天狗棚
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山名の由来と天狗信仰
古くからこの地域には「天狗」が棲むという伝説が根強く残っている。山名そのものが、天狗が休息し周囲の山々を眺めるための「棚(平坦な岩場や巨木)」があったことに由来するとされる。
- 天狗の土俵: 山頂付近には「天狗の土俵」と呼ばれる平坦な地形があり、夜な夜な近隣の山々から集まった天狗たちが相撲を取って遊んだという民話が伝わっている[2]。
- 山岳信仰: 山麓の津具地区や豊根村では、天狗は山の守り神として畏怖され、かつては木こりや猟師が山に入る際に、天狗の怒りに触れないよう祈願する風習があった。
旧街道と面ノ木峠
天狗棚のすぐ南にある面ノ木峠(標高1,115m)は、古くから三河(愛知県)と信州(長野県)を結ぶ交通の要衝であった。近世には、塩や海産物を信州へ運ぶ「塩の道」の脇街道としても機能し、馬の背に荷を積んだ旅人がこの峠を越えていった歴史を持つ。
地理・地質
地形の特徴
天狗棚は、長野・愛知・静岡の三県にまたがる広大な山塊の一部である。山頂は双耳峰のような形状をしており、最高点の「天狗棚」と、展望に優れた「天狗の鼻」の二つのピークが特徴である。
中央構造線と地質
この地域は日本最大の断層帯である中央構造線の影響を受けており、周辺には三波川変成岩などの古い岩石が見られる。山体の急峻な崖は、長い年月をかけた浸食と隆起の歴史を物語っている。