ヨウジウオ
From Wikipedia, the free encyclopedia
| ヨウジウオ | ||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
| LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Syngnathus schlegeli Kaup, 1856 | ||||||||||||||||||||||||
| シノニム[2] | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| Pacific seaweed pipefish |
ヨウジウオ(楊枝魚、学名:Syngnathus schlegeli)は、ヨウジウオ科に属する魚。アマモ場でよく見られる底魚である[2]。特殊な薬効成分を持つことから、中国の伝統医学で最も有名かつ高価な材料の一つとして知られている[3]。
1856年にドイツの博物学者であるヨハン・ヤーコプ・カウプによって、日本と中国をタイプ産地として記載された[4]。種小名は本種に関する記述を残したヘルマン・シュレーゲルへの献名[5]。
分布と生息地
形態
体は細長く、吻は管状で長く、末端に口がある[10]。他のヨウジウオ類と同様に、歯は無く、吻の先端に顎がある。管状の硬い吻は、特殊な神経頭蓋骨から成る[11]。幼魚の標準体長は5.5-14.7cmで、成魚では13.3-27.7cmである[6]。体色は主に茶色で、淡い模様がある[10]。タツノオトシゴ属と比較すると、多くのヨウジウオ類の吻は比較的長く狭い。非常に小さな背鰭と胸鰭を持ち、これを素早く羽ばたかせて前進し、頭を使って方向転換する。遊泳力のある大きな尾鰭が無いため、背鰭と胸鰭によって体を制御する。泳ぎが苦手なため、主に浅瀬の海藻や海草の中に生息する[11]。その形状と色によって周囲の植物に溶け込み、天敵と獲物の目を欺く。尾鰭は扇子のような形をしており、海草に尾鰭や細長い体を巻き付けている時がある。
生態
摂食
最も速く獲物を捕らえる魚類の一つである。視覚で獲物を見つけ、水中を活発に泳ぎ回って獲物を探す。獲物を選ぶ際は追跡の容易さを重視し、獲物の色や、小さな群れを探す。ヨウジウオは泳ぎが遅く、獲物に逃げられると追いつくことが出来ない為、獲物を驚かせないように、ゆっくりと接近する必要がある。体液の乱れを抑える特殊な頭部構造を発達させており、獲物に発見される可能性を低減している。吻部を獲物からわずか数mmの距離にまで近づけ、頭を体から離して素早く口を動かすことで獲物を捕らえる。この爆発的な頭の回転により、一定の体勢を保つことができる。吻部が長いほど、より遠くの獲物を捕らえることが出来る。吻の形態は捕獲できる獲物のサイズを決定する。幼魚は小型の獲物のみを食べることが出来るため、獲物の種類は少ないが、成魚になるとより幅広い獲物を食べることができるようになる。肉食魚であり、カイアシ類や端脚類などの小型甲殻類、魚、魚卵、動物プランクトンを捕食する[11]。
繁殖
タツノオトシゴ属と同様、雄が出産する魚として有名である[12]。雌は繁殖期に、雄の育児嚢に800 - 1000個ほどの卵を産み付ける。繁殖期は5-10月まで、6ヶ月以上続く。ヨウジウオ属の他種も同様に長い繁殖期を持つ[6]。卵は育児嚢の中で成長し、育児嚢は性成熟とともに発達する[13]。育児期間は14-28日で[8]、幼魚は育児嚢から出ると、自由生活を始める[9]。魚の幼魚としては珍しく、生まれたばかりであっても完全に発達した捕食能力を備えている[11]。一夫多妻制であり、雌の繁殖率は雄よりも高いため、雌は複数の雄と順番に交尾する[8]。交尾が終わると、雄のみが卵を世話する[9]。