レミエール症候群
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臨床所見
若年健常者に見られることが多い。[3]欧米では「killer sore throat」(死を呼ぶ喉の痛み)とよばれる。扁桃炎、咽頭炎や口腔感染症[4]に引き続いて発症するとされるが、発症初期は風邪症候群・急性上気道炎・咽喉頭炎などと鑑別困難であることが多い。但し、上気道感染症状が無くても、下顎膿腫[4]や衛生状態の悪い口腔内での原因菌の増殖[5]や慢性活動性EBウイルス感染症の合併症として発症する場合がある。
胸部レントゲン像からは結節影の多発や内頸静脈の血栓性閉塞も認める。咽頭感染症の病巣の血管壁から、一部剥がれ落ちた血栓が血流に乗り、血栓が肺に至ると肺塞栓症を起こす。咽頭部の感染が進むと菌血症となり肺膿瘍、脳膿瘍やその他の臓器の膿瘍を合併することもある[6]。頸部の症状がなく、血液培養で原因菌が発見され診断されることも多い。早期の鑑別診断が重要になるが、類似症状の感染症は多くあり確定診断が遅れがちになることから、死亡率は現在でも10%を越える。抗生物質が普及する以前は致死率の高い感染症であった。
原因病原体
- Fusobacterium necrophorum (フソバクテリアム・ネクロフォラム)[8]・
ヒト以外の家畜などでも感染症を起こすことがある。若年者の咽頭炎の約20%はフソバクテリアム・ネクロフォラムによるもので、約9%を占めるA群溶血連鎖球菌よりも多かった[9]。
歯周病関連菌
- Bacteroides melaninogenicus[4]
腸内細菌
- Hafnia alvei[4]
他に Peptostreptococcus micros[10]なども。
症状
初期症状は、38℃程度の発熱や風邪症候群(感冒)類似の咽頭痛、あるいはインフルエンザと類似する。膿性喀痰や胸鎖乳突筋に沿った圧痛や腫脹を示すが流涎や呼吸困難のほか、咀嚼筋群への炎症の波及により開口障害を呈することもある。静脈炎は両側に及ぶことは少なく、左右非対称の頸部腫脹・疼痛を訴えることが多い。症状が進むと肺などへ感染巣が遠隔転移し、肺膿瘍や敗血症性肺塞栓症[11]、壊死性筋膜炎[12]などにより呼吸不全、DICなどを来すこともある。リンパ節の腫脹は認めない場合がある。
検査
治療
抗菌薬投与が中心で、例としてスルバクタムとアンピシリン、ペニシリンGとクリンダマイシン等の組合せによる。起炎菌が嫌気性菌であることが多く、メトロニダゾールの感受性が高いとする報告がある[13]。