ヴィジット (ゲーム会社)
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創業期
創業者の森本和伸は大学卒業後、リクルートでの勤務を経て独立し、1990年9月にヴィジットを設立した。設立の背景には、森本のリクルート時代の同期が東京でインテリジェンス(現・パーソルキャリア)を創業したことが影響しており、森本はこれに呼応する形で大阪を拠点とするヴィジットを立ち上げた。このような経緯から、設立当初のヴィジットはゲームメーカーではなく採用コンサルティング業務を主力としており、中でもインテリジェンスと共に学生のレポートを企業へFAXで送信する「StudentReport」と呼ばれるサービスが好調であった。
その後、森本はリクルート退社後も依然として前職と同系統の業務に携わり続けていることに疑問を抱くようになり、新たな事業展開を模索する中で、ゲーム等のコンピュータ関連の産業に着目した。この頃、森本はバラエティ番組「それいけ!!ココロジー」の制作元であるIVSテレビ制作の関係者と交流があり、その関係者から同番組の関連書籍が290万部売れたという話を聞いて、「SFCで作ったら絶対いける」との示唆を受けた森本は、ゲーム制作への決意を固めた。
しかし、当時のヴィジットにはゲーム開発のノウハウが皆無であったため、森本が自ら任天堂を訪問して指導を仰いだ。その後も数々の曲折を経て、1993年(平成5年)3月26日に同社初のゲームソフトとなる「ザ・心理ゲーム 悪魔のココロジー」をリリース。これを皮切りに、ヴィジットはゲームメーカーとしての道を歩み始めることとなった。
ゲーム事業への参入
ゲーム事業に参入する傍ら、ヴィジットは複数の事業を並行して展開した。東京で展開されていたCD-ROM専門店「ハイパークラフト」に影響を受け、大阪を拠点にCD-ROM専門店の展開を開始。日本橋への出店を皮切りに、京都、神戸、梅田などへ進出した。2年目までは非常に高い収益性を誇っていたが、その後は資本力で勝る大手企業に押され、CD-ROMソフト販売事業は短命に終わった。
その中で、「ハイパークラフト」の常連客であった漫画家・士郎正宗との交流が生まれた。ヴィジットは士郎のデビュー作である「アップルシード」のゲーム化を打診し、士郎本人からの承諾を得るに至ったが、ヴィジット社内にアクションゲームの開発を行える人材はおらず、開発は半外注という形で進められた。しかし、その出来はあまりにも粗末なものであり、インターネット等ではヴィジットや森本への批判が相次いだという。このような状況に対し、士郎に描き下ろしポスターの制作を依頼してプレゼント等として配布したところ、最終的に配布された枚数はゲーム自体の売上本数の約10倍にも達したという。
増え続ける入社希望者に対処するため、1995年夏、浪速区幸町の道頓堀川のほとりに大型倉庫を借り、開発拠点を移転する。
1996年、アクションゲーム「クーリースカンク」をリリース。開発を手がけたのは元カプコンの成瀬憲史が率いる「浮世亭」で、オナラを攻撃に用いるというアイデアは森本の発案であった。当初はスーパーファミコン(SFC)用のゲームとして発売される予定であったが、当時のSFC市場の縮小を受けて中止され、PlayStation(PS)版のみの発売となった。
1997年の「あかずの間」を皮切りに、「ハイパーノベル」と称するサウンドノベルゲームのシリーズを計8作品リリース。その2作目となる「最終電車」(1998年)は、森本によればヴィジットで最も売れたゲームであり、廉価版等も含めれば合計で10万枚ほど売れたという。しかし、この次作[注 1]を「最終電車2」にしなかったことが失敗であったと、後に森本は述懐している。
その後、資金難やゲーム開発を取り巻く環境の変化を受け、2003年の「THE DOG MASTER」を最後に家庭用ゲームソフト開発から撤退、ヴィジット自体も2006年に解散した。
解散後の動向
2020年、発売中止となったSFC版「クーリースカンク」のサテラビュー向けの体験版が発見され、その中に製品版とほとんど変わらないデータが残っていることが明らかになった[1]。体験版は3エリア目をクリアしたらオープニングに戻るようにプログラムされており、4エリア目以降もデータとしては存在していた[2]。
YouTubeでレトロゲームを扱うチャンネル「4ST」を運営するSheNaは、そのロックを解除した海賊版カセットがインターネット上で販売されているという状況を憂慮し、2022年にSFC版「クーリースカンク」の復刻プロジェクトを立ち上げた。復刻にあたってSheNaは、ヴィジットの社長であった森本から同社が発売した家庭用ゲームソフトの知的財産権を取得しており、当時実装される予定であった一部機能の復活にも成功した[1]。
Kickstarterで行われたクラウドファンディングは、目標額800万円に対して約1600万円の寄付を集めて成立し、2025年2月23日に復刻されたSFC版「クーリースカンク」が発売された。
ゲーム作品
- ザ・心理ゲーム 悪魔のココロジー(SFC、1993年3月26日)
- ザ・心理ゲーム(GB、1994年6月10日)
- アップルシード(SFC、1994年8月26日)
- 連対王(GB、1994年9月16日)
- ザ・心理ゲーム2 大阪編(GB、1994年10月14日)
- ザ・心理ゲーム2 ~マジカルトリップ~(SFC、1995年2月10日)
- タロットミステリー(SFC、1995年4月28日)
- ザ・心理ゲーム3(SFC、1995年8月25日)
- 全国横断ウルトラ心理ゲーム(SFC、1995年11月10日)
- ザ・心理ゲーム(PS、1996年4月26日)
- クーリースカンク(PS、1996年11月1日)
- ザ・心理ゲーム2(PS、1997年5月2日)
- あかずの間(PS、1997年5月9日)
- ザ・心理ゲーム3(PS、1997年11月27日)
- 最終電車(PS、1998年2月26日)
- 大幽霊屋敷 〜浜村淳の実話怪談〜(PS、1998年7月2日)
- ザ・心理ゲームIV いつも心に星空を(PS、1998年11月5日)
- 19時03分 上野発夜光列車(PS、1999年3月4日)
- ノベルズ〜ゲームセンターあらしR〜(PS、1999年5月4日)
- 稲川淳二 恐怖の屋敷(PS、1999年7月1日)
- ザ・占い~恋愛星座占い~(PS、1999年11月11日)
- ザ・占い2~毎日のタロット占い~(PS、1999年11月18日)
- ザ・心理ゲーム5(PS、1999年12月22日)
- おやじの時間 ねーちゃん、釣り行くで!(PS、2000年2月17日)
- おやじの時間 ねーちゃん、麻雀で勝負や!(PS、2000年2月17日)
- おやじの時間 ねーちゃん、花札で勝負や!(PS、2000年2月17日)
- ザ・心理ゲーム6(PS、2000年3月23日)
- 閉鎖病院(PS、2000年4月20日)
- 四季おりおりのバス釣り(PS、2000年6月15日)
- ザ・心理ゲーム7(PS、2000年6月22日)
- 稲川淳二 真夜中のタクシー(PS、2000年7月13日)
- ザ・占い3~毎日の方位占い~(PS、2000年8月24日)
- ザ・占い4~開運カバラ占い~(PS、2000年8月24日)
- 音声認識麻雀 ジャーマン(DC、2000年8月31日)
- ザ・心理ゲーム8(PS、2000年9月28日)
- JELLYFISH The Healing Friend(PS、2000年9月28日)
- ザ・占い5~神秘のルーン占い~(PS、2000年11月30日)
- ザ・占い6~水星さんのとっても九星占星術~(PS、2000年11月30日)
- ザ・心理ゲーム9(PS、2000年12月21日)
- ザ・心理ゲーム(DC、2001年2月1日)
- ザ・心理ゲーム10(PS、2001年3月22日)
- サラリーマン接待麻雀(PS、2001年5月10日)
- 京都舞妓物語(PS、2001年6月21日)
- 最終電車(PS2、2002年4月25日)
- THE DOG MASTER(PS、2003年8月7日)