小田裕香子

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小田 裕香子(おだ ゆかこ)は、日本の細胞生物学者京都大学 生命科学研究科 教授生命科学研究科 附属生命情報解析教育センター 戦略的教育プログラム教員。日本細胞生物学会理事(2024年6月〜2026年6月)、同学会代議員(2022年4月〜2026年6月)[1][2][注釈 1]。細胞生物学者でもある歌人永田和宏研究室および細胞生物学者の森和俊研究室出身。

人物

博士前期課程在籍時に、京都大学永田和宏研究室にて、変性タンパク質分解経路であるERADに関わるEDEMの役割を解明するなど、永田和宏研究室の代表的な研究に携わる[3][4]

その後、助教時代から教授時代にかけて、細胞結合の一種である密着結合を誘導する機能をもつペプチドに関する研究(細胞間接着誘導ペプチド仮説)に携わる[5]

研究論文における不正行為の認定

2021年に密着結合を誘導する機能をもつペプチド「JIP」に関する論文[6][7]を発表して話題を呼んだ。

2023年に上記論文中の複数の図版に関する不正を指摘する通報が京都大学にあり、同大学調査委員会が調査を進めた結果、2025年3月31日に当該論文中のFig. 2A,Bについてのみ改ざんがあったと認定された[8]。当該の図に関する研究不正について、京都大学は小田が具体的にどのような改ざんを行ったのかは公表せず、小田が「現実の実験条件とは異なる思い込みの実験条件で論文を執筆していた」と結論づけた上で、不正行為に関与した人物は小田ただ一人であると認定した。また大学は、研究不正の要因は、小田が多忙であったために「報告の確認等が不十分であった」ことによる注意不足であるとしている。京都大学は小田による改ざんを認定した一方で、小田が改ざんを行った実験は「概ね当該分野で再現性があると見なされて」おり、「論文の結論に関わるものではない」ため、研究の進展への影響は低いと結論づけている[注釈 2]。また大学は同論文を撤回するのではなく、訂正を行うよう小田に求めた[9]

2026年5月12日、STAP細胞事件の取材で有名になった科学ジャーナリストの須田桃子により、上記研究不正の通報者が小田裕香子研究室に所属していた元研究員であり、元研究員は通報後数ヶ月後に雇い止めの連絡を受け、さらに「JIP」の研究データは本人以外による追試ができていないという情報があることがスクープされた[10]。記事内では、告発者である元研究員が告発後に机と椅子だけの別場所での勤務を提案され、パワハラ・アカハラに近い扱いを受けていたことが報告されている。また、告発者が雇い止めにあった一方で、小田は研究不正調査中にiPS細胞研究所の准教授から生命科学研究科の教授へと昇進していたことも明らかとなっている。さらに、小田が生命科学研究科の教授に昇進した当時の生命科学研究科の研究科長である井垣達吏は、小田と共同研究者の関係にあり、井垣もJIPに関連する研究で約1億8千万円の研究費を取得していることなどが報道されている。

大学関係者による研究不正調査の矮小化疑惑

2026年5月13日および5月14日、小田の研究不正を調査する目的で設置された調査委員会が、研究不正の内容を公正に調査せずに矮小化していた可能性について報道された[11][12]。部局調査委員会は、iPS細胞研究所所属の齋藤潤教授のほか、医生物学研究所所属の永樂元次教授、生命科学研究科所属の垣塚彰教授、神戸大学大学院医学系研究科所属の榎本秀樹教授、名古屋大学大学院理学研究科大澤志津江教授らによって構成されていた[9]

記事によると、京都大学調査委員会は小田の論文のうちFig. 2A,Bにのみ改ざんが認められたと報告していたが、実際にはFig. 3F,GとFig. 5Eで捏造が、さらにFig. 4H,Iにおいて改ざんが行われていた可能性が指摘されている。Fig. 3F,GとFig. 5Eでは小田が生物学的活性がないとして販売されている酵素を用いて生物学的活性を測定する実験を行ったことが判明しており[12]、Fig. 4H,Iについては小田が調査委員会に提出した実験データからは、小田が論文の主張に都合の悪いマウスを意図的に除外したり、さらには実験中に行方不明となっていたマウスがいたことが読み取れるなど多数の疑義が報道されている[11]。またこれらの事実については、外部の研究者からも捏造・改ざんの可能性があることがパブピア上で指摘されている[13]。調査委員会がこれらの実験について、そもそも調査をしなかった、あるいは調査を行ったのにも関わらず研究不正として認定しなかったことについて、記事中では外部有識者から疑問の声が上がっている[11][12]

また、京都大学による公表資料では、小田によるFig. 2A,Bの改ざんについて、あたかも単なる不注意によるミスであるかのような表現がなされていたが、実際には小田による意図的ともとれる改ざん行為が行われていたことが報道されている[11]。また調査委員会はこの事実を認定していたにも関わらず、この事実を公表資料には記載しなかったことが明らかとなった。

京都大学の調査委員会によるこれらの報告について、外部有識者らは「(小田の研究は)もはや実験として成立していない」、「研究不正以前の問題だ」と厳しく調査の不備を指摘している[11]

略歴

関連項目

脚注

外部リンク

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