マゼッパ (リスト)
From Wikipedia, the free encyclopedia
概説
一連の作品の原型となったのは『12の練習曲』S.136/op.1 (op.6)(1826年)の第4曲である(アレグレット、8分の6拍子)。これはまだリストが15歳の時の作品で、師カール・チェルニーの影響が見受けられる。この初版では後に用いられる三度のフレーズが左右の手でやり取りされる。これが1837年に改作されて主題が追加され、『24の大練習曲』(実際は12曲)のうちの第4曲、練習曲ニ短調(S.137-4)となった(アレグロ・パテティコ、4分の6拍子)。大北方戦争でカール12世に味方したコサック、イヴァン・マゼーパのポーランド時代に着想を得たヴィクトル・ユーゴーの叙事詩『マゼッパ』(1828年)に感銘を受けて作曲したと言われ、1840年に改作 (S.138) した際に『マゼッパ』と題名を付けられ、単独で出版された。その後、1851年にこれを基に第6番の交響詩として作曲、また同年にピアノ曲としての改作も行い、現在一般に取り上げられる『超絶技巧練習曲』の1曲にした。
『超絶技巧練習曲』版は3段譜で書かれており、演奏には高度な技術が必要となる。
下に示す3段譜の部分では1、3段目の譜は鐘の音色を、2段目の譜では馬の足音を表現している。2段目の「m.d.」は右手で(伊:mano destra)、「m.s.」は左手(mano sinistra)で弾くという指示であり、頻繁な左右の手の入れ替えが求められる。
アレグロ、ニ短調、4分の4拍子。序奏とコーダ付きの三部形式(中間部は主部の主題によるため、単一主題による三部形式とみなせる)で、演奏時間は約7分。初版は約1分、第2版は約4分。
高度な技術が必要な点
- 上の楽譜での2段目の譜にある3度の音型は、リストの指示により2と4の指のみで演奏しなければならない
- オクターブの連続移動
- 鍵盤上での広い間隔の手の跳躍
- 音の強弱
- 指の移動