ものづくり
日本の製造業とその精神性や歴史を表す言葉
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解説
「物作り(ものづくり・ものつくり)」は、日本の製造業とその精神性や歴史を表す。現在の日本の製造業の繁栄は、日本の伝統文化、固有文化に源を発するという史観である。大和言葉であるが、生産や製造を意味する言葉として盛んに使われるようになったのは最近のことである。
この言葉は、普通は製造業やそこで使われる技術、人々のことを指す。単純作業での製造ではなく特に職人などの手による高度な製造の場合にこういった表現を用いられることが多い。似たような言葉に生産技術や製造技術という言葉もあるが、これらは明治期に西洋のIndustrial Engineeringを訳した言葉であり、西洋文明から入ってきたというイメージを強く感じさせる言葉であり、「優れたものは海外」から、というニュアンスがある。一方「ものづくり」は大和言葉である。あえて古い言葉を当てることで、日本における製造業の歴史性を強調する意図があり、この場合の「もの」とは鉄を意味するという説もある。
日本では中小・零細企業がものづくりを支えている。自動車の完成車1台を作るためには約3万点の部品が必要だが、部品のほとんどが中小工場によって製造される。愛知県や静岡県などの自動車産業集積地では、数十人規模の弱小部品メーカーが数千社単位で存在し、大企業のものづくりを下支えする構造となっている。大企業は設計・開発・最終組立を担当、中小工場が実際の部品製造、特殊加工、試作品対応を担当する構造がある[3]。
日本の製造業は海外から入ってきた技術だけで成り立っているのではなく、日本の伝統技術の延長上に現代の製造業がある、という認識で使われるのが「ものづくり」という言葉である。
ものつくり大学はこの考え方を多く取り入れているが、大学名はものつくりとなっている。
ものづくりの歴史
「ものづくり」は大和言葉であるが、生産や製造を意味する言葉として盛んに使われるようになったのは最近のことである。
1980年代以降、単純な製造作業の拠点は中国などに移り、おりしもITブームや財テクが流行り、日本の製造業には3Kに代表される工場で油にまみれる作業のネガティブな印象が強かった。しかし、1990年代後半から自動車産業を筆頭に、日本の製造業が復活を遂げた。そこで、日本の製造業が集約型単純労働ではなく、より高度で精神性の高い技術活動であるとの認識が生まれ、製造業をポジティブなイメージで捉える言葉として「ものつくり」という表現が使われるようになった。現在の日本の製造業の繁栄は、日本の伝統文化に源を発するという考え方である。[4]
1999年3月19日にものづくり基盤技術振興基本法が公布されると、企業やマスメディアの間でも広く使われるようになったのである。
企業における「ものづくり」
1990年代後半から、日本の製造業の強さは日本の伝統文化、あるいは固有文化に源を発するという考え方が広まった。そこで企業のポリシーを技術の高さではなく、より精神的、歴史的なもので表すことが広まった。最近よく見られる「○○ウェイ」というのがそれである。[5]
ものづくり産業
株式会社ミスミグループ本社は「ものづくり産業」を、「製品開発から設備製造、量産に及ぶ顧客のバリューチェーン上のプロセス」であり、「従来の 製造業や自動化産業にとどまらず、より広い範囲を対象とする」と定義している。
- ものづくり産業 株式会社ミスミグループ本社 2025年度版 統合報告書
中小企業
前述の通り、日本では大企業は設計・開発・最終組立を担当し、実際の「ものづくり」は中小・零細企業が担当する。さらに、地域ごとに産業集積が形成される[3]。
以上のように、地域に密着した中小工場がそれぞれ専門分野を支えることで、日本全体のものづくり基盤が成り立っている。これは日本の国土が狭く、都市部では広大な土地を確保するのが困難である状況が関係している。土地価格の高い都市部では、大規模な工場を新設するには不向きである。そのため、小規模な敷地でも効率的な運営が可能な中小工場が選択されやすい傾向がある。特に中小工場は、住宅街や商業地に近隣して立地されることが多く、地域の雇用を守るなど地域社会と共存して発展してきた[3]。
日本の中小企業のものづくり製品例
- 職人手作りの横引き式シャッター(横引シャッター)
