ボルキア国王は2013年10月22日、姦通罪に対する石打ちや窃盗犯の手の切断など、シャリーア(イスラム法)を根拠とするハッド刑を盛り込んだ新法を、2014年4月より施行すると発表した[9]。
一連の刑罰はムスリムにのみ適用されるが、国王は新法を「神の教えに導かれたもの」として、「ブルネイはイスラムを国教に選んだのであって、(法施行に当たっては)誰からの許可も求めない」と述べている[9]。
なおこれに伴い、同性愛行為に死刑が適用される可能性が出ていた。過去麻薬犯罪などで死刑判決が言い渡されたことがあるものの、アムネスティ・インターナショナルによると、実際に執行された例は1957年が最後とされ、1984年の独立以後は行われていないという[9]。
その後、2019年4月3日よりシャリーアは同国内で完全施行された。この刑法は外国人や非イスラム教徒であっても適用される規定であり、ブルネイ在住の外国人や旅行者も適用対象となるほか、ブルネイ航空機やブルネイ船籍船舶における行為も対象となる[10]。同性愛行為などでも死刑が適用され、さらに残虐な石打ち刑や手足の切断刑が含まれることから、欧米諸国からの強い批判があり、一部のセレブリティなどではブルネイ資本のホテルの利用をボイコットする動きも見られた[11]。各国大使館でもブルネイでのシャリーア適用に関し、同国への旅行者などに注意喚起が出されている[12]。
ブルネイ国王のハサナル・ボルキアはこの国際的な批判や懸念に対して「誤解によって懸念が起きている。誤解が払拭されれば法の利点は明らかになる」「シャリア刑法についても同様の措置をとる」として死刑も含めたシャリーアへのモラトリアムを継続する考えを示している[13][14]。