奈良田温泉
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奈良田温泉(ならだおんせん)は、山梨県南巨摩郡早川町奈良田(旧国甲斐国)にある温泉である。
周囲を南アルプスの山々に囲まれており、広河原から始まる北岳、間ノ岳、農鳥岳(白峰三山)縦走路の下山口や登山口として利用されている。また、白峰南嶺の黒河内岳への登山口でもある。
白峰三山を縦走する多くの登山者は、奈良田温泉より北に位置する広河原から入山し、おおむね2泊3日の行程で白峰三山を歩き奈良田温泉へ降りてくる。近代登山の初期には、奈良田温泉付近の登山道には「白峰三山縦走おめでとう」という看板が掛けられ登山者の名物となっていたが、現在は撤去されている。
歴史
当地に残る伝説によると、天平年間に孝謙天皇がこの地で湯治を行ったと伝えられている[1]。初めは奈良田より南にある西山温泉を訪れ、その後霊泉を求めてさらに奥へ入って奈良田の地を見つけ、遷居した[2]。住居から早川の流れまで七つの段があるのを見た天皇は「奈良の都は七条なるが、この地は七段。ここも真に奈良である」と言い、これが「奈良田」の地名の由来となった[3]。孝謙天皇は8年間当地で暮らし、村人からは「奈良王」と呼ばれた。その住居跡とされる場所には、現在は奈良王神社が建っている[1]。
奈良田集落は1953年(昭和28年)に西山ダム(奈良田湖)の完成に伴いダムの底に沈んだ。しかし1977年に、奈良田温泉の復活を図るため山梨県企業局が源泉調査を実施した結果、翌1978年に深度212メートル地点で温泉が湧出[4]、1979年に町営施設「奈良田の里温泉」として開業した。その後、1997年(平成9年)に元源泉近くの白根館駐車場付近でも温泉掘削が行なわれ、地下500メートルで湧出。湯の色が透明からグリーン、白濁と刻々変わるため「七不思議の湯」と名付けられている[5]。

