パワーコード
From Wikipedia, the free encyclopedia
メジャーコードもしくはマイナーコードの第3音を省略し、それにより濁りを抑えてなおかつ力強い印象の音を得る。また、オクターヴを加える場合もある。通常はヴォイシングの一種であるため、譜面上では表記されることはほとんどないが極まれに使う事があり、その場合は例えばルートがCであるとすると、C5と表記する。
主にロックギタリストが「純粋にトライアードを弾くには音が柔らかすぎであり、かといって7thコードでは響きが強すぎ、とはいえ単音では物足りない」ということで使い始めた和音である。またアンプで激しく音を歪ませたエレクトリックギターで、通常通りの和音を演奏すると歪みが激しくなりすぎて聴き苦しいため音を省略したことも理由のひとつであろう。歪の顕著なエレキギターの標準的なボイシングとして広く受け入れられている。
原理
パワーコードの原理は複合音の発生原理に基づく。詳細は英語版 en:Power chord#Analysis 参照。
オーバードライブやディストーションと呼ばれる効果を施して音声信号をひずませるとき、上音/倍音や,非線形性によって生じる複合音が強調されるため、単音をひずませればそれだけでも複数の音を重ねることに似た効果が得られる。
歪みの顕著なエレキギターで3度音程の2音を鳴らしてみると、平均律の3度音程による倍音列とのずれが著しく、この倍音列同士の隔たりによる複合音が多数生じることで、雑多で不明瞭な音となる。このため3度音程を実際に鳴らすことを避けることとなる。
一方、5度音程の2音であれば、平均律であっても5度音程は2:3に十分近く元の倍音列との差で生じる複合音は目立たない。そして5度と8度(ルート音の2倍音)との間の差音により、倍音列に乗る3度音程が生じる。さらにまた、元の低い方の音の1オクターブ下に差音が生じる。すなわち1オクターブ下にルート音を足した効果が得られる。
このようにひずみが顕著な状況では5度音程で2音鳴らすことに特に優位性がある。これにさらに8度音程を足してもよい。ただし特殊なチューニングを前提とする場合にはこの限りではない。