古赤道分布
From Wikipedia, the free encyclopedia
ドクウツギの分布
古赤道
前川文夫はこの分布を、地球全体にわたる、やや歪んだ帯状であると見た。そうして、西シベリアで出土した新生代の果実化石をドクウツギ科のものと見なし、ヨーロッパとヒマラヤの間も埋められたとした。そうして見ると、この分布の帯を、地球を囲む大圏円と見ることができると言う。そして、地軸の時代による変化を考慮にいれると、白亜紀から第三紀の赤道の位置がこれに当たるものと考えた。ただし、現在の地図にそのままに大圏円を描くとやや南北アメリカ大陸の分布域が外れるのだが、これはそのころアメリカ大陸が今よりヨーロッパ寄りにあったためであるとして、その部分で円の軌道を北方に修正している。
その結果見られる軌道は、以下のようなものである。日本から東では台湾とフィリピン北部を通って南下し、ニューギニアを通り、ニュージーランド北部を通過、南太平洋を東に進み、チリ沖を今度は北上、ボリビア付近で南アメリカに上陸、ベネズエラへ抜ける。日本より西へは台湾からシベリアに抜け、カスピ海の北を通ってヨーロッパのフランス辺りで地中海へ出て、アフリカの北をかすめる。
そして、上記のような植物の分布が、この円に沿った部分の中で、現在も熱帯か暖帯に含まれる部分であると見なす。つまり、彼の考えるこの分布の形成過程は以下のようである。
- これらの植物は、その時代の赤道周辺に分布していた。
- やがて地軸がずれ、赤道の位置がずれた。
- 元は赤道であったが、その後寒くなり過ぎた地域ではそれらの植物は絶滅し、それ以降も温暖なままである地域のみに残った。