優しい世界へ

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話数第7話
監督松永浩太郎
優しい世界へ
ダンダダン』のエピソード
話数第7話
監督松永浩太郎
脚本瀬古浩司
音楽牛尾憲輔
初放送日2024年11月15日 (2024-11-15)
エピソード前次回
 前回
「ヤベー女がきた」
次回 
「なんかモヤモヤするじゃんよ」

優しい世界へ」(やさしいせかいへ)は、龍幸伸による同名漫画を原作とするサイエンスSARU制作の日本のテレビアニメ『ダンダダン』の第7話。2024年11月15日(14日深夜)にMBSTBS系列で放送され、各種動画配信サービスでも配信された。このエピソードでは、松永浩太郎が演出瀬古浩司が脚本、榎本柊斗が絵コンテ作画監督牛尾憲輔が音楽を担当した。

前回のエピソードでは妖怪・アクロバティックさらさらと、モモ・オカルン・アイラとの戦いが描かれた。第7話では戦いが終わり、アクロバティックさらさらの妖怪になる前の経歴や、アイラへの愛着の理由などが描かれる。アクロバティックさらさらの過去のシーンが漫画よりも大きく重視されており、スタッフは制作が難しかったと振り返った。評論家はストーリーのほか、演技や音楽なども称賛している。特に生前のアクロバティックさらさらを描いたシーンは高く評価されている。

第6話「ヤベー女がきた」では、アイラ(白鳥愛羅)が不思議な金色の玉を手に入れた影響で、妖怪の姿が見えるようになる。アイラとモモ(綾瀬桃)が倉庫で対立していると、自分がアイラの母親だと信じ込んでいる妖怪・アクロバティックさらさらが現れる。モモと駆け付けたオカルン(高倉健)に抵抗されたアクロバティックさらさらは激怒し3人を飲み込むが、飲み込んだ自身の髪の毛が内側から燃やされると、3人を吐き出す。

第7話「優しい世界へ」は、苦しそうな声で路上を走る女性の視点で始まり、その後倉庫内のアクロバティックさらさらの視点に切り替わる。激怒したアクロバティックさらさらは自身の髪の毛を使って倉庫の中でモモとオカルンを追い回す。モモとオカルンはアクロバティックさらさらの動きを封じるが、アイラが妖怪に飲み込まれた影響で死亡していることが判明する。モモとオカルンが蘇生を試みていると、アクロバティックさらさらはアイラを蘇生させるために自身のオーラをアイラに渡すことを提案する。モモが自身の超能力を使ってアイラとアクロバティックさらさらのオーラを繋ぐと、モモとアイラは生前のアクロバティックさらさらを見ることができるようになる。アクロバティックさらさらは元々幼い娘をもつ人間のシングルマザーで、借金返済のためセックスワークを含む複数の仕事をこなしていたことが明らかになる。借金を返済できなかった彼女は借金取りからの暴行で重傷を負い、娘を誘拐される。娘を取り戻すことができず自殺した彼女は、その後彷徨う霊となり、娘のことを忘れてしまう。幼少期のアイラは霊を感知し、死亡したばかりの母親と誤解する。霊は自分がアイラの母親だと信じ込み、アイラを守るために妖怪へ姿を変える。

アイラはアクロバティックさらさらのオーラを受け取って生き返る。ターボババアは、オーラを失ったアクロバティックさらさらは未練を残しているため成仏することができず、生者からも死者からも忘れられて消えてしまうと語る。体が崩れていくアクロバティックさらさらが娘に起こったことを後悔していると、アイラはアクロバティックさらさらを抱きしめ、愛していること、宇宙で一番幸せだったことを告げ、アクロバティックさらさらと娘が優しい世界へと行けるように願う。その後、アイラはアクロバティックさらさらを決して忘れないと誓う。

登場人物

モモ / 綾瀬 桃(あやせ もも)
声 - 若山詩音[1]
オカルン / 高倉 健(たかくら けん)
声 - 花江夏樹[1]
ターボババア
声 - 田中真弓[1]
アイラ / 白鳥 愛羅(しらとり あいら)
声 - 佐倉綾音[1]
アクロバティックさらさら
声 - 井上喜久子[2]
アクさらの娘
声 - 木野日菜[3]

制作と放送

「優しい世界へ」は『ダンダダン』の他のエピソードと同様に、龍幸伸の漫画を原作としており、サイエンスSARUがアニメーション制作を担当している[4]。このエピソードでは、松永浩太郎が演出瀬古浩司が脚本、榎本柊斗が絵コンテ作画監督を担当した[5]。瀬古は、第7話で感情が最高潮に達するように、原作から描写を増やしてアクロバティックさらさらの孤独感を深め、心を強く揺さぶるような演出にすることを意識していた[6]。回想シーンの音楽は完成した映像に合わせて制作されており、音楽を担当した牛尾憲輔はオーケストラをゆったり聴かせることを重視したため、途中で長調に転じながらその後戻ってくるという構成にした[6]。第7話のカラースクリプトは李小霏が担当しており、ピンク色を基調としたバトルシーンと回想シーンの色が映えるように設計された[6]。カラースクリプトの数は他のエピソードより多めに準備されており、美術監督を担当した東潤一は、エピソード全体の色合いの流れが分かりやすく、ドラマ性がより際立っていたと思うと述べた[6]

「優しい世界へ」は、榎本にとって初めて絵コンテを担当したエピソードとなった[7]。『ダンダダン』のプロデューサーでサイエンスSARU所属の崎田康平は、未経験の分野でも意欲があるスタッフに積極的に参加してほしいと考えており、アニメーターとしての成果を高く評価していた榎本が絵コンテに興味があると知ったことから、榎本を絵コンテに起用した[8]。榎本は、長いアバンタイトルをモモとオカルンの見せ場にしつつ、アクロバティックさらさらのアイラへの執着を強調することで、物語としてのまとまりをもたせようとしていた[6]。生前のアクロバティックさらさらを描いたシーンは原作漫画からシーンが追加・延長され、約10分間にわたって描かれた[9]。榎本は、監督の山代風我がアクロバティックさらさらを中心に膨らませていったアイデアをもとに絵コンテを描いたが、難しい部分もあり、完成できるか不安に感じることもあったとインタビューで振り返った[7]。松永は、特にアクロバティックさらさらが階段を降りていくシーンが難しかったと述べた[7]。榎本は、アクロバティックさらさらが誘拐された娘を追いかけるシーンではBlenderを使用して3Dレイアウトを絵コンテの段階から用意し、最終的な映像を想像しながら作業した[7]

榎本はエピソード全体を通して予めどのアニメーターに任せるか考えながら絵コンテを描いていた[7]。アクロバティックさらさらとの戦いの構図を描く際、榎本は「髪の毛によってアクさら自身が囚われている」印象が出るようにすることを意識していた[7]。エピソード序盤の髪の毛を使った攻撃のシーンや髪の毛を引きちぎるシーン、心臓マッサージをするシーンの原画はそれぞれじゅら、石守源太、奥谷花奈が担当した[7]。アイラが初めてアクロバティックさらさらと出会った時、漫画ではアクロバティックさらさらは妖怪に近い姿で描かれているが、アニメでは人間に近い姿で描かれた[9]。アイラがアクロバティックさらさらを抱きしめる終盤のシーンの原画は伊藤香奈が担当した[7]。榎本によると、伊藤に依頼することは絵コンテを描く段階から考えていたという[7]。榎本は、伊藤による原画は完璧で、修正する必要はなかったと述べている[7]。榎本自身も、アイラがアクロバティックさらさらと出会うシーンなど、約50カットを担当した[6]

アクロバティックさらさら役の声優・井上喜久子は20年前、自身の6歳の娘をプールに放置してしまい、危険だと気付き急いで戻った経験について語った[10]。井上は、娘が溺れるかもしれないという恐怖から、戻る途中の息遣いは半泣きのようであったと回想した[10]。井上は、娘を誘拐した者を追いかけるアクロバティックさらさらの辛さに共感し、このシーンでの呼吸の演技に当時の経験を盛り込んだと述べた[10]

「優しい世界へ」はMBSTBS系列の「スーパーアニメイズムTURBO」枠で2024年11月15日(14日深夜)に放送され[11][12]NetflixHuluCrunchyrollなどの動画配信サービスでも配信された[4]

評価

脚注

外部リンク

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