ブリング・ハー・バック
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『ブリング・ハー・バック』(原題:BRING HER BACK)は、2025年のオーストラリアのホラー映画。A24製作の『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2023年)が高く評価された、YouTuber出身のダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟による第2作である。
マイケル・フィリッポウ
ビル・ハインツマン
クリスティーナ・セイトン
ダニエル・ネグレット
ダニー・フィリッポウ
マイケル・フィリッポウ
| ブリング・ハー・バック | |
|---|---|
| BRING HER BACK | |
|
| |
| 監督 |
ダニー・フィリッポウ マイケル・フィリッポウ |
| 脚本 |
ダニー・フィリッポウ ビル・ハインツマン |
| 製作 |
サマンサ・ジェニングス クリスティーナ・セイトン |
| 製作総指揮 |
サルマン・アル・ラシード ダニエル・ネグレット ダニー・フィリッポウ マイケル・フィリッポウ |
| 出演者 |
ビリー・バラット ソラ・ウォン サリー・ホーキンス ジョナ・レン・フィリップス |
| 音楽 | コーネル・ウィルチェック |
| 撮影 | アーロン・マクリスキー |
| 編集 | ジェフ・ラム |
| 製作会社 |
A24 コースウェイ・フィルムズ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 104分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $17,000,000[1] |
| 興行収入 |
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日本公開時のキャッチコピーは「決して、願ってはいけない」である。
概要
父親の急死で孤児になった兄妹が、優しそうな里親に引き取られた先で遭遇する恐怖を描くフォークホラー。身寄りを失くした兄妹を引き取るローラ役に『パディントン』(2014年)、『パディントン2』(2017年)のメアリー役で知られるサリー・ホーキンス、ローラの家で世話になる義理の兄妹役にビリー・バラットと新人のソラ・ウォンが扮する。
本国では「強烈な流血描写、グロテスクな画像、露骨なヌード、未成年者の飲酒、不適切な言葉遣いがある」として、全米映画配給協会MPAからR指定を受けた[1]。日本でも映倫の審査により、15歳未満の入場・鑑賞を禁止するR15+区分に指定されている[3]
『ブリング・ハー・バック』はアメリカ東部と西部で特に好評を博し、全米およびカナダ全土でもヒットを記録した[4]。1,700万ドルの予算で製作されたこの映画は、全世界で3,940万ドルもの興行収入を上げた[1][2]。
ストーリー
アンディと義理の妹パイパーは、父親の突然の死によって孤児となり、児童福祉施設に預けられた。アンディは目が不自由な妹の後見人になりたいと思っているが、それには18歳の誕生日が来るまで数ヵ月は待たねばならない。それまでの期間、離れ離れになることを拒んだ2人は施設職員ウェンディの手配で、人里離れた一軒家に住む女性ローラの家に里子として引き取られることになった。
兄妹は、水が抜かれたプールと鶏舎を敷地内に備えたローラの家に到着する。過去に自分の娘キャシーを亡くし、現在は口がきけないオリバーという少年を預かっているローラは、少し変わり者だがユーモラスな面を持っていて、パイパーはすぐ彼女に懐く。アンディはガラクタだらけの酷い物置部屋をあてがわれるが、この家にいれば安全だろうと考えた。何も喋らないオリバーは、いつもプールに立ち尽くしているか、鍵のかかった納屋の扉を叩いている。新しい家を気に入ったパイパーは、早く家族の一員になりたいと思っているが、アンディは奇妙なオリバーの行動から異変を感じ、この家には何か重大な問題があるのではないかと疑う。
キャスト
スタッフ
- 監督 - ダニー・フィリッポウ[5]、マイケル・フィリッポウ[5]
- 製作 - サマンサ・ジェニングス[5]、クリスティーナ・セイトン[5]
- 脚本 - ダニー・フィリッポウ[5]、ビル・ハインツマン[5]
- 撮影 - アーロン・マクリスキー[5]
- 美術デザイン - ヴァネッサ・セルン[5]
- 衣裳デザイン - アナ・ケイヒル[5]
- 編集 - ジェフ・ラム[5]
- 特殊メイク - エレン・アーウェン[6]
- 義歯制作 - ジャック・チャールトン[6]、ロバート・チャールストン[6]
- アニマル・トレーナー - カレン・メイシー=モート[6]
- 特殊効果スーパーバイザー - マイケル・マックス・ヒューズ[6]
- 特殊効果 - ティム・リアック[6]
- 視覚効果 - リバー・ベイリス[6]
- マット・ペインター - ジレ・カンラス[6]
- 音楽 - コーネル・ウィルチェック[5]
- キャスティング・ディレクターニッキー・バレット[5]
- 字幕 - 佐藤恵子[5]
製作
2024年4月、『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2022年)を監督したダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟が再びA24とタッグを組んで、ホラー映画『Bring Her Back』を製作することを、「Deadline.com」が注目の独占情報として発表した。この製作チームは主演にサリー・ホーキンスを起用することを決定し、2024年夏から製作に入ると記事に書かれているが、ストーリーや内容の詳細は伏せられている[7]。
2023年当時、フィリッポウ兄弟は新作映画『ストリート・ファイター』(2026年)を監督する予定だったが、ある悲しい出来事に直面した。彼らの親しい親戚筋の従妹が、2歳の息子を亡くしたのだ。ベッドにいる傷心の従妹の周りを家族が取り囲み、同じベッドに横たわる2歳の子どもの手や頭など、身体の各部に触れて母親と家族たちは死別を惜しんだ。その悲しみはあまりにも深く、フィリッポウ兄弟は従妹が絶望からもう立ち直れないのではないかと思えた。A24のもとで『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』の続篇を撮る予定だったフィリッポウ兄弟は、プロデューサーに事情を話して『ストリート・ファイター』の企画から降板し、『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』の精神的後継作とも呼べる“家族を亡くした喪失感”を題材にした映画を作ることにした。兄弟は“サイコ・ビディ(psycho-biddy)[注 1]”からもヒントを得ている[7][8]。
2024年6月、フィリッポウ兄弟はInstagramのストーリーに、ダニー・フィリッポウとビル・ハインツマンの名前が印刷された『ブリング・ハー・バック』の脚本の表紙をUPした。フォロワーたちからは幸運を祈るメッセージや応援のコメントが寄せられた[9]。
キャスティング

A24と、本作のプロデューサー サマンサ・ジェニングスが共同で作成した出演候補者リストがあり、そのトップにサリー・ホーキンスの名前があった。しかしダニー・フィリッポゥは、ホーキンスを魅力的な女優と思いながらも、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)の演技でアカデミー主演女優賞にノミネートされた彼女が、この脚本で出演を承諾するはずがないだろうと予想していた。ところがプロデューサー経由で「サリーは脚本を読んでとても気に入り、あなたたちと会いたがっています」と連絡を受けて驚いたという[10]。まさか引き受けてくれると思わなかったダニーは、彼女が大スターに有りがちな、現場に自分のエゴを持ち込んだり、一緒に仕事をしづらい気難しい人だったらどうしようと会うまでは内心不安もあった。だがそんなフィリッポウ兄弟の心配をよそに、ホーキンスはとても謙虚な人柄で順調に打ち合わせが進み、この映画に出演することを決めてくれた[10][11]。
2024年5月、A24は予め出演が決まっていたサリー・ホーキンス以外のキャスティングを決定した。18歳のビリー・バラットがホーキンスの相手役を務めるほか、ジョナ・レン・フィリップス、サリー=アン・アプトン、スティーブン・フィリップス、ソラ・ウォンが出演し、プロデューサーはコースウェイ・フィルムズのサマンサ・ジェニングスとクリスティーナ・セイトンが務める[12]。
ソラ・ウォンの母親はFacebookで、「近日公開予定の映画のオーディションで、視覚障害者の少女を探しています」という募集を見かけた。ウォンは生まれつき先天性無虹彩症と小眼球症を患っており、左眼は完全に失明し、右眼も非常に視力が悪かった。試してみたらどうかという母からの薦めもあって、ウォンはオーディションを受けてパイパー役を得た。「パイパー役には実際に視覚障害を持つ12歳ぐらいの女の子を起用したかったんですが、オーストラリアには目が不自由で演技をしたいという子は多くいませんでした」とマイケルは語る。彼女は全く芝居の経験がなかったが、即興のシーンを演じてもらったところ、非常に素晴らしい演技だった。ウォンはパイパーの役柄に多くの点で共感し、とても惹きつけられという。ビリー・バラットが映画の仕事を始めた時は12歳で、この映画の撮影中のソラ・ウォンも12歳だった。バラットは撮影現場でウォンの良き兄でもある指導者になり、お互いを支え合っていた[11][13][14]。
撮影
この映画は南オーストラリアから資金援助を受け、同州のアデレードで2024年夏から撮影に入ることになった。『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』もアデレード映画祭から資金援助を受けてアデレードで撮影された映画だっただけに、フィリッポウ兄弟は「僕らの映画第2作目もアデレードで撮れることを、とても嬉しく思っています。故郷のオーストラリアは我が家のようにくつろげて、沢山のインスピレーションを得られる土地なんです。これからもずっと、ここで映画を作り続けたいと思っています」とコメントを出した。これを受けて、南オーストラリア州芸術担当大臣のアンドレア・マイケルズも「非常に才能豊かなダニーとマイケルは南オーストラリア州の誇りです。この兄弟が2本目の映画撮影のために、再びアデレードに戻ってきてくれたことを大変嬉しく思います」と声明を発表した[15]。
撮影は、なるべくストーリーの展開通りに時系列順で進められた。そうすることで、ソラ・ウォンのような演技経験の乏しい子役が、重要なシーンに向けて徐々に準備を進め、ローラ役のサリー・ホーキンスも自分の役割をきちんと把握できるようになったからだ。終盤のシーンの撮影時、ホーキンスは万全の準備でカメラの前に立ち、ローラのキャラクターに入り込んで集中しながら演じられた[8]。
マイケル・フィリッポウは、尊敬する女優ホーキンスと仕事ができることに感激しつつも、彼女が演じるローラは映画の中では恐ろしい人だと『エンパイア』誌のインタビューで語った。共同脚本も担当しているダニーが言うには、ホーキンスが廊下であるキャラクターの腕を掴み、パニック状態で取り乱す芝居の時は、スタッフでさえ彼女に近寄るのが怖かったという。ホーキンスは完全に役柄に入り込み、テイクの合間に本当に泣いたり、せわしなく動き回っていた。マイケルは「ローラは自分の悲しみを間違った方法で処理しようと思っている女性です。もしも彼女が自分の失ったものを手放せなかったら、どんな悲劇が起こるでしょう」と述べ、こう続けた。「この映画に登場する人は、誰もが完全な悪人ではありません。世界がローラの人格を歪めてしまい、彼女は正気を失った。サリーの素晴らしいところは、ローラのキャラクターに対してホラー映画のアプローチではく、正気を失くした哀れな女性という視点で取り組んだところにあります」[16][17]。
ホーキンスは、ローラが使いそうな小道具やアクセサリーを自分で買い集め、「これを映画のどこかで使ってくださいませんか?」とスタッフに手渡していた。そんなホーキンスの姿を見たマイケルは「彼女は本当に献身的でした。あんな風に脚本を徹底的に読み込んで分析し、キャラクターをこれほどまでに強く体現する人を見たことがありません」と話した。また、ローラが落下する場面のリハーサルで、スタッフがマットを敷く準備をしていると、ホーキンスは「リハーサルにマットは要らないわ」と言って、果敢に地面に飛び込んでいったという[11]。共演のウォンは「サリーは、撮影外のところではとても優しいんです」と話した。撮影が白熱化している最中のホーキンスは恐ろし気だが、過酷なシーンを撮り終えた後でウォンはホーキンスから抱きしめてもらい「本当に素敵な経験でした」と撮影のエピソードを語った[13]。わずか41日間で撮影は終了した[14]。
公開
ソニー・ピクチャーズ・ワールドワイド・アクイジションズの買収担当社長ジョー・マトゥケウィッツと、ビジネス開発担当副社長エラン・コヴォは、ポストプロダクション中の『ブリング・ハー・バック』の企画を自社に持ち込み、2025年2月に配給権を獲得した。同社のレーベルステージ6フィルムズが、カナダ、中国、日本、ロシアを除くすべての国際配給権を持ち、国内配給権は本作の製作会社A24が保持する[18]。
A24は2025年2月19日に最初の予告編を公開し、同年5月30日に全米の劇場で上映されると発表した[19]。5月26日の夜にはアデレード映画祭でプレミア上映会が開催され、レッドカーペットに登壇したフィリッポウ兄弟は、南オーストラリアで映画を製作することへの愛情と共に観客へ感謝の言葉を述べた[20]。
日本では2026年7月10日より劇場公開されると、3月31日の各メディアが一斉に報道した。この日、併せてティザービジュアルと日本版特報も公開された[21][22]。
興行
全米2,449館で公開された『ブリング・ハー・バック』は、初週7,081,501ドルの興行収入を記録し、週末の国内興行収入ランキングで5位にランクインした[1]。アメリカとカナダでは、ジャッキー・チェン主演の『ベスト・キッド:レジェンズ』(2025年)と同時期に公開され、興行収入は500万ドルから700万ドル程度と予想されていた(一方の『ベスト・キッド:レジェンズ』は、2,500万ドルから3,000万ドルの興行収入が見込まれていた)[23]。
『ブリング・ハー・バック』の国内オープニング興行収入700万ドルは、『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』の初週末興行収入と比べるとやや低いものの、製作費はわずか1,500万から1,700万ドルと報じられているため、A24は今後数週間から数ヶ月のうちに本作で充分な利益を上げるだろうと予測された[24]。
2025年9月17日、本作はワーナー・ブラザース・ディスカバリーが運営するストリーミングサービスHBO Maxで、10月3日よりストリーミング配信されることが発表された。A24が配給する映画は、劇場公開からVOD配信開始まで通常1ヶ月程度かかるが、『ブリング・ハー・バック』は劇場公開からストリーミング配信の開始まで、126日という非常に長い期間を空けることになる。その後、本作はワーナー・ブラザース・ディスカバリーのケーブルテレビ局HBOにて、2025年10月8日の夜8時(米国東部時間)からテレビ放送が開始された。この時点で映画は国内で1,930万ドル、全世界で3,910万ドルの興行収入を上げていた[25][26]。
評価
レビューアグリゲーターのRotten Tomatoesでは270件の批評家レビューで肯定的評価は89%となった。同サイトの総評は「サリー・ホーキンスの狂気じみた演技が最大の恐怖を生み出す、家庭内の悪夢を描く『ブリング・ハー・バック』は、フィリッポウ兄弟が現代ホラー界の巨匠であることを改めて証明する傑作スリラーだ」というものだった[27]。IMDbの評価でも7.1/10点と、平均以上の高いスコアを記録した[28]。加重平均を用いるMetacriticでは、40件の批評家レビューに基づいて75/100点を与え、「概ね好意的」な評価を示している[29]。
『The Film Stage』のアリスター・ライダーは、「フィリッポウ兄弟は若い主人公たちに苦痛を強いることに全く躊躇せず、危険にさらされる子どもを描いた他のホラー映画よりも遙かに大胆だが、同じジャンルに属する一部のホラー監督のような、深い目的もなく10代の子を無思慮に拷問しているわけではない」とし、「『ブリング・ハー・バック』は特定のジャンルにとどまらない、フィリッポウ兄弟の映画に関する深い知識が存分に発揮されているのだ。これは近年のホラー映画の中でも、最も素晴らしく、大胆で、純粋な作品の一つと言えるだろう」と絶賛した[30]。
『ニューヨーク・マガジン』のポップ・カルチャーサイト「Vulture」は、「サリー・ホーキンスが悪に染まっていくのを見るのはとても楽しい」と題したレビューを寄せた。「ホーキンスはローラを、露骨なえこひいきをする、邪悪な幼稚園の先生のように演じている。亡くなった娘と同じ視覚障害を持つパイパーには愛情を注ぎ、兄のアンディは物置部屋のような粗末な場所に寝かせ、冷たく接している。壮大な計画を遂行するため、子どもたちを巧みに操る元カウンセラーを演じる彼女の姿を見るのは実に面白い」と、同誌はホーキンスの演技ぶりに着目している[31]。
『Rogerebert.com』のモニカ・カスティージョは、「彼らのブレイク作となった長編デビュー作よりもさらにゾッとするような作品だが、焦点がややぼやけている。『トーク・トゥ・ミー』が超常現象を取り入れた洗練されたスリラーだったのに対し、本作は“壁にスパゲッティをぶちまける”ような感じで、不吉な映像とアイデアを次々と投げつけ、観客が顔をしかめるような暴力描写が満載だ」と書いた。カスティージョは「フィリッポウ兄弟のデビュー作ほどの傑作とはいえないかも知れないが、観客を驚かせることにかなり成功しており、映画全体を通してサスペンスが維持している」として、5点満点中4点を与えた[32]。
『ローリング・ストーン』誌のデヴィッド・フィアーは、「フィリッポウ兄弟はこの映画で、ただの一発屋ではないことを証明した。『ブリング・ハー・バック』は、彼らが依然として限界に挑戦することを示唆しています」と肯定的なレビューを書いた。「裸の太った男が、床に描かれた円陣の中でのろのろと歩く冒頭の不気味なビデオ映像は、コケ脅しのミスリードに感じるかもしれないが、これは後半戦への種まきなので、忘れないよう頭の隅にピン留めしておこう。映画を観ているうちに観客も気付くだろうが、優しい里親のローラには別の思惑が隠されている」とフィアーは書き、「ペース配分や緊張感の演出がデビュー作より格段に向上しているにもかかわらず、依然としてまとまりのない作品だ。しかしながら映画製作者たちは観客を怖がらせようと思っている。彼らはジャンプスケアが過ぎ去った後も、感情的な余韻が長く残るところへ観客を誘おうとしている」と総括した[33]。
批判的な評として、『Rough Draft Atlanta』のサミー・パーセルが「技術的な面からすれば、ホラー映画としての力量は明らかに高い。しかしこの映画に欠けているのは感情的な重みです。終盤にかけて感傷的な方向へ進む『ブリング・ハー・バック』は、目指す感情の深みを捉えきれていません」と書いている。パーセルは、『トーク・トゥ・ミー』を観た人ならアンディの運命がどこへ向かうかは予想がつき、それが衝撃的な展開を台無しにしていると述べ、パイパーが弱視という設定は、彼女を被害者らしく見せるための手段に過ぎないように感じられると指摘した[34]。
ハワイ映画批評家協会の創設者である映画評論家バリー・ワーストは、『Hollywood in Toto』のレビューで「この物語は明らかに『ヘンゼルとグレーテル』の現代版だが、頻繁に児童虐待を描く、本当に酷い作品でお薦めできない。ほとんどのホラー映画は暴力的だが、この映画はわざわざ衝撃を与える方法にこだわり、注目を集めようと必死になっているようにしか見えない」と酷評した。「才能豊かな映画監督フィリッポウ兄弟の次回作は、トーンのバランスが取れていてブラックユーモアあふれる『トーク・トゥ・ミー』に近い作品になることを願っている。観客にゲロ袋を取らせようとする『ブリング・ハー・バック』以上の作品にはなってほしくない」とワーストは結論付けて、この映画に1.5点を付けた[35]。