天国にいちばん近い島
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
子供の頃、亡き父(作家の豊田三郎)が語った、花が咲き乱れ果実がたわわに実る夢の島、神様にいつでも逢える島。働かなくてもいいし、猛獣や虫もいない…そんな天国にいちばん近い島が地球の遥か南にあるという。それが、きっとニューカレドニアだと思い、主人公はニューカレドニアへ行くことを心に誓う。
「死んでしまった父に、また会えるかも知れない」と信じるようになった主人公は、その島にいる父に「母が寂しがっている」と言えば、心地よいその島暮らしを捨ててでも戻ろうと思ってくれるに違いないと考え、「神様の目をぬすんで、父を連れて帰ればいい!」と信じて旅行に出発する。
まだ海外旅行自体が自由にできなかった頃ゆえの苦労、夢と現実のギャップ、現地の人達との交流などの体験が書かれる。
出版年譜
- 『天国にいちばん近い島 : 地球の先っぽにある土人島での物語』学習研究社、1966年、国立国会図書館書誌ID:000001084985
- 『天国にいちばん近い島 : 地球の先っぽにある土人島での物語』角川書店〈角川文庫〉、1969年、国立国会図書館書誌ID:000001289076
- 『天国にいちばん近い島 : 地球の先っぽにある土人島での物語』立風書房、1970年、国立国会図書館書誌ID:000001248354
- 『天国にいちばん近い島 : 地球の先っぽにある土人島での物語』講談社〈森村桂文庫〉、1976年、国立国会図書館書誌ID:000001311160
- 『天国にいちばん近い島』学習研究社〈ジュニア版名作文学〉、1978年、国立国会図書館書誌ID:000001395113
- 『天国にいちばん近い島 : 地球の先っぽにある土人島での物語』新装版、立風書房、1984年、国立国会図書館書誌ID:000001784960
- 『天国にいちばん近い島 改版』角川書店〈角川文庫〉、1994年、ISBN 4-04-128701-4
関連書籍
- 『続 天国にいちばん近い島』角川書店〈角川文庫〉、1984年、国立国会図書館書誌ID:000001720991
- 『天国にいちばん近い島よ永遠に : 絵とお菓子の旅 桂のケーキ屋さんが行く』海竜社、1996年、ISBN 4-7593-0473-8
- 『いまでも天国にいちばん近い島 : 物語と写真で甦るニューカレドニア心の旅』PHP研究所、2002年、ISBN 4-569-62240-2
テレビドラマ
映画
影響
湊かなえは『時をかける少女』を観てファンになった原田知世が、映画『天国にいちばん近い島』に主演すると聞き、小学5年のとき原作を読み、森村桂が一般の人の海外旅行がまだ難しかった1960年代に、南国ニューカレドニアに行きたい一心で、船会社の社長に手紙を書いて直談判し、実現させた過程を知った[4][5]。「自分の力で夢は叶うんだ」と、自分でその方法を考え、見たこともない物を見に行く行動力に憧れた[4]。まず自分の"天国にいちばん近い島"を探そうと社会科の地図帳で見つけたのが「トンガ王国」だった。当時の地図帳にはまだ「トンガ王国」と記載されていた。「王国」という名前に惹かれ「私の天国にいちばん近い島はここ。いつか行く」と決めた[4][5]。因島を出て兵庫県の大学に進学し、卒業旅行で念願のトンガ行きを計画したが阪神大震災で中止に。アパレル会社に就職したが、もやもやしたものが残り、ある日、通勤バスで青年海外協力隊の募集を見た。派遣先にトンガがあり、派遣が決まったが、せっかくの仕事を辞めてもいいのかな、という迷いもあり、森村にアドバイスをもらおうと当時、森村が軽井沢で経営していたケーキ店を訪ねた。このときは森村は不在だったが、手紙を託し、2カ月後に、関西であった森村の個展で本人に会い、手紙も読んでくれていて「私もトンガに行ったことがあって、すごくいいところよ」と、進む道を示してくれた人の10年越しの後押しで、仕事を辞め、トンガに出向いた。森村がニューカレドニアに行った後も、絵やケーキ店など様々なことに取り組んでいたことに刺激を受け、自分も「トンガ行きを叶えた」で終わりではいけない、と帰国後、シナリオなどのコンクールに応募するようになり、その後場所を問わず取り組める小説を書くようになったという[4][5]。