広島電鉄3000形電車
広島電鉄の路面電車車両
From Wikipedia, the free encyclopedia
広島電鉄3000形電車(ひろしまでんてつ3000かたでんしゃ)は、1979年に広島電鉄に改造配置、在籍中の路面電車車両である。本項では1976年に登場し、後に3000形に編入された1300形についても記述する。
| 広島電鉄3000形電車 広島電鉄1300形電車 | |
|---|---|
|
3000形3008号 (2018年6月10日) | |
| 基本情報 | |
| 製造所 |
日立製作所 汽車製造 |
| 主要諸元 | |
| 編成 |
2車体3台車連接固定編成(1300形) 3車体4台車連接固定編成(3000形) |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 編成重量 |
22.20t(1300形) 30.09t(3000形) |
| 編成定員 |
130(着席 34)人(1300形) 180(着席76)人(3000形) |
| 自重 |
11.17t(A・B車) 7.75t(C車) |
| 車両定員 |
65(着席27)人(A・B車) 50(着席22)人(C車) |
| 全長 |
18,400(1300形)mm 25,250 (3000形) mm |
| 車体長 |
9,200(A・B車)mm 6,850(C車) mm |
| 全幅 | 2,400 mm |
| 全高 |
3,940(1300形)mm 3,820 mm(3000形) mm |
| 車体高 |
3,940(A・B車)mm 3,575(C車) mm |
| 台車 |
ウイングばね式コイルばね台車 KL-13・KS-117 |
| 主電動機 |
TDK534-A(1300形) FM-62(3000形) |
| 駆動方式 | 吊り掛け駆動方式 |
| 歯車比 | 59:14=4.21 |
| 編成出力 |
45kw×4(1300形) 62kw×4(3000形) |
| 制御装置 |
ES-58B(3001~04) MMC-LB-5B1(3005~08) |
| 備考 |
全金属製 スペックデータ、各車状況は『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中小私鉄編』P.158、および『広島の路面電車65年』P.180,181に基づく |
概要
元は西日本鉄道(西鉄)が福岡市内線向けに導入した1101形・1201形・1301形で、1975年の福岡市内線の第1次廃止で余剰となり、各地の鉄道事業者に譲渡されたものである。広電には1101形2編成、1201形8編成、1301形2編成の計24両が譲渡された。
最初に就役したのは元1301形で、1976年1月に2車体連接車の1300形として竣工し、1305AB・1306ABの2編成が導入された。改造点は以下の通りである。
- 塗色を西鉄色から広電直通色のオリエントピーチの地色にライトベネチアンレッドの帯に変更。帯広告がある車両は帯が2本、帯広告がない車両は帯が1本になっている。
- 前照灯を腰部から屋根上に移動、シールドビーム2灯化。
- 直通灯の設置。
- パンタグラフの増設。
- 後部出入り口横の窓をスライド化。
その後、1979年には元1201形、1981年には元1101形もそれぞれ就役したが、これらは広電初となる3車体連接車に改造され、3000形の形式称号が与えられた。後に1300形も3車体化のうえで3000形(3007・3008)に編入され、3001 - 3008の計8編成が出揃っている。1300形の改造ポイントに加えて以下の点が改造された。
- 1101形など一部の車両はカルダン駆動方式を採用していたが、吊り掛け駆動方式(電動機出力62kW×4)に全車統一。
- ブレーキは非常弁付き三管式直通空気ブレーキ(SME/STE)だったが、電磁給排弁を付加して応答性を向上させた電磁SME/電磁STEに変更。
- 車体裾のR部分を直線化。
- 運転台横の扉を除いて折り戸から引き戸に改造。
- 方向幕の大型・電動化。
- 車掌窓の追加。
- 1980年から1983年にかけて冷房装置を搭載。富士電機製でバス用冷房装置のコンプレッサを直流600Vモーターで駆動して、車内天井に設置されたバス用エバポレータを通じて車内に送風するタイプで、C車屋根上にコンデンサ・コンプレッサ・駆動用モータを設置。
台車は1201形・1301形が履いていた日立製作所製KL13、川崎車両製KS117/KS117A(両者とも形態は近似)を引き続き使用しているが、不足分2台は1101形のKS111を3007ACBの中間台車として使用した(現在はKL13/KS117系に統一)。
運用
宮島線直通運用の主力車両として運用されたが、3700形、3800形、3900形の登場後は余剰となり、3900形の代替で3001が1992年に廃車された。その後は主に平日朝ラッシュ時に限定運用されていたが、他の直通運用車両よりも高速域での加速が悪く、直通運用車両では唯一常用ブレーキが空気ブレーキのみで電気ブレーキが装備されていなかったために、ブレーキシューの交換頻度が短く、メンテナンスに手間がかかっていた。
このため、老朽車両の代替と輸送力向上を目的として、1998年に市内線へ移籍することとなり、宇品線での運用を開始した。このとき、以下の点が追加で改造された。
- 従来の直流600V駆動の冷房装置は冷却不足が指摘されていたため、これを撤去して、三菱電機製集中形冷房装置CU77を各車体屋根上に1台ずつ設置した。同時に車内天井に設置されていたバス用エバポレータを撤去して、天井中央部にラインフロータイプの送風ダクトを設置した。
- 冷房用以外の低圧電源を供給していた電動発電機(MG)を撤去して、冷房用電源兼用の静止形インバータ(SIV)をC車に設置。
老朽化のため、1000形の導入が進んだ2015年7月に3005・3006が廃車となった。この2編成は廃車後、同時に廃車された750形の一部とともにミャンマー国鉄に譲渡され、3006はTCE3001として2016年1月10日よりヤンゴンでの運用が開始された[1]。だが、2021年3月現在は運行休止にされている。
2018年より5200形の導入、および3950形・3800形の千田への転属により5編成(3002 - 3004, 3007, 3008)が廃車となり、2026年3月現在は3003の1本のみが在籍しているが、2024年9月6日に定期運用を離脱、休車となっている[2]。
イルミネーション電車

ひろしまドリミネーションの一環として3006号がイルミネーション電車として運転された。イルミネーションが点灯するのは夕方からで、昼間は非点灯の状態で運転されていた。
各車状況
特記がない場合を除き、2024年5月現在の状態を示す。
| 車両番号 | 広電竣工 | 廃車時期 | 塗装色 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 3001 | 1979年12月30日 | 1992年12月 | - | 解体(解体場所は不明) |
| 3002 | 1979年12月30日 | 2021年3月 | - | 荒手車庫にて解体 |
| 3003 | 1980年12月30日 | 在籍中 | 標準色 | 休車(江波車庫留置) |
| 3004 | 1980年12月30日 | 2020年4月 | - | 江波車庫にて解体 |
| 3005 | 1981年1月31日 | 2015年7月 | - | ミャンマーへ譲渡 2016年7月より路線そのものが運休、使用停止[3] |
| 3006 | 1981年3月31日 | 2015年7月 | - | ミャンマーへ譲渡 2016年7月より路線そのものが運休、使用停止 |
| 3007 | 1981年7月16日 | 2021年3月 | - | 元1300形。1300形としての竣工は1976年1月31日 江波車庫にて解体 |
| 3008 | 1982年6月30日 | 2019年4月 | - | 元1300形。1300形としての竣工は1976年1月31日 荒手車庫にて解体 |
改造前後の車両番号の関係
| 譲渡前 | 譲渡後 |
| 1204A・1204B・1208A | 3001ACB |
| 1209A・1209B・1207A | 3002ACB |
| 1206A・1206B・1203A | 3003ACB |
| 1201A・1202B・1202A | 3004ACB |
| 1101A・1101B・1102A | 3005ACB |
| 1201B・1102B・1203B | 3006ACB |
| 1305A・1207B・1305B | 3007ACB |
| 1306A・1208B・1306B | 3008ACB |
福岡時代データ
| 車両番号 | 西鉄竣工 | 製造会社 | 備考 |
| 1101AB | 1954年7月 | 汽車製造 | |
| 1102AB | 1954年7月 | 汽車製造 | |
| 1201AB | 1962年8月 | 日立製作所 | |
| 1202AB | 1962年8月 | 日立製作所 | |
| 1203AB | 1963年6月 | 日立製作所 | |
| 1204AB | 1963年6月 | 日立製作所 | |
| 1206AB | 1963年6月 | 日立製作所 | |
| 1207AB | 1963年6月 | 日立製作所 | |
| 1208AB | 1963年9月 | 汽車製造 | |
| 1209AB | 1963年9月 | 汽車製造 | |
| 1305AB | 1964年8月 | 汽車製造 | |
| 1306AB | 1964年8月 | 汽車製造 |
ミャンマー譲渡後
| 譲渡前 | 譲渡後 |
| 3005ACB | |
| 3006ACB | TCE3001ATB |