ミュンヘン市電R形電車
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| ミュンヘン市電R1形電車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 製造所 | MAN |
| 製造年 | 1990年 - 1991年 |
| 製造数 | 3両(2701 - 2703) |
| 運用開始 | 1991年(ミュンヘン市電) |
| 運用終了 |
1997年(ミュンヘン市電) 2015年(ノーショーピング市電) |
| 投入先 |
ミュンヘン市電 ノーショーピング市電(譲渡先) |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 3車体連接車、片運転台 |
| 軸配置 | (1A)+(A1)+(A1) |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
| 車両定員 | 166人(着席64人) |
| 車両重量 | 29.4 t |
| 全長 | 26,800 mm |
| 全幅 | 2,300 mm |
| 床面高さ |
350 mm 300 mm(乗降扉付近) (低床率100 %) |
| 固定軸距 | 1,850 mm |
| 主電動機 | 三相誘導電動機 |
| 主電動機出力 | 85 kW |
| 出力 | 255 kW |
| 備考 | 主要数値は[1][2][3][5][6][7]に基づく。 |
1980年代以降、路線規模が縮小傾向にあったミュンヘン市電の存続に向けた動きが高まり、新型車両の導入を含めた近代化が模索されるようになった。その中で1988年、ミュンヘン市議会はドイツの機械メーカーであるMANに対し、超低床電車の試作車3両の発注を実施し、翌1990年にミュンヘン市電における22年ぶりの新造車両として納入が始まった。これがR1形で、「R1.1形」という形式名でも呼ばれた[3][8][7][9]。
R1形は、日本では「ブレーメン形」とも呼ばれる、MANが開発した超低床電車の1形式である。各車体に車軸がない独立車輪方式の台車が設置された3車体連接車で、駆動方式は車体床下端部に搭載された主電動機からスプライン軸とかさ歯車を通して台車に動力を伝達するカルダン駆動方式が採用された。制御装置を始めとした電気機器は、低床構造を実現させるため屋根上に設置された。これらの電気機器は車両によって異なり、2701と2702はシーメンス製、2703はAEG製のものが用いられた[1][10]。
1991年からミュンヘン市電初の超低床電車として営業運転を開始し、それ以降も実施された各種試験の結果も踏まえ、1992年にミュンヘン市議会は超低床電車の増備を決定した。その後、1995年に機器の故障で2701が運用を離脱し、残る2両についても次項で述べる量産車との構造上の差異から1997年に廃車された。2703については一時ニュルンベルクへ移送されたものの、1999年にスウェーデンのノーショーピング市電(ノーショーピング)へ全車とも譲渡され、路面電車の近代化に貢献した[注釈 1]。だが、2015年に実施された昇圧(直流600 V→直流750 V)に関して機器が適合しなかったため、同年をもって営業運転を離脱した[1][11][7][6]。
R2形
| ミュンヘン市電R2形電車 | |
|---|---|
|
R2形(2121)(2009年撮影) | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | AEG→アドトランツ |
| 製造年 | 1994年 - 1997年 |
| 製造数 | 70両(2101 - 2170) |
| 運用終了 | 2025年(未更新車両) |
| 投入先 | ミュンヘン市電 |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 3車体連接車、片運転台 |
| 軸配置 | (1A)+(1A)+(A1) |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 電気方式 |
直流600 V→750 V (架空電車線方式) |
| 最高運転速度 | 60 km/h |
| 車両定員 |
157人(着席58人) 164人(着席55人)(更新車) |
| 車両重量 |
30.7 t 30.9 t(更新車) |
| 全長 | 27,390 mm |
| 全幅 | 2,300 mm |
| 全高 | 3,330 mm |
| 床面高さ |
360 mm (低床率100 %) |
| 固定軸距 | 1,850 mm |
| 主電動機 | 三相誘導電動機 |
| 主電動機出力 | 120 kW |
| 出力 | 360 kW |
| 制動装置 | 回生ブレーキ、スプリングブレーキ |
| 備考 | 主要数値は[1][12][2][3][13]に基づく。 |
試作車のR1形(R1.1形)の実績を受け、1992年に発注が実施された量産車で、「R2.2形」と呼ばれる事もある。基本的な構造はR1形に準拠しているが、車内や運転台のレイアウト変更、前面の行先表示機のドットマトリクス化、台車の軸配置の変更に伴う脱線の防止、主電動機の出力増加といった一部の設計・機器の変更が行われた。製造企業についてはMANの鉄道車両部門を買収したAEG、そのAEGとABBの鉄道部門が統合したアドトランツと、企業合併による変化が生じている[14][15][13][16]。
- 車内
- 車内(更新車両)
営業運転は1995年から始まり、1997年までに発注した全70両の入線が完了した。これにより、老朽化が進んだ旧型3軸車のM形電車が営業運転を終了した。また、翌1998年以降R2形は全車ともアメリカの投資家グループへのリース(クロスボーダー・リース)が行われている[14][17]。
その後、2009年にミュンヘン市電を運営するミュンヘン交通会社(MVG)は、シーメンスとライプツィヒ交通事業会社(LVB)の合弁会社であるIFTECに対し、R2形の更新工事を委託した。これは長期間の使用に伴う経年劣化が生じた個所の改修と今後15 - 20年間の使用を見据えた延命を兼ねたもので、改造工事はIFTFCが実施した入札を経てフォスロ・キーペが担当している。主要な改造箇所は以下の通り[13][16][18]。
- 車体塗装の変更。次項で述べるR3形(R3.3形)と同様の、青地に灰色の帯、窓周り黒色という塗装が採用されている。
- 床面に使用されていた素材の交換。これにより遮音性が向上している。
- 車内各部に情報案内用のモニターや監視カメラを設置。
- 運転席に冷房装置を設置。
- 乗降扉(プラグドア)の形状変更。
- 車内レイアウトの変更による定員数やフリースペースの面積の増加。ただしその分座席数は減少している。
これらの更新が実施された車両は「R2b形」もしくは「R2.2b形」と呼ばれており、当初計画されていた50両に加えて2015年には5両の追加発注が行われ、前者は2011年から2014年、後者は2015年から2016年9月まで更新工事が実施された[16][19][20]。
2022年時点でR2形(R2.2形[注釈 2]、R2.2b形)は事故で廃車された2両(2122、2141)を除く68両が在籍していたが、同年以降営業運転に導入されたTZ形(T4.8形)によって、更新対象から外れた初期車(2101 - 2113)および更新車両の一部が2024年から置き換えられていき、2025年10月18日に実施されるさよなら運転をもってこれらの車両は営業運転から離脱する。ただし、それ以降もトップナンバーの2101が動態保存される他、1両は学童輸送用、もう1両は音楽イベント用の車両として今後も使用される事になっている[21][22][23]。
