巻き取り (携帯電話)

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電気通信事業における巻き取り(まきとり)とは、電気通信役務提供を停止するために、サービス又は事業者と契約しているユーザーを、他のサービスや事業者への移行を促す措置。この言葉は電話線を巻き取っていくアナロジーから来ており、携帯電話PHSなどでも使われる。

旧世代サービスから新世代サービスへの移行に伴う場合

携帯電話の巻取りとしては最も多いもので、第1世代移動通信システム第2世代移動通信システム、第2世代移動通信システム/第2.5世代移動通信システム第3世代移動通信システム、第3世代移動通信システム→第3.9世代移動通信システム/第4世代移動通信システム/第5世代移動通信システムと段階的に実施されてきた。この場合、機種変更代金が通常より安く設定され(無料となる場合もある)、SIMカードを用いない機種では機種手数料も無料化される。

1G→2GはNTT大容量方式1999年3月31日に、TACS方式2000年9月30日に終了することで、PDCcdmaOneIDODDIセルラーグループ(現:KDDI沖縄セルラー電話連合au)のみ)への移行が段階的に進められた。

2G→3Gは第3世代移動通信システムの台頭に伴い、PDCの廃止が段階的に進められた。KDDI・沖縄セルラー電話連合は2003年3月31日に、ソフトバンクモバイル(現:ソフトバンク)は2010年3月31日に、NTTドコモ2008年6月30日限りでシティフォン(シティオ)2012年3月31日限りでmovaPDC方式が廃止された。それに伴い、各社ともCDMA 1X/CDMA 1X WIN(後のau 3G)・SoftBank 3GFOMA/Xiへの移行を進めてきた。このうちソフトバンクモバイルは、2008年3月31日の新規受け付け停止に先立って、2006年10月24日より開始された番号ポータビリティでは、SoftBank 6-2への転入を不可とする措置が取られていた。

3G→4Gはスマートフォン等の台頭に伴い、端末で扱うデータ容量が大幅に増加したことにより、より大容量のデータ通信に適したLTEへの移行が進められている。それに伴い、KDDI・沖縄セルラー電話連合は2022年3月31日を以て3Gサービスを終了、ソフトバンクは2024年1月下旬に、NTTドコモは2026年3月31日にそれぞれ3Gを廃止することを明らかにしており、各社とも4G/5Gへの移行を進めている。

周波数再編に伴う場合

KDDI・沖縄セルラー電話連合では800MHz帯再編により、2012年7月22日を以て、2007年夏までに発売された機種(一部を除く)が使用不可となった。これに伴い、無料及び特別価格で機種変更可能な機種の用意及び、au ICカード未搭載機種からの変更の際の機種変更手数料無料化などの措置を取っていた。

これらに関連して、PHSで利用する帯域と2GHz帯の上り帯域の間にガードバンドとして、混線を遮断するための未使用バンドが存在するが、2GHz帯を割り当てられた3事業者が割り当てすべてを使えるようにするためには、ガードバンドをずらす(制御チャネルの移行ともいう)必要があり、この影響で、事業が終了していたドコモPHSアステルの端末すべて及びウィルコムがかつてのDDIポケット時代に発売した端末のほとんどが、ガードバンドをずらした後の帯域に対応していないため通信不可となり、ずらしたあとの帯域に対応した端末に巻き取る必要があり、利用者や利用ケースによって個別対応となった(主に、ソフトウェアアップデート、預かり修理による変更対応、新ガードバンド対応端末への買い換え優遇、OTAでのアップデート、他が実施された)。DDIポケット時代の末期に発売された端末などの一部の端末は、ファームアップデートで、新ガードバンドに対応した端末として使用可能となったものもあるが、それ以外の端末は使用不可となり、ウィルコムブランド端末への巻き取りが要請されたが、音声端末やデータ端末、自動販売機などにモジュールとして設置されるテレメタリング装置など、影響が多岐にわたり、とりわけ、一部の端末(東芝製のテガッキーなど)については、代替となる商品やサービスがないため、ガードバンド変更を機に、サービス自体がそのまま廃止されたものもあった。2012年の3月から新ガードバンドへの移行作業が開始され、同年5月に完了した。端末の中には、この2ヶ月弱の間で対応作業をしなければならないものも存在した。

2015年12月ソフトバンクが、1.5GHz帯1800MHz帯の3G帯域を2017年から2018年にかけて、LTE帯域に転換することを明らかにし、これに伴って、旧イー・モバイルの音声契約(EMOBILE 4G-Sを除く)、3Gデータ契約およびY!mobileブランドのタイプ2契約のスマートフォンが2018年1月31日を以て停波されることが明らかになった。先立って、2015年9月30日を以て、関連するプランの新規の受付が終了されている。

今後、EMOBILE 4G-Sの後継であるタイプ1契約やSoftBankブランドへの移行が促されると見られる(直後に発表されたもののうち、実質無料での機種変更/契約変更とあるのは、端末代金の分割と同額を通信料から割引を行うというもので、MNP新規に対する優遇措置とほとんど変わらず、巻き取りに対する優遇とは言い難い)。また、旧・イー・アクセスの場合は、Y!mobileのタイプ1契約の回線でも使用されている、従来のSoftBankブランドベースの回線では、番号非通知ガードサービス(ネットワーク上での非通知拒否設定)に相当するサービスが2016年3月時点で提供されていないなど、一部で受け皿になり得ない状況も発生している。

周波数帯削減によるサービス品質低下に伴う場合

2013年6月からは、イー・アクセス(現:ソフトバンク Y!mobile)がDC-HSDPAサービス向けに利用している帯域の半分をLTE用へ、同年8月中旬以降順次転用し、その後はHSPA+レベルの速度までしか出せなくなることから、LTEとのデュアルモードとなっていない4機種については、巻き取り対象として、EMOBILE LTE(又は、EMOBILE 4G)の端末への買い替えの優遇措置を取り始めた。ただし、HSPA+レベルまでの速度であれば従来通り利用可能であることから、積極的な巻き取りとまではいっておらず、2013年8月現在、同社の回線を利用するMVNO事業者については、巻き取りを行っていないところも存在する。上述のように、2015年12月には、2018年1月末を以てすべての1800MHz帯の帯域をLTEへ転換するため、同帯域での3G自体が停波されることを発表したため、MVNO各社とも何らかの対応を取ることになる見通しである。

ソフトバンク株式会社のSoftBankブランドでは、2017年3月末を目処にULTRA SPEEDで使用している1.5GHz帯をすべてLTEに転用するため、同サービスを停波することになっており、LTE非対応機種については、2GHz帯あるいは900MHz帯の3Gに対応している場合は通信速度の低下が伴い、いずれも対応していない場合は停波を以て使用自体が出来なくなるため、契約変更を伴う巻き取りが順次実施される方向になっている(ULTRA SPEED対応のデータ端末のうち、1800MHz帯対応端末は、本サービス停波と共に速度低下自体は行われ、継続使用はできるものの、上述のように2018年1月末に停波となり、使用不可となるため、併せて巻き取りが実施される)。

また、2014年10月には、UQコミュニケーションズが、翌年春以降モバイルWiMAXの帯域30MHz幅のうち20MHz幅分をWiMAX 2.1WiMAX 2+)に転用すると発表し、あわせてWiMAX 2+への切り替えキャンペーンを開始した[1]が、MVNO事業者の中には発表直前にWiMAXのキャンペーンを打つところがある[2]など、混乱もみられた。将来的には、残る10MHz幅分もWiMAX 2+への転用が計画され、モバイルWiMAXサービス自体が停波される見通しであり、その時点で本格的な巻き取りが行われるものと見られる。

ネットワーク最適化によるサービス品質低下に伴う場合

2011年9月5日に、ソフトバンクモバイルが、ボーダフォン旧日本法人時代、Vodafone 3Gとして販売した一部端末に関して、同年11月以降に実施されるネットワーク更新に伴う品質低下を理由に、対象機種をSoftBank 001SHないしはSoftBank 740SCに交換・回収を行う措置を取った[3]。対象端末は、Vodafone 902SHVodafone 802NVodafone 802SEVodafone 802SHVodafone 703Nとなり、発表から翌年1月までにソフトバンクショップへの持ち込みで実施した。これまでの期間に応じなかった顧客に関しては、改めての交換対応を実施せず、現在は、一般のキャンペーンなどで対応する形を取っている(機種変更・LTEなどへの契約変更手数料に関しては、キャンペーン対象であっても徴収される)。

この他にもVodafone Global Standard端末や初期の段階でVodafone 3Gとして販売された端末については、後述ノキアの端末を含めた回収や巻き取り対象となった端末も比較的多く存在する。

事業者の撤退・廃業に伴う場合

携帯電話・PHS事業者がサービスそのものを終了する場合、存続している事業者へ移行させることを「巻き取り」と呼ぶ場合がある。

このタイプの巻取りは、2008年3月31日限りで終了したツーカー(KDDI)や、PHSサービスを終了したアステルドコモPHSで実施された。前者は2006年6月30日の新規受け付け終了に先立ち、2005年10月11日からau(KDDI・沖縄セルラー電話連合)への移行手続きを開始した(10月18日 - 11月1日は受付中断)。サービス終了後もau以外へのMNPを2008年6月30日まで、auへの同番移行を2008年9月30日まで実施していた。後者はウィルコム(現:ソフトバンク Y!mobile)への番号や契約期間の引き継ぎ(電話番号の同番継承は、ドコモPHSとアステル沖縄、ならびに全国コールサービスを契約していたアステル東京のみ(全国コールサービスを契約した時点でウィルコムの番号に変更されたため)。契約期間の継承は、沖縄以外のアステル各社の中には、別途の手続を要する場合もあった)のほか、ドコモPHSからmova/FOMAへの移行も優遇されていた(PHSのMNP実施前だったため、電話番号は変更された)。

事業停止ではないが、ソフトバンクの宮内謙社長が、「PHSの新機種はもう無いと思っていただきたい」という趣旨の発言を、2015年10月の新モデル発表の際にしており、2021年1月31日を以て、テレメタリング契約の回線を除いて停波とされた(テレメタリング契約も、将来的には、低速LTE網に変更される予定。また当初は2020年7月31日を以て終了予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため延期されていた。)。Y!mobileブランドで出しているPHSからSoftBankブランドへの同番移行に際して、他社からのMNPに次ぐ優遇価格での提供を行っており(旧イー・アクセス契約やY!mobileブランドのスマートフォンは、毎月の割引にとどまらず、基本料金などの面でも優遇は一切行わない状態となっている)、先だってキャリアメールメールアドレスもそのまま利用可能とする対応をとっている。

端末都合によるもの

註釈

関連項目

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