党生活者
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東京にある「倉田工業」では、パラシュートやガスマスクの部品などの軍需品を作っていた。「私」は、そこに臨時工としてつとめながら、工場の中に党組織をつくろうとしていた。ある日「私」は太田という自分のことをよく知っている同志が検挙されたことを知り、工場に出ることができなくなる。そこで「私」は、運動に協力的だった女性、笠原と共同生活をしながら、工場に残った須山や伊藤などの同志とともに、工場の中で戦争反対の動きをつくろうとする。しかし笠原との生活にはきしみが生じるし、倉田工業のなかで戦争反対のビラをまくことに成功はしたが、須山も伊藤も工場を追われてしまう。そんな中でも「私」も含めたみんなはあたらしい運動の場をつくろうと努力を続けていく。
主要登場人物
- 佐々木安治 倉田工業に臨時工として潜入したオルグ
- 須山 第二工場の同志
- 伊藤ヨシ 活動的な女工
- 笠原 佐々木の活動に協力するタイピスト
発表までの過程
1932年3月、プロレタリア文化運動に対しての当局の弾圧を逃れ、多喜二は非公然活動を余儀なくされた。その中で多喜二はこの作品を書き、1932年8月には『中央公論』編集部に作品を届けることができた。しかし、発表は保留されていた。編集者あての手紙[1]によれば当初は「失業者の家」という題名を考えていたが、その後「党生活者」と改めたという。1933年2月20日に多喜二が築地警察署における拷問の結果、死去したことをうけて、編集部と貴司山治、立野信之との協議の結果、『転換時代』という題名で発表されることとなった。
このとき、内容的にも伏字が多くなることが明らかであったため、伏字なしのゲラ刷りを複数作成し、保存を依頼することとした。その中の一人の徳永直の家には、『中央公論』編集部から直接自宅に届いたのだという。また、1933年秋には原稿による組版がおこなわれ、その紙型が保存された[2]。
発表後の本文確定まで
未完の作品
主な収録書籍
- 1949年『現代日本文学大系第42巻』河出書房
- 1950年『党生活者・独房』、2010年/改版 岩波文庫
- 1952年『現代日本名作選』(蟹工船・党生活者) 筑摩書房
- 1953年『蟹工船・党生活者』、2003年/改版 新潮文庫
- 1953年『小林多喜二全集 第7巻』青木書店
- 1953年『小林多喜二作品集 第3巻』創元社
- 1953年『昭和文学全集 第6巻』(小林多喜二・中野重治・徳永直集) 角川書店
- 1954年『蟹工船・党生活者』、1968年/改訂版、2008年/新装改版 角川文庫
- 1961年『日本文学全集第36巻』(小林多喜二・徳永直集) 新潮社
- 1968年『定本小林多喜二全集 第8巻』新日本出版社
- 1970年『日本の文学 第39巻』(葉山嘉樹・小林多喜二・徳永直) 中央公論社
- 1973年『蟹工船・党生活者』 講談社文庫
- 1974年『党生活者』新日本文庫