家族の絆シリーズ
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「山菜の味」篇
主人公は、幼少時に祖母のもとを訪ね、山菜の煮物を初めて食べ「美味しい」と言ったことがあった。祖母は喜び、毎年、同じ煮物を用意して主人公の訪問を待つ。やがて主人公は成長して多忙となり、数年ぶりに祖母を訪ねると、祖母は痴呆で孫のことがわからない[4]。しかし、やはりあの煮物を主人公に勧める。主人公は、祖母が自分を忘れても、自分は祖母の味を忘れずに守り続けることを、心の中で約束する[10]。
「お父さんのチャーハン」篇
父は娘の幼少時から、母が病気や不在のとき、決まって夕食にチャーハンを作った。舌触りも味も今一つ。父が「美味いか」と聞いても、娘は無言。気まずい父娘関係が続く。娘が成長して外食が増えるにつれ、チャーハンを食べる機会も無くなる。やがて娘は結婚の3日前、涙ながらに「チャーハンを食べたい」と言い出す[4]。「美味いか」と聞く父に、娘は涙声で「美味い。それと、ありがとう」と返す[11]。
「お弁当メール」篇
母は、息子との会話が減ったことから、毎朝の登校時に弁当を持たせる。テストの点数が悪かった翌朝は、豚カツで「喝!」、誕生日にはケーキを象ったキャラ弁など、メールのようにメッセージを込める[4]。息子からの返事は無いが、常に弁当箱は空になって返って来る。最後の弁当の日、空の弁当箱に「ありがとう ってずっと言えなくてごめんなさい」の手紙が添えられている[4]。母はそれを見て、涙ぐむ[12]。
「おてつだい券」篇
祥子は幼少時より父を怖く感じ、会話も少なかった。父の誕生日に祥子が「おてつだい券」を贈っても、父は不器用な顔で「ありがとう」と返すのみ。時が流れ、祥子は就職、父が定年の日。父は祥子に、もうボロボロになった「おてつだい券」を示し「母さんへの礼を手伝ってほしい」。父は祥子の手を借りつつ、不慣れな手つきで料理をする。親子3人で定年の夜の食卓を囲み、新たな家族の日々が始まる[13]。
「ばあちゃんの料理」篇
主人公は両親が共働きで、祖母の料理を食べて育つ。主人公が友人たちを自宅に招き、祖母が食事を作るが、皆は地味な魚料理が口に合わずに、大半を残す。主人公は「うちの料理が古臭いからだ!」と、心にもないことを言う。やがて主人公は就職、独立。祖母のもとを訪れ、共に夕食を囲む。本当は祖母の料理を愛しており、昔の暴言を詫びる。祖母は何事もなかったように、微笑を返す[14]。
「母からのエール」篇
主人公は就職活動中。学友たちが次々に内定が決まる中、数十社もの不採用が続き、失意の日々を送る。ある日、ついに最終面接までこぎつけ、母に喜びの電話をする。ケーキを買って帰宅し、玄関のドアを開ける寸前、お祈りメール(不採用通知)が届く。公園のブランコで呆然とする主人公のもとに、母が現れ、主人公が号泣する。主人公は母の手料理で元気を取戻し、また就職活動に臨む[15][16]。
「母とは」篇
主人公がモノローグで自分の母を語る。「ノックをせず部屋に入る」「メールが誤字だらけ」「涙もろい」「なぜか息子の食べたい料理を用意して帰りを待っている」「誰よりも早く起き、遅く起きている」「夜は誰よりも遅く、朝は誰よりも早い」。そして主人公は就職、ネクタイを母が直す。「いつの間にか歳をとっている」。出勤前、家族で朝食の食卓を囲む。「世界で一番、料理がうまい」[17]。
「やめてよ」篇
主人公ちひろは、父の日常を、何かにつけて「やめてよ、お父さん」と疎ましく思う。朝から裸でうろつく、娘の作ったから揚げをつまみ食いする、娘の化粧をあれこれ言う、など。やがて、ちひろの結婚が決まり、父は寂しそうにする。「やめてよ、本 当のこと言うの」。結婚式当日、父娘がバージンロードに並ぶ。「幸せになれよ」と言う父に、ちひろは涙ぐみつつ「やめてよ、お父さん」と返す[18]。
「似たもの親子」篇
母曰く、娘は嘘泣きする、他人の物を欲しがる、嫌いな物は決して食べず、好きな物は美味しそうに食べる、すぐ流行に飛びつき、すぐ飽きる。「誰に似たのやら……」。しかし娘から見れば、母は何から何までそれと同じ。そして落ち込むタイミングは2人同時で、互いの心配ばかりする。「何かあった?」「ママこそ」「……美味しいもの作ろうか!」母娘は餃子を焼き、笑顔を交して食卓を囲む[19]。
「ウチの家族」篇
両親と姉と弟の4人家族。弟が家族のことを「変じゃね?」と語る。会話は「あれ」で通じる、と思いきやまったく伝わらない。母が「晩ご飯、何がいい?」と聞けば皆の意見はバラバラ、結局は母が決める。うるさすぎることもあれば、静か過ぎることもある。「もう子供じゃないんだから」「子供のくせに」。それも今日で最後。姉の留学を迎え、家族皆での夕食で、姉は泣きながらコロッケを食べる。「ウチの家族、やっぱり変だし」。
「母のチーズケーキ」篇
一郎の結婚披露宴で、チーズケーキが振舞われる。一郎は、母の手製のケーキの味と気づく。新婦が、一郎の母からの手紙を読み始める。母は昔から一郎にケーキを作っており、結婚式にもケーキを作ると約束していた。母の手紙は、最後の約束の手伝いの願いであり、そのケーキは母のレシピをもとに、新婦と父が作ったものだった。遺影の置かれた新郎席に母の姿が現れ、一郎に祝福を、ケーキを味わう夫に礼を述べる[20]。
製作
東京ガスの広報部によれば、一般の利用者にとってガスというものは視覚的なイメージが困難と考えられたことから、東京ガスのブランドの構築の方向を考えた末に、このコマーシャルの製作が発案されたという[1]。
家庭でガスを使う状況として即座に思い浮かぶのは「料理」であり、「料理は家族をつなぐ絆であってほしい。そして、東京ガスはそのお手伝いをします」というのが、このコマーシャルの伝えるメッセージの芯であり、それは製作当時から変わっていない[1]。またその料理にしても、レストランでのみ提供されるような料理では現実味に欠けるとの考えから、家族全員で食卓を囲めるような家庭料理であることが大切にされている[1]。料理の監修は第1弾より、フードスタイリストの飯島奈美が務めている[2][21]。
作中では「東京ガス」のロゴはほぼ登場せず、最後に少し表示されるのみである。ガスはインフラであり、あって当然のものであること、また一人暮らし、結婚、出産といった出来事にはガスや料理が必ず関連することから、利用客の「人生にそっと寄り添うような存在でありたい」という思いから、あえて社名を強く主張しないとの考えによる[1]。
「やめてよ」は、コピーライターの岡野草平(電通)によれば、前作「母とは」での母と息子の描写が好評であったことから、「完全に2匹目のドジョウ」を狙いにいった」という[22]。製作にあたっては、企画時に多くの女性クリエイターや女性スタッフに対し、父親に対して「やめてほしいこと」をインタビューし、そこで寄せられた大量の不満をもとに製作された[22][23]。どのエピソードも心底から父を嫌っているようではなく、むしろ親への愛情が感じられたことから、それを作中に落とし込んだという[22]。
「似たもの親子」は、従来のような、視聴者の感動や涙を誘う作品と比較すると、ややコミカルな作風である。東京ガスによれば、10年にわたって同様の作風が続いたために、作風を変えることを狙い、母と娘との間によくある題材で利用客の共感を得られつつ、癒されるような内容を目指したという[1]。2017年4月から始まった都市ガスの自由化も背景にあり、認知度を高めて、客が選ぶことができるよう、より共感できることを目指して制作されている[1]。また作中で登場する料理は、どこの家庭でも作れて一家団欒にふさわしく、さらに物語上、落ち込んだときに元気になれる料理と考えられたことから、餃子が選ばれた[1][21]。
放送日程
| 放送開始時期 | タイトル | キャスト | 料理 |
|---|---|---|---|
| 2008年[24] | 山菜の味 | 北浦愛[25]、他 | 山菜の煮物[10] |
| 2009年9月[26] | お父さんのチャーハン | 初音映莉子、きたろう[27] | チャーハン[11] |
| 2010年9月25日[28] | お弁当メール | 水島かおり[29]、野村周平[28] | 弁当[12] |
| 2011年[30] | おてつだい券 | 安藤サクラ、中村育二、銀粉蝶[31] | 卵焼き[13] |
| 2013年[32] | ばあちゃんの料理 | 大和田健介、草村礼子、他[8] | 魚料理[14] |
| 2014年2月1日[3] | 母からのエール | 岸井ゆきの[15]、他 | |
| 2014年10月[33] | 母とは | 岡山天音、渡辺えり[33] | |
| 2016年[34] | やめてよ | 平田薫、塚本晋也、他[34] | から揚げ[18] |
| 2017年10月21日[35] | 似たもの親子 | 青木さやか、白鳥玉季、他[2] | 餃子[1] |
| 2018年10月13日[24] | ウチの家族 | 才藤了介、坂井真紀、奈緒、岡島遼太郎[9] | コロッケ |
| 2019年10月26日[36] | 母のチーズケーキ | 長友郁真[36]、桜井ユキ、寺島しのぶ、他[20] | チーズケーキ[20] |