ヨヒンビン
From Wikipedia, the free encyclopedia
|
| |
| 臨床データ | |
|---|---|
| 投与経路 | 経口 |
| ATCコード | |
| 法的地位 | |
| 法的地位 | |
| 薬物動態データ | |
| 生体利用率 | 7-86% (mean 33%) |
| 消失半減期 | 0.25-2.5 hours[1] |
| 排泄 | Urine (as metabolites) |
| 識別子 | |
| |
| CAS登録番号 | |
| PubChem CID | |
| IUPHAR/BPS | |
| DrugBank | |
| ChemSpider | |
| UNII | |
| KEGG | |
| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| CompTox Dashboard (EPA) | |
| ECHA InfoCard | 100.005.157 |
| 化学的および物理的データ | |
| 化学式 | C21H26N2O3 |
| 分子量 |
354.44 g/mol (base) 390.90 g/mol (hydrochloride) g·mol−1 |
| 3D model (JSmol) | |
| |
| |
| (verify) | |
ヨヒンビン(英: Yohimbine)は、アルカロイドの一つで、α受容体の拮抗作用を持つ。主に熱帯アフリカ西中央部産植物であるアカネ科ヨヒンベノキ属のヨヒンベノキ(Corynanthe johimbe K.Schum.; シノニム: Pausinystalia johimbe (K.Schum.) Pierre)から発見された。骨格的にはインドールアルカロイドの一種であるラウオルフィアアルカロイド(Rauwolfia Alkaloid)に属する。
ヨヒンビンは、血管壁に分布するα1受容体遮断作用だけでなく、交感神経系に分布するα2受容体遮断作用をも示す。血管拡張に作用する抗アドレナリン作用のα1受容体遮断作用より、交感神経に作用するα2受容体遮断作用の方が強い。抗アドレナリン作用の発現量では副作用を示すため、臨床では用いられない。獣医学領域では、イヌやシカで鎮静状態からの回復に用いられる。さらに、中枢におけるセロトニンに対する拮抗作用も知られている。
また、催淫作用や勃起不全に効果があるという根拠は不充分で[2][3]、作用機序は「生じた興奮を減弱させる因子を遮断するように働く」と考えられる。興奮に対して積極的には作用しないため、増量しても効果が増強するより、むしろ副作用の発現・増強を心配する必要がある。[4]。海外では、ヨヒンベ抽出物が性的不能治療サプリメントとして流通している地域がある[5]。
毒性
抽出・化学合成
作用機序
ヨヒンビンはα2アドレナリン受容体に対して高い親和性を有するほか、α1受容体、5-HT1A受容体、5-HT1B受容体、5-HT1D受容体、5-HT1F受容体、5-HT2B受容体、D2受容体に中程度の親和性を、5-HT1E受容体、5-HT2A受容体、5-HT5A受容体、5-HT7受容体、D3受容体に弱い親和性を有する[13][14]。α1受容体、α2受容体、5-HT1B受容体、5-HT1D受容体、5-HT2A受容体、5-HT2B受容体、D2受容体に対して遮断薬として作用するほか、5-HT1Aに対しては部分作動薬として作用する[13][15][16][17]。ヨヒンビンは高濃度でセロトニン受容体及びドーパミン受容体と相互作用する[18]。
| 受容体 | 親和性 (Ki (nM))[19] | 薬理学的作用 [13][15][16][17][20] | 種 | 源 |
|---|---|---|---|---|
| SERT | 1,000 | 阻害薬 | ヒト | 前頭皮質 |
| 5-HT1A | 346 | 部分作動薬 | ヒト | 培養 |
| 5-HT1B | 19.9 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| 5-HT1D | 44.3 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| 5-HT1E | 1,264 | 未知 | ヒト | 培養 |
| 5-HT1F | 91.6 | 未知 | ヒト | 培養 |
| 5-HT2A | 1,822 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| 5-HT2B | 143.7 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| 5-HT7 | 2,850 | 未知 | ヒト | 培養 |
| α1A | 1,680 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α1B | 1,280 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α1C | 770 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α1D | 557 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α2A | 1.05 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α2B | 1.19 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| α2C | 1.19 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| D2 | 339 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
| D3 | 3,235 | 遮断薬 | ヒト | 培養 |
研究開発
性的不能
ヨヒンビンは勃起不全治療薬として研究されて来たが、有効率は不充分である[2][3]。
ヨヒンビンはシナプス前後のα2受容体を共に遮断する。海綿体のアドレナリン受容体は多くがα1受容体であり、シナプス後α2受容体遮断が海綿体平滑筋を弛緩させる作用は大変弱い。シナプス前α2受容体遮断は中枢神経系及び末梢神経系で多くの神経伝達物質を放出させる。その中には海綿体での一酸化窒素やノルアドレナリンの放出も含まれている。一酸化窒素は勃起過程で血管拡張を担う物質であり、ノルアドレナリンは海綿体平滑筋のα1受容体を刺激して血管収縮作用をもたらす。生理学的条件下では、一酸化窒素はノルアドレナリンの血管収縮作用を減弱させる[21]。