山本卯太郎
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設計橋梁(国内)
新技術の開発
内容
- 昇降用動力の大幅な軽減などを実現する新システムの考案
論説報告について
山本卯太郎は、1928年(昭和3年)12月発行の『土木学会誌』に論説報告[17]を発表した。
- 次のことを実現できるリンク・バランス・システム[18]を考案して実用化する。
- 昇降時の動的なメカニズムを解析。論理的帰結に基づいて解析した特種曲線[22]を単純化することにより、新システム採用の跳上橋における細かな設計値算出を可能にする。
ここでいう鋼索とは、可動部橋桁とカウンターウエイトを単に連結するための鋼索(ケーブル)という意味ではない。従来の跳上橋も、可動部橋桁とカウンターウエイトを鉄骨アームやケーブルで連結するなど[24]により、「動力の軽減など」を図っていた。
これに対して、山本卯太郎は、特種曲線を用いるなど、数学的な解析に力点をおいている。すなわち、可動部橋桁での作用点[25]が、特種曲線に沿って動くようにするため、可動部橋桁とカウンターウエイト間で、鋼索を利用して離散的な点[26]を順次に連結できるようにし、この新たな考案の目的である「動力の大幅な軽減など」を実現したのである。
新システム採用の橋梁
- この跳上橋のことを鋼索型跳上橋といい、栄橋(道路橋)・福島新橋(道路橋)・末広橋梁(鉄道橋)が該当する。
- 新システム採用の末広橋梁において、可動部重量に対するカウンターウエイトの割合は約 である。一方、隅田川駅跳上橋の場合、カウンターウエイトを支える鉄骨アームの重量を仮に無視[27]しても、同様の割合は約 となる。
- ここで、共に山本卯太郎の設計橋梁であるが、(同じ可動部重量に対する)カウンターウエイトを比較してみると
- ( なお、 である。 ) であるから
- までにはなっていないが、 程度に軽減されている。
- 末広橋梁は、隅田川駅跳上橋の 程度のカウンターウエイトで機能を果たせることになる[28]。
- 四国には此で二つ[31]の跳上橋が出来たわけだが何れも山本卯太郎氏の特許になるもので、今度の徳島市土木課が架設した福島新橋は可動橋中最も工費の低廉な、然も安全第一[32]の有効なものであると言はれてゐる。
- …(中略)…
- 本可動橋は左右に配置された二個の主桁上部に特種連幹各三個を配し、此を主桁に桿着し、他の端に針金撚り線の一端に定着せしめ、各連幹は三個共特種抱絡線[22]を算定して此に接線に設置された物で、可動桁がどんなに仰角に置かれても、常に反動錘を(橋桁橋桁の一端にある回転軸の周囲に於て)と平衡を保つ装置であるから、昇降用の動力はすべて一定不変である。且つ他の可動橋に比し、橋桁の回転軸と橋台の運転用鋼索との垂直距離は他橋のフツクの半径に比し、約五倍以上あるから約五分一の馬力で、終始一定の動力で運転し得る点は最も合理的であり、また最も経済的に出来てゐる。
- …(中略)…
- 本橋は山本式鋼索型自動平衡跳上橋と称し又リンク、バランス、バスキュールとも言ひ発明者はすでに日、英、米、独の特許を得てゐる。
- 要するに本橋の特色は同径間の他の可動橋に比し
- 安全迅速に運転の出来る事と
- 水上の交通物を容易に通過せしむる事と
- 運転馬力の僅少なる事等である。
- 山本式跳上橋[17]、山本式鋼索型自動平衡跳上橋、リンク・バランス・バスキユールは、鋼索型跳上橋の別称である。
