Wikiwand AI

ミュールジカ

From Wikipedia, the free encyclopedia

ミュールジカ
ミュールジカのオス(左)とメス
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
Status iucn3.1 LC.svg
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : ウシ目 Artiodactyla
亜目 : 反芻亜目 Ruminantia
科 : シカ科 Cervidae
亜科 : ノロ亜科 Capreolinae
属 : オジロジカ属 Odocoileus
種 : ミュールジカ O. hemionus
学名
Odocoileus hemionus
和名
ミュールジカ
英名
Mule deer

ミュールジカ(Odocoileus hemionus)は、北アメリカ西部で普通にみられるシカである。耳がラバ(ミュール)のそれに似ているのでこの名前がある。尻尾がすべて黒いオグロジカを含む数種類の亜種があり、近縁のオジロジカとは違って、ミズーリ川より西の地域、特に、ロッキー山脈付近に分布する。ハワイのカウアイ島やアルゼンチンに移入されたこともある[1]。

シートン動物記の The Trail of The Sandhill Stag(邦題『サンドヒルの牡鹿』『サンドヒル・スタッグ どこまでも続く雄ジカの足あと』)に出てくるのは、このミュールジカである[2]。カナダ・マニトバ州が舞台ということで後述 種類 の「O. h. peninsulae」種と思われる。

オジロジカ属の中では最大種で、肩高1-1.1m、体長2mにもなる。大人のオスは体重が68kgから140kg、一方メスは平均して57kgから79kgで、大きなオスになると230kgにもなる[3]。オジロジカのように、同じ地域内で際立った体格差が見られることはない。
オジロジカとの外見上の大きな違いは、耳の大きさ、尻尾の色、そしてオスの角の形である。体の大きさの違いで見分けられることも多い。また、ミュールジカの尻尾は先端が黒いが、オジロジカは黒くない。角も、ミュールジカは複数の枝に分かれ、年を重ねるごとにフォーク状に横に張るが、オジロジカの角は、1本の角から枝分かれする。
角は毎年、交尾期の後に抜け落ちるが、春にはすぐに新しいものが生えて来る。抜け落ちるのは2月半ばが一般的だが、地域差がある[4]。

生態

食性

夏は主に草を食べるが、果実を食べることもある。例えばブラックベリー、ブルーベリー、レモンリーフの実やスィンブルベリーである。また、有毒であるにもかかわらず、カリフォルニア・バックアイ(カリフォルニアトチノキ)の葉を食べることでも知られる。
冬は毬果、とりわけダグラスモミや、ヒノキ科や、イチイ属、ビャクシン属の樹木の実を食べる。また、落葉樹や灌木(特にハコヤナギ、ヤナギ、ハナミズキ、ザイフリボク、セージ)の枝も食べる。ドングリやリンゴを食べることもある。ミュールジカが生息する地域の大部分は、冬になると、食物が雪と氷におおわれ、そうでないわずかな食物も成長が鈍る。食物が少ない環境での冬を乗り切るために、ミュールジカは動きが少なくなり、新陳代謝が鈍くなる。冬はミュールジカの死亡率が一番高くなる時期で、特にその前の春に生まれた子の死亡率が高い。そのため、ミュールジカは、冬場は雪が多い山から谷へと移動する。人間による餌付けが行われることもあるが、こういう給餌のやり方は、よほど適切に行われない限り、いい結果を生まない。
[5][6]

ミュールジカの子

ミュールジカは木の葉よりも草を食べる傾向があり、食物となる草の多寡によって生息数が増減する。水や餌を求めて移動することはまれで、食物があるところから、歩いて移動できる場所にねぐらを構える性質がある。

子供のころは家族単位で採食するが、大人のオスは単独、もしくは他のオス数頭と採食する。夜明けまたは日暮れの頃に食物を採り、昼間は休んでいることが多いが、見通しのいい農地や、満月の時期、そして、ハンターから追われている場合には、夜にも餌をあさる。ミュールジカの寝る場所は、たらいほどの大きさで、よく使う場所は表面がこすり取られているが、間に合わせのねぐらは、せいぜい草がぺしゃんこになった程度である[7]。

繁殖

メスのミュールジカ(カナダ、アルバータ州)

繁殖のサイクルも、このシカを知る上では欠かせない。交尾期もしくは発情期は秋に始まり、メスは数日間盛りがついた状態となり、オスは、相手を求めてより攻撃的になる。メスは最低1頭のオスと交尾するが、つがいとならなかった場合は、一月以内に発情期に戻る。妊娠期間は約190-200日で、春に生まれた子ジカは、生後60-75日経って乳離れをする。
子ジカは通例1頭または2頭だが、たまに三つ子が誕生することもある。子ジカは、生まれた年の冬は母親と一緒に過ごす[8]。

天敵

ミュールジカの天敵は人間に留まらない。ハイイロオオカミやクーガーは、成獣にとっての主な天敵である。ボブキャット、コヨーテ、アメリカクロクマやハイイログマは、成獣はめったに捕食しないが、子ジカは普通に捕食する[5]。

1960年代より、プリオンによる慢性消耗病(CWD)が問題になっている[9]。

種類

関連項目

脚注

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks