-4脚が付属する合体節) 背面は体節の境目が見られる[6]腹部 (abdomen) は最終胴節の背側から伸び、見かけ上6節に分かれるが、基部の細い4節は脚の基部に類する環形構造 (annulation) に細分された第1腹節とも考えられる[2]。残りの2節は細長いが、肛門の位置は不確実のため、最後の1節は尾節(telson, 肛門の直後にある非体節性の)なのか最終腹節なのかは不確実[6]

付属肢

付属肢関節肢)として鋏肢、触肢、担卵肢、および4対の脚が知られているが、脚以外の詳細は保存状態が悪く不明確である。鋏肢は貧弱で、らしき構造はない[2]。触肢はZ字型に屈曲し、7節からなると推測され[2]、基部は脚と似た環形構造に細分される[6]。担卵肢は触肢より少し長く、およそ8節に分かれたと考えられ[2]、先端に1本の爪がある[6]。脚は長く発達し、先端ほど細くなる[2]。基部は3-4節の環形構造に分れ、Bergström et al. 1980 ではこれを接脚突起の一部と考えられるが[2]、Sabroux et al. 2024 ではこれを他の古生代ウミグモと同様細分化した第1基節と考えられる[6]。腿節に見える部分は不動な2節(見かけ上の第4-5節)からなる。先端の細い肢節(跗節 tarsus)は数節の小節に細分されるように見えるが、これは単に化石化の過程でできた割れ目の可能性がある。その先端には1本の爪がある[6]

内部構造

Bergström et al. 1980 によると、標本 WS 2812 には消化管が明瞭に見られる。現生のウミグモ類と同様、消化管は脚まで入り込んだ分岐 (diverticula) がある[2]。腹部の消化管は末端まで伸びるため、肛門はそこにあったと考えられる[2]。しかしSabroux et al. 2024 ではその痕跡は触肢と担卵肢(ウミグモにおいては消化管枝を持たない付属肢)にも見られることから、これは消化管ではなかったと見直される[6]

生態

パレオパントプスは現生のウミグモに似て、細長いで体を浮かばせながら海底を歩いていたと考えられる[2]。ただし鋏肢の詳細は不明確のため、食性は推測しにくい[2]

分類

脚注

関連項目

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