ヘプタナール

From Wikipedia, the free encyclopedia

ヘプタナール英語: heptanal)は、アルキルアルデヒドの一つ。かつては、エナントアルデヒド(英語: enanthaldehyde)と呼ばれたこともあった。無色の液体で、強い果実臭を持ち、香料や潤滑油の原料となる[3]

概要 物質名, 識別情報 ...
ヘプタナール[1]
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.003.545 ウィキデータを編集
KEGG
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C7H14O
モル質量 114.188 g·mol−1
外観 透明な液体
密度 0.80902 (30°C)
融点 -43.3°C[2]
沸点 152.8°C[2]
わずかに溶ける
磁化率 -81.02·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.4241 n[2]
関連する物質
関連するアルデヒド ヘキサナール
オクタナール
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  ☒N ?)
閉じる

イランイランノキクラリセージレモンダイダイバラヒヤシンス精油に含まれる[4]

合成

ヒマシ油分留でヘプタナールが生成することは1878年にすでに報告されている[5]。大規模生産としては、リシノール酸の熱分解開裂[6](アルケマ法)と、2-エチルヘキサン酸ロジウムを触媒として1-ヘキセン2-エチルヘキサン酸英語版を加えてヒドロホルミル化する方法(オキセア法)がある。[3][7]

1-ヘキセンのヒドロホルミル化
1-ヘキセンのヒドロホルミル化

次のような方法でも合成できる。

  • 1-オクテンオゾンで酸化する[2]
  • ヘプタン酸蟻酸とを、300℃から360℃で酸化マンガンの上に通す[2]
  • ヒマシ油を熱分解する。その後、ヘプタナールと同時に生成してしまうウシデシレン酸を取り除くために、蒸留して精製する[8]

性質

可燃性でわずかに揮発性のある無色の液体で、果実または油脂のような芳香を持ち[9]、アルコールとは混和し[2][4]、水にはほとんど溶けない[2][10]。酸化しやすいため窒素下で充填し、100ppmのヒドロキノンで安定化する[11]。4℃のを標準物質とした、15℃におけるヘプタナールの比重は0.8216である[2]

利用

ヘプタナールを水素化することで1-ヘプタノールを合成できる。

ロジウム触媒の存在下でヘプタナールを酸素で酸化すると、50°Cで95%の収率でヘプタン酸が得られる[12]

塩基性触媒を使い、ベンズアルデヒドクネーフェナーゲル縮合させると高収率かつ高選択率(90%以上)でジャスミンアルデヒド英語版が生成する[3][13]。ジャスミンアルデヒドはシス–トランス異性体混合物としてジャスミン様の香りを持ち、主に香料に使用される[14]。副生成物の(Z)-2-ペンチル-2-ノネナールは不快臭のある物質である[15]

法規制

消防法が定める 第4類危険物 第二石油類 非水溶性液体 危険等級III に該当する[16]

出典

Related Articles

Wikiwand AI