リュウミン

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リュウミン(Ryumin)は、モリサワが開発・販売する写真植字(写植)・DTP向け明朝体およびそのフォント製品。

リュウミンのタイプフェイスは、1902年大阪に創業した活字メーカー森川龍文堂(もりかわりうぶんどう)[1]の明朝体「新体明朝」四号活字をモデルにしたとされる[2]。書体名は、森川龍文堂の「龍」と明朝体の「明」を組み合わせたもの[3]。モリサワの創業者・森澤信夫が1959年に森川龍文堂の2代目社長・森川健市から見本帳を譲り受け、これを基に文字を書き起こすことから開発が始まった。1971年1977年の2度にわたり試験用文字盤が制作され、印刷現場における試用結果に基づく調整が施された。

1982年に手動写真植字機の文字盤としてリュウミンL-KL(大がな、当初は「大かな」と称した)・L-KS(小がな、当初は「標準かな」と称した)が発売された。その後、ウエイト(太さ)と仮名のバリエーションを拡充するファミリー化が進められた。この際小塚昌彦の監修の下、筆の雰囲気を弱め、直線を主体とする方向でリデザインされた。

1985年にR/M、1986年にB/H、1992年にEB/U、1993年にEHがそれぞれ発売された。

モリサワはリュウミンについて「金属活字に由来する彫刻刀の冴えを、左右のハライや点の形に活かしながらも、縦画・横画の先端やウロコにはやわらかさをもたせ」たと謳っている[4]。1986年、リュウミン5ウエイト化に際して「正調明朝体」と銘打ち、田中一光が制作した広告ポスター「新古典主義」では文字のエレメントを紙面いっぱいに拡大し、先述の特徴を引き出したデザインが用いられた。

デジタルフォントとして

DTP時代に入り、リュウミンは印刷物において最もメジャーな明朝体[5]の座を占めるようになった。背景には、DTP化の動きが日本語の出版・印刷界に近づいてきた1980年代後半に写植2社が対照的な動きを見せたことがある。最大手であった写研は石井明朝体を含む全書体を引き続き写植機・自社システムでだけ使用できることとし、DTP向けには開放しなかった。これに対し、関西圏で一定の占有率のあったモリサワはAdobeと提携し、日本語PostScriptフォント開発に乗り出す。1989年Appleが発売した初の日本語PostScript対応レーザプリンタLaserWriter II NTX-J」にリュウミンL-KLと中ゴシックBBBを搭載した。これを皮切りに、Macintoshの日本語版OS漢字Talk 7.1へのTrueType版「リュウミンライト-KL」のバンドル、リュウミンファミリー(M-KL/B-KL/U-KL=1993年、H-KL=1994年、R-KL=1995年)をはじめとする主要書体のPostScriptフォント化などを経て、リュウミンそしてモリサワはDTPでの地歩を固めた。L-KL/R-KL/M-KL/B-KL/H-KL/U-KLについては1999年にNewCIDフォント、2002年にOpenTypeフォントとなった。

2021年4月現在、リュウミンはMac・Windows両用のOpenTypeフォントとして販売・提供されている。リュウミンPro L-KLはモリサワ「OpenType 基本7書体パック」構成書体の一つであり、その最初に挙げられている[6]。このほかモリサワの「TypeSquare」、Adobeの「Adobe Fonts」[7]ウェブフォントとしても提供されている。Android向けの「モリサワ ダウンロードフォントfor Android」には「リュウミン M-KL」がラインアップされ、iPadでは「MORISAWA PASSPORT for iPad」を通じてリュウミンをインストールできる。

かつてはMacintosh用PostScriptフォント(OCF、CID、NewCID)、Windows Vista以降用のTrueTypeフォント(MORISAWA FONT Pack for VistaでL-KL/R-KL/M-KLのみ)として販売された。

前述の通り漢字Talk 7.1に「リュウミンライト-KL」がバンドルされたほか、NTT DoCoMo富士通FOMA端末、F902i以降の90Xシリーズでは、明朝体フォントとしてリュウミンが採用された(デフォルトでは新ゴがベースとなったゴシック体)[8]

ジャストシステムの『一太郎2011 創 プレミアム』にはL-KL/EB-KL/EH-KLが対応アプリケーション上でのみ利用できる専用フォントとして付属する。同社『一太郎2020 プラチナ』にはL-KL/R-KL/M-KL/B-KL、L-KO/R-KO/M-KO/B-KOが付属する。

ファミリー

脚注

外部リンク

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