ビリケン (映画)
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『ビリケン』 (Billiken) は、1996年(平成8年)8月3日公開の日本映画である[1][2]。製作は「ビリケン」製作委員会、配給はシネカノン[1]。監督は阪本順治[1]、主演は杉本哲太[2]。上映時間は100分[1][2]。
『どついたるねん』、『王手』に続く、通天閣や大阪・新世界を舞台に繰り広げられた「新世界三部作」の3作目[2]。通天閣に祀られている幸運を呼ぶ神様「ビリケン」をモチーフとしている。
2代目通天閣40周年記念映画。第70回キネマ旬報ベストテン日本映画部門第9位[3]。
ストーリー
大阪新世界の一帯は、2008年の大阪オリンピック誘致の候補地として挙げられていた[1]。
見物客も少なくなり経営が危ぶまれていた新世界のシンボルである通天閣も、それに伴って解体する方向で検討が進められていたが、誘致に反対する通天閣観光では社長以下、何とかかつての活気を取り戻して解体を撤回させようとさまざまな策を講じていた。しかし、集客は改善される様子がなかった。
ある日、戦前の初代通天閣の頃から封印されていたビリケン像が、社員の魚里屋のふとしたきっかけで発見される。客寄せの目玉にと考えた社長が像を展望台に置くと、神様のビリケンが封印から解き放たれ、通天閣の展望台に居座るようになる[1]。ビリケンは人々の願いを叶えるべく行動を始めるが、願かけにやってくるのは「詰めた指をくっつけて欲しい」というチンピラや、金に困り「競馬で大穴を当てたい」というホームレスなど、得体の知れぬ者ばかりだった[1]。しかし、やがてビリケンの御利益は評判を呼び、ついに大勢の人々が通天閣におし寄せてくるようになる。
一方、オリンピック誘致は手段を選ばない江影によって進められていた[1]。そして、江影はビリケンが想いを寄せる月乃の教え子を人質にして通天閣に立て籠もる[1]。
キャスト
製作
阪本は、本作品以前に通天閣にて映画を二度撮影した際には都合上ビリケン像を片付けていたが、その後に新作を撮影するにあたって「撮ってないものはなんだろう?」と考えてビリケンの存在を思い出し、主役にしたという[2]。完成後の記者会見で『ベルリン・天使の詩』のつもりで撮影したとの旨を述べたところ爆笑されたが、2019年11月29日に有楽町朝日ホールにて開催された『特集上映 阪本順治』の壇上では「通天閣とビリケンでしか成り立たない物語。東京タワーでは成立しない」と述懐している[2]。また、撮影当時は阪神・淡路大震災の発生直後で復興関連の仕事に励む日雇い労働者の数が多かったことから、助監督には「自分から近づいて『ご迷惑おかけします』と声をかけろ」と指示して日雇い労働者たちを味方につけ、野次馬の整理やエキストラなどの協力を得ることに成功したという[2]。なお、400 - 500人を動員したエキストラのうち半数は撮影を見物に来た日雇い労働者であり、「一緒に映画を作った感じ」とも述懐している[2]。
杉本は、ロケ先でビリケン像と寝起きを共にしていたという[1]。