フランス語の動詞

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フランス語の動詞では、現代標準フランス語における動詞について記述する。

非過去と過去

伝統的な文法では、フランス語は直説法条件法接続法命令法の 4 種類のを持つとされる。しかしこのうち条件法は、直説法過去未来と見るほうが良い[1][2]

時制は、直説法(条件法を含む)が 10 通り、接続法が 4 通り、命令法が 2 通りの計 16 通りがあるとされる。しかし各々の半数は、助動詞と過去分詞を用いる複合時制と呼ばれるもので、形態的には完了に当たる[3][4]。従って、真の法・時制は 8 通りである。この内 2 通りは現代口語では使われない。

以下に、フランス語の法と時制を示す。時制の名が二つあるときは、上段が伝統的な名称である。

単純時制 (temps simple)
単純相 (non accompli)
複合時制 (temps composé)
完了相 (accompli)
直説法
(indicatif)
現在 (présent)

je donne /ʒə.dɔn/
tu donnes /ty.dɔn/
複合過去 (passé composé)
現在・完了 (présent accompli)
j'ai donné /ʒe dɔ.ne/
tu as donné /ty a dɔ.ne/
半過去 (imparfait)
過去・非完結 (passé imperfectif)
je donnais /ʒə dɔ.nɛ/
tu donnais /ty dɔ.nɛ/
大過去 (plus-que-parfait)
過去・非完結・完了 (passé imperfectif accompli)
j'avais donné /ʒa.vɛ dɔ.ne/
tu avais donné /ty a.vɛ dɔ.ne/
単純未来 (futur simple)
未来 (futur)
je donnerai /ʒə dɔn.ʁɛ/
tu donneras /ty dɔn.ʁa/
前未来 (futur antérieur)
未来・完了 (futur accompli)
j'aurai donné /ʒɔ.ʁɛ dɔ.ne/
tu auras donné /ty ɔ.ʁa dɔ.ne/
条件法現在 (conditionnel présent)
過去未来 (futur du passé)
je donnerais /ʒə.dɔn.ʁɛ/
tu donnerais /ty.dɔn.ʁɛ/
条件法過去 (conditionnel passé)
過去未来・完了 (futur du passé accompli)
j'aurais donné /ʒɔ.ʁɛ dɔ.ne/
tu aurais donné /ty ɔ.ʁɛ dɔ.ne/
単純過去 (passé simple)
過去・完結 (passé perfectif)
je donnai /ʒə dɔ.nɛ/
tu donnas /ty.dɔ.na/
前過去 (passé antérieur)
過去・完結・完了 (passé perfectif accompli)
j'eus donné /ʒy dɔ.ne/
tu eus donné /ty y dɔ.ne/
接続法
(subjonctif)
現在 (présent)

je donne /ʒə dɔn/
tu donnes /ty dɔn/
過去 (passé)
現在・完了 (présent accompli)
j'aie donné /ʒɛ dɔ.ne/
tu aies donné /ty ɛ dɔ.ne/
半過去 (imparfait)
過去 (passé)
je donnasse /ʒə dɔ.nas/
tu donnasses /ty dɔ.nas/
大過去 (plus-que-parfait)
過去・完了 (passé accompli)
j'eusse donné /ʒys dɔ.ne/
tu eusses donné /ty ys dɔ.ne/
命令法
(impératif)
現在 (présent)

-
donne /dɔn/
過去 (passé)
現在・完了 (présent accompli)
-
aie donné /ɛ dɔ.ne/

過去のみ、完結と非完結の違いがある。完結とは出来事を全体として示すで、非完結とは出来事の一部を示す相であり、日本語の「した」対「していた」、英語の I did 対 I was doing の対立とほぼ同じである。なお、完結と完了は関係がない。

直説法単純過去と接続法半過去、およびその完了相の直説法前過去と接続法大過去は、現代口語では使われない。直説法単純過去の代わりに直説法複合過去(現在完了)が使われる。現在完了が過去を表すのは、イタリア語ドイツ語にも見られる特徴である。接続法は絶対的時制を失い、相対的時制、つまり一般か完了かの違いしかない。

直説法の時制は、視点が現在か過去かで以下のように対応する。半過去(過去・非完結)とは過去における現在であり、条件法現在(過去未来)とは過去における未来である。

現在視点 過去視点
現在

je donne
tu donnes
半過去
(過去・非完結)
je donnais
tu donnais
複合過去
(現在・完了)
j'ai donné
tu as donné
大過去
(過去・非完結・完了)
j'avais donné
tu avais donné
単純未来
(未来)
je donnerai
tu donneras
条件法現在
(過去未来)
je donnerais
tu donnerais
前未来
(未来・完了)
j'aurai donné
tu auras donné
条件法過去
(過去未来・完了)
j'aurais donné
tu aurais donné

このように、フランス語の時制は大きく非過去と過去に分かれる。これは日本語の「-る」対「-た」、英語の -Ø 対 -ed と同じ対立である。違いは、フランス語では未来および過去未来が動詞の一形態であるのに対し、日本語(現代語)と英語ではそれぞれ「だろう」、will/would という別の語を用いる迂言法(語の組み合わせ)である点である。

複合時制

完了相はフランス語文法では複合時制と呼ばれ、助動詞と本動詞の過去分詞との組み合わせで表す。複合時制において時制を示すのは助動詞であって、本動詞は変化しない。

複合時制の助動詞は、移動や変化を表す少数の動詞および再帰態(代名動詞)では être が用いられ、その他は avoir が用いられる。

目的語の人称代名詞接語であり、命令法を除いて動詞の前に置かれるが、助動詞がある場合はその前に置かれる。

時制・相donneraller
直説法 複合過去
(現在・完了)
j'ai donné /ʒe.dɔ.ne/
tu as donné /ty.a.dɔ.ne/
je suis allé /ʒə sɥi za.le/
tu es allé /ty ɛ za.le/
大過去
(過去・非完結・完了)
j'avais donné /ʒa.vɛ.dɔ.ne/
tu avais donné /ty.a.vɛ.dɔ.ne/
j'étais allé /ʒe.tɛ.(z)a.le/
tu étais allé /ty.e.tɛ.(z)a.le/
前未来
(未来・完了)
j'aurai donné /ʒɔ.ʁe.dɔ.ne/
tu auras donné /ty.ɔ.ʁa.dɔ.ne/
je serai allé /ʒə.sʁe.a.le/
tu seras allé /ty.sʁa.(z)a.le/
条件法過去
(過去未来・完了)
j'aurais donné /ʒɔ.ʁɛ.dɔ.ne/
tu aurais donné /ty.ɔ.ʁɛ.dɔ.ne/
je serais allé /ʒə.sʁɛ.(z)a.le/
tu serais allé /ty.sʁɛ.(z)a.le/
前過去
(過去・完結・完了)
j'eus donné /ʒy.dɔ.ne/
tu eus donné /ty.y.dɔ.ne/
je fus allé /ʒə.fy.(z)a.le/
tu fus allé /ty.fy.(z)a.le/
接続法 過去
(現在・完了)
j'aie donné /ʒɛ.dɔ.ne/
tu aies donné /ty.ɛ.dɔ.ne/
je sois allé /ʒə.swa.(z)a.le/
tu sois allé /ty.swa.(z)a.le/
大過去
(過去・完了)
j'eusses donné /ʒys.dɔ.ne/
tu eusses donné /ty.ys.dɔ.ne/
je fusse allé /ʒə.fy.sa.le/
tu fusses allé /ty.fy.sa.le/
命令法 過去
(現在・完了)
-
aie donné /ɛ.dɔ.ne/
-
sois allé /swa.(z)a.le/

とは、動詞が示す出来事をどの方向から見るかを表す形態である。フランス語には能動態 (la voix active) 、受動態 (la voix passive) 、再帰態 (la voix réfléchie) があるとされる[5]。再帰態は代名態 (la voix pronominale) とも呼ばれる[6][7]。再帰態は認められないことも多いが、再帰代名詞と動詞との組み合わせが代名動詞と呼ばれて通常の動詞と区別されることに変わりはない。

フランス語の受動態は、能動態の直接目的語を主語にするものである。能動態の主語は、受動態では示されないか、par /paʁ/ または de /də/ で示される。英語と異なり、間接目的語を主語にすることはできない。また日本語のような迷惑の受身も存在しない。なおフランス語では、受動態はあまり使われず、再帰態を使うか、能動態で主語を代名詞 on /ɔ̃/ にして受動の意味を表すほうが一般的である。

再帰態は自分を対象にする行為や、行為者を示さない受動態のような表現に使われる。目的語を se /sə/ にしただけに見えるが、複合時制の助動詞が être である点が能動態と異なる。

直説法現在と複合過去(現在・完了)における態を、動詞 lever /lə.ve/ を例にして以下に示す。

時制・相 能動態 受動態 再帰態
現在 je le lève
/ʒlə.lɛv/
(私は彼を起こす)
tu le lèves
/tyl.lɛv/
(君は彼を起こす)
je suis levé
/ʒə.sɥil.ve/
(私は起こされる)
tu es levé
/ty.ɛl.ve/
(君は起こされる)
je me lève
/ʒəm.lɛv/
(私は起きる)
tu te lèves
/tyt.lɛv/
(君は起きる)
複合過去
(現在・完了)
je l'ai levé
/ʒle.lə.ve/
(私は彼を起こした)
tu l'as levé
/ty.lal.ve/
(君は彼を起こした)
j'ai été levé
/ʒe.e.te.lə.ve/
(私は起こされた)
tu as été levé
/ty.a.(z)e.te.lə.ve/
(君は起こされた)
je me suis levé
/ʒəm.sɥil.ve/
(私は起きた)
tu t'es levé
/ty.tɛl.ve/
(君は起きた)

活用

フランス語の動詞の活用は一見複雑であるが、生成音韻論に基づくと、単純な構造が明らかになる[8]。活用形はほぼ全てが語幹 + 語尾という形からなる。規則動詞では語幹は変化しないが、そうでない場合は時制が変わると語幹が補充形を取ることがある。この語幹の変化には依存関係があり、ばらばらに変化するわけではない。例えば、命令法の語幹が補充形なら、その語幹は接続法現在でも使われる。

語尾はほぼ完全に規則的であり、不規則な変化は、直説法現在の être, avoir, aller, faire, dire およびそれに基づく命令法だけである。

活用は A, B, C の 3 グループに分けられ[9]、語幹はそれぞれ直説法半過去、不定詞、過去分詞を基準にする。

音韻規則

フランス語の動詞の活用に影響を及ぼす音韻規則の概略を以下に示す。ただし研究者により違いがある。

  1. 母音が後続しない鼻音は、前の母音を鼻母音化し、自身は消える。
  2. 語末の子音は消える。ただし語末の /ʁ/ は、/e/ の後でのみ消える。
  3. 語末の /ə/ は消える。
  4. 母音が後続する /ə/ は消える。
  5. 母音 + 子音 + /ə/ + 子音 + 母音における /ə/ は消える。
  6. 強勢のある /ə//ɛ/ になる。
  7. /e/ は閉音節では /ɛ/ になる。
  8. /œ/ は開音節では /ø/ になる。
  9. 狭母音 /i/, /y/, /u/ は、直前に子音 + 流音がない時、母音が後続すると半母音 /j/, /ɥ/, /w/ になる。
  10. 子音 + 流音 + /i/ の後に母音が続く時は、渡り音の /j/ が入る。

これらの規則は動詞に限られるものではない。以下に、形容詞 bon, frais, premier の変化を示す。女性化の語尾は /ə/ である。シュワー消失規則により、規則的に男性形、女性形が導かれるのが分かる。

表記基底形表層形
bon/bɔn//bɔ̃/
bonne/bɔn+ə//bɔn/
frais/fʁɛʃ//fʁɛ/
fraîche/fʁɛʃ+ə//fʁɛʃ/
premier/pʁəmieʁ//pʁə.mje/
première/pʁəmieʁ+ə//pʁə.mjɛʁ/


語幹と語尾からなる基底形(理論的な音素)を想定し、音韻規則に従って表層形(実際の単音)を導くことで、活用を説明できる。正書法は必ずしも基底形を反映していない。

A グループ活用

A グループ活用は、直説法現在、直説法半過去、現在分詞、命令法、接続法現在からなる。この中で、直説法半過去は例外が皆無であり、語幹の基準となる。

フランス語の動詞は伝統的に第一群、第二群、第三群に分けられ、前二者が規則的、後一者が不規則と見なされる。しかし生成音韻論から見ると、A グループ活用では違いは無い。以下に、donner (第一群)、finir (第二群)、partir (第三群) の直説法現在を示す。各欄は、上段が表記、中段が基底形、下段が表層形である。活用語尾の /Ø/ゼロすなわち無語尾を示す。

donner finir partir
/dɔnə/ /finis/ /paʁt/
一単 /Ø/ je donne
/ʒə dɔnə+Ø/
/ʒə.dɔn/
je finis
/ʒə finis+Ø/
/ʒə.fi.ni/
je pars
/ʒə paʁt+Ø/
/ʒə.paʁ/
二単 /Ø/ tu donnes
/ty dɔnə+Ø/
/ty.dɔn/
tu finis
/ty finis+Ø/
/ty.fi.ni/
tu pars
/ty paʁt+Ø/
/ty.paʁ/
三単 /Ø/ il donne
/il dɔnə+Ø/
/il.dɔn/
il finit
/il finis+Ø/
/il.fi.ni/
il part
/il paʁt+Ø/
/il.paʁ/
一複 /ɔn/ nous donnons
/nuz dɔnə+ɔn/
/nu.dɔ.nɔ̃/
nous finissons
/nuz finis+ɔn/
/nu.fi.ni.sɔ̃/
nous partons
/nuz paʁt+ɔn/
/nu.paʁ.tɔ̃/
二複 /e/ vous donnez
/vuz dɔnə+e/
/vu.dɔ.ne/
vous finissez
/vuz finis+e/
/vu.fi.ni.se/
vous partez
/vuz paʁt+e/
/vu.paʁ.te/
三複 /ə/ ils donnent
/ilz dɔnə+ə/
/il.dɔn/
ils finissent
/ilz finis+ə/
/il.fi.nis/
ils partent
/ilz paʁt+ə/
/il.paʁt/

第一群の単数および全群の三人称複数では、語末の /ə/ が消える音韻規則が働く。一方、第二・三群の単数では、語末の子音が消える音韻規則が働く。第一群の複数では、母音の前の /ə/ が消える音韻規則が働く。いずれも、基底形では語幹は変化しない。

語幹の交替

直説法現在は、一部の動詞で語幹が 2 種類ある。この場合、一般には語幹に強勢が無い時(一・二人称複数)とある時(単数および三人称複数)とで母音が変わる。前者を弱形、後者を強形と呼ぶ。例えば pouvoir の直説法現在の語幹は、弱形が /puv/、強形が /pœv/ である。他の少数の動詞では、複数と単数とで母音が変わる。例えば savoir の直説法現在の語幹は、複数が /sav/、単数が /sɛ/ である。いずれの場合も、一・二人称複数の語幹は常に直説法半過去と同じである。以下に、この違いを示す。

donner pouvoir savoir
一単 je donne
/ʒə dɔnə+Ø/
/ʒə.dɔn/
je peux
/ʒə pœv+Ø/
/ʒə.pø/
je sais
/ʒə +Ø/
/ʒə.sɛ/
二単 tu donnes
/ty dɔnə+Ø/
/ty.dɔn/
tu peux
/ty pœv+Ø/
/ty.pø/
tu sais
/ty +Ø/
/ty.sɛ/
三単 il donne
/il dɔnə+Ø/
/il.dɔn/
il peut
/il pœv+Ø/
/il.pø/
il sait
/il +Ø/
/il.sɛ/
一複 nous donnons
/nuz dɔnə+ɔn/
/nu.dɔ.nɔ̃/
nous pouvons
/nuz puv+ɔn/
/nu.pu.vɔ̃/
nous savons
/nuz sav+ɔn/
/nu.sa.vɔ̃/
二複 vous donnez
/vuz dɔnə+e/
/vu.dɔ.ne/
vous pouvez
/vuz puv+e/
/vu.pu.ve/
vous savez
/vuz sav+e/
/vu.sa.ve/
三複 ils donnent
/ilz dɔnə+ə/
/il.dɔn/
ils peuvent
/ilz pœv+ə/
/il.pœv/
ils savent
/ilz sav+ə/
/il.sav/

弱形と強形の語幹は、命令法だけでなく接続法現在にも受け継がれる。一方、単数の語幹は直説法現在と命令法だけに現れる。


A グループの語幹には、以下のように依存関係がある[10]。ある欄でその左と語幹が異なるなら、それより右にある語幹も同じく変わる。

動詞 直説法現在 直説法半過去 現在分詞 命令法 接続法現在
donner /dɔnə//dɔnə//dɔnə//dɔnə//dɔnə/
faire /fəz//fəz//fəz//fəz/ /fas/
être /et//et//et/ /swai/ ~ /swa/ /swa/
savoir /sav//sav/ /saʃə/ /saʃə/ /saʃə/


活用語尾

A グループの活用語尾を以下に示す。

直説法
現在
直説法
半過去
現在分詞 命令法 接続法
現在
一単 -e / -s
/Ø/
-ais
/ɛ/
-ant
/ant/
-e
/ə/
二単 -es / -s
/Ø/
-ais
/ɛ/
-e / -s
/Ø/
-es
/ə/
三単 -e / -t
/Ø/
-ait
/ɛ/
-e
/ə/
一複 -ons
/ɔn/
-ions
/iɔn/
-ons
/ɔn/
-ions
/iɔn/
二複 -ez
/e/
-iez
/ie/
-ez
/e/
-iez
/ie/
三複 -ent
/ə/
-aient
/ɛ/
-ent
/ə/


B グループ活用

B グループ活用は、不定詞、直説法未来、直説法過去未来(条件法現在)からなる。

語幹の交替

B グループの語幹のうち、直説法単純未来と直説法過去未来(条件法現在)の語幹は常に同じである。第一群動詞では A, B グループの語幹は同じであり、第二群動詞では A グループの語幹の末尾の /s/ が落ちたものが B グループの語幹になる。第三群動詞は色々ある。

動詞 A グループ B グループ
直説法半過去 不定詞 直説法未来
・過去未来
第一群donner /dɔnə//dɔnə//dɔnə/
第二群finir /finis/ /fini/ /fini/
第三群 rire /ʁi//ʁi//ʁi/
être /et//et/ /sə/
partir /paʁt/ /paʁti/ /paʁti/
courir /kuʁ/ /kuʁi/ /kuʁ/
avoir /av/ /avwa/ /ɔ/

活用語尾

B グループの活用語尾を以下に示す。第一群動詞は、不定詞の基底形が /əʁ/ で終わるが、表層形は /əʁ//eʁ//e/ になる。

未来の語尾は、/ʁ/ の後に avoir の直説法現在形の最終音節を加えたものである。過去未来の語尾は、/ʁ/ の後に直説法半過去の語尾を加えたものである。

不定詞 直説法
未来
直説法
過去未来
一単 -r / -re
/ʁ/
-rai
/ʁe/
-rais
/ʁɛ/
二単 -ras
/ʁa/
-rais
/ʁɛ/
三単 -ra
/ʁa/
-rait
/ʁɛ/
一複 -rons
/ʁɔn/
-rions
/ʁiɔn/
二複 -rez
/ʁe/
-riez
/ʁie/
三複 -ront
/ʁɔn/
-raient
/ʁɛ/


C グループ活用

C グループ活用は、過去分詞、直説法単純過去、接続法半過去からなる。後二者は現代口語では使われない。

語幹の交替

C グループの語幹のうち、直説法単純過去と接続法半過去の語幹は常に同じである。過去分詞の語幹の末尾は -é /e/, -i /i/, -u /y/, -t /t/, -s /z/ のいずれかである。直説法単純過去・接続法半過去の語幹の末尾は -a /a/, -i /i/, -in /in/ (/ɛ̃/), -u /y/ のいずれかである。

第一群動詞では A・B グループ語幹末尾の /ə//e/ に変えたものが過去分詞の語幹になり、/a/ に変えたものが直接法単純過去・接続法半過去の語幹になる。第二群動詞では B グループ語幹と C グループ語幹は同じである。第三群動詞は色々ある。

動詞 B グループ C グループ
不定詞 過去分詞 直説法過去・
接続法半過去
第一群donner /dɔnə/ /dɔne/ /dɔna/
第二群finir /fini//fini//fini/
第三群 partir /paʁti//paʁti//paʁti/
courir /kuʁi/ /kuʁy/ /kuʁy/
dire /di/ /dit/ /di/
être /et/ /ete/ /fy/


活用語尾

C グループの活用語尾を以下に示す。過去分詞には性の違いがあり、上に男性形、下に女性形を示す。複数形には -s を付けるが、発音は変わらない。

直説法単純過去の一人称単数および三人称複数の語尾に含まれる /I/ は、語幹末の /a//e/ に変える抽象的な音素である[11]

過去分詞 直説法
単純過去
接続法
半過去
一単 -
/Ø/

-e
/ə/
-i / -s
/I/
-sse
/sə/
二単 -s
/Ø/
-sses
/sə/
三単 - / -t
/Ø/
-^t
/Ø/
一複 -^mes
/mə/
-ssions
/siɔn/
二複 -^tes
/tə/
-ssiez
/sie/
三複 -rent
/Iʁə/
-ssent
/sə/


倒置

活用表

参考文献

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