本属はイネ科の中でキビ亜科ヒメアブラススキ連に属するものとして従来はアシボソ属 Microstegium に含められていたものであるが、下記のように分子系統の検討から別属とされるようになった[6]。形態的には本属のものは小穂の並ぶ花序の枝の軸が節に毛がある以外は無毛であるのに対してアシボソ属では縁に毛が並ぶこと、またアシボソ属では雄しべが3本であるのに対して本属では2本である点などで区別できる[7]。もっとも見かけでは本属のものは花序枝が細くて繊細なので一目で見分けられる。
分子系統の情報によると本属はモロコシ属 Sorghum と姉妹群を成し、この2属の姉妹群になるのはメガルカヤ属 Themeda とのことである[8]。
外見的には細い茎が基部では這い、先端では斜めに立ち、葉はあまり細長くないイネ科の草には他にも色々あり、例えばチゴザサ、コブナグサ、チヂミザサ、メヒシバなどが挙げられる。いずれも普通種なので道ばたで見ることも多く、穂が出るまでは判別が難しいこともあるが、穂が出れば大抵は簡単に見分けられる。穂まで似ているのはメヒシバ属 Digitaria のもので、茎の先から伸びる花茎の先端に放射状に小数の花序枝が出て、小穂は全て花序枝に密着しており、更に小穂は同型のものが2個ずつ組になってつくという特徴まで共通している。ただしメヒシバ属のものでは花序枝が丈夫で真っ直ぐに伸びているのに対して本属のものは繊細で柔らかく、またメヒシバ属のものは小穂に芒が無いのに対して本属のものは細長くくねった芒があるので混同するものではない。
本属はNees によって1841年に立てられたもので、タイプ種は L. royleanum であったが、この種は当時はアシボソ属とされていたミヤマササガヤ M. nudum と同じものとされている[9]。そのために彼以降の研究者は本属をアシボソ属の同物異名として扱うことが多かった。ただしTzvelevは1966年に本属の名をアシボソ属の中の節として扱うことを提唱し、その特徴として総状花序が細くて無毛であること、包頴の先端が急に狭くなっていること、第1包頴の背面が凹んでいること、雄しべの数が異なることなどを挙げている。この時点でこの節に含められたのはミヤマササガヤとササガヤの2つで、ただしこの時には後者は前者の亜種とされていた。その後メンテンササガヤが別属で記載され、後にアシボソ属に移され、この節にはこの3種が含まれることになった。この節と同属の他のものとが系統を異にするものではないかと言われ始めたのは分子系統の研究がなされるようになった時のことで、Spangler が1999年、2000年に葉緑体のDNAによってヒメアブラススキ連の系統を解析した際に両群のタイプ種であるミヤマササガヤとアシボソが単系統をなさず、異なる系統に位置することを示してからである。その後の核DNAなどを使った解析でも同様な結果が出て、C. -H. Chien et al.(2009)でこれらを別属として扱い、それが認められた形である。
上記のように現時点で本属には3種が含まれている。いずれも日本に分布がある。
- Leptatherum ミヤマササガヤ属
- M. japonica ササガヤ:本州~九州
- var. boreale キタササガヤ:本州中北部山地
- M. nudum ミヤマササガヤ:本州(関東以西)~九州
- M. somae メンテンササガヤ:琉球列島