心斎橋パルコ

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心斎橋パルコ(しんさいばしパルコ)は大阪府大阪市中央区1971年から2011年まで営業していた初代と、2020年から二代目店舗が営業しているファッションビル

西武百貨店関西時代

心斎橋PARCO (初代)
SHINSAIBASHI PARCO
店舗概要
所在地 542-0085
本館 大阪府大阪市中央区
心斎橋筋1-9-1
別館 大阪市中央区西心斎橋1
開業日 本館 (西武百貨店関西) 1971年12月12日、(パルコ直営) 1991年5月31日
別館 1992年
延床面積 本館 約1.0440
別館 約2.394 m²
商業施設面積
本館 地上8階地下3階
  別館 地上4階地下1階
営業時間 本館 11:00 - 21:00
別館 11:00 - 20:00
不定休
最寄駅 大阪市高速電気軌道心斎橋駅
最寄IC 阪神高速1号環状線四ツ橋入口
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西武百貨店は関西地域への進出に関して直接出店するのではなく、関西に新たに企業を設立して地域に定着した企業として店舗展開を行う方針を示した。この新会社は1971年4月に「株式会社西武百貨店関西」として設立され[1]、1971年12月12日に一号店として「心斎橋パルコ」の初代店舗が開業した。ヤングファッションを中心に東京・大阪・神戸の専門店60店が出店し、物でだけでなくファッション情報提供の場を設けるプランとしていた[2]

パルコへ移管

西武百貨店が百貨店事業の強化とチェーンオペレーションの構築に取り組むため、関西地区での拠点確保を目指していたパルコに「心斎橋パルコ」が移管され[3]、引継ぐ形で名実ともにパルコとして1991年5月31日に開業。1992年にはアメリカ村に別館(DUE館)を開業。本館建物は1971年12月竣工、地上8階地下3階、延床面積は約10,440㎡。別館は1992年9月竣工、地上4階地下1階、延床面積は約2,394㎡[4]。核テナントになったのは2001年に1階から6階でオープンした「ロフト[5]、8階では1991年5月からパルコが運営するライブハウス「クラブクアトロ」が営業していた[6]

閉店と新業態で再出店

パルコ(東京都豊島区)は2010年10月1日、「心斎橋パルコ・本館」と一体的に運営している「同・DUE館」を2011年9月で営業終了し本館を建て替え、2013年6月に新業態としてオープンすると発表した。「本館」建物は竣工から38年の経過による老朽化と、賃貸借契約が切れる2011年9月を以って建て替えを行うため、そのタイミングで「本館」の閉店を決めた[7]

「クラブクアトロ」は移転を検討した結果、梅田の「プラザ梅田ビル」(旧梅田ピカデリー1)へ移転、新生クアトロの名称は「梅田クラブクアトロ」で2012年4月14日にオープンした[8]2013年3月、新たな商業施設「心斎橋ゼロゲート」の開業日が4月13日と発表され[9]、核テナントとして「H&M SHINSAIBASHI」が出店。地下1階 - 4階、全5フロアに売場面積は約3000㎡の、日本最大の店舗で関西のフラッグシップ店であったが[10]2024年12月で閉店[11]2025年10月からは「ZARA 心斎橋店」がオープン。4フロアによる構成で売り場面積は約2000㎡、大阪では最大規模で国内でも最大級の店舗である[12]

二代目

心斎橋PARCO (二代目)
SHINSAIBASHI PARCO
店舗概要
所在地 542-0085
大阪府大阪市中央区
心斎橋筋1-8-3
座標 北緯34度40分26.0秒 東経135度30分3.0秒 / 北緯34.673889度 東経135.500833度 / 34.673889; 135.500833座標: 北緯34度40分26.0秒 東経135度30分3.0秒 / 北緯34.673889度 東経135.500833度 / 34.673889; 135.500833
開業日 2020年11月20日
設計者 株式会社 竹中工務店
施工者 株式会社 竹中工務店
延床面積 約58.000 m²
商業施設面積
※地上14階地下2階
店舗数 約170店舗
営業時間 物販・サービス 10:00 - 20:00
飲食B1F 10:00 - 21:00
飲食13F 11:00 - 22:00
不定休
前身 大丸心斎橋店北館
最寄駅 大阪市高速電気軌道心斎橋駅
最寄IC 阪神高速1号環状線四ツ橋入口
外部リンク https://shinsaibashi.parco.jp/
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心斎橋パルコ(二代目)の前身
大丸心斎橋店・北館
コロナ禍のなかで開店を迎えた

再出店の経緯

パルコが再出店したビルは「そごう心斎橋本店」として、2005年8月に都市再生特別地区指定の商業施設として竣工された。同場所に建っていた村野藤吾設計による旧ビル「心斎橋そごう」からモダニズム精神を継承し、隣接するヴォーリズ様式の「大丸百貨店・本館」と並び心斎橋のランドマークとなっていた[13]。2005年9月に「そごう心斎橋本店」は開業したが、経営不振のため4年後の2009年9月で閉店した。株式会社そごう・西武が保有していた心斎橋本店の土地・建物は、隣接する大丸に379億1,000万円で売却された[14]

そごうが撤退した後は、「大丸心斎橋店・北館」として2009年11月から開業[15]パルコが入ることが決まってからは、2019年9月に閉館し約1年をかけてリノベーションが行われた。これと入れ替わるように2015年12月末で閉館していた「大丸心斎橋店・本館」が、地下3階+地上11階のヴォーリズ建築を継承したビルとなって2019年9月にグランドオープンした[16]

建築および空間演出

ビルのリノベーションに関しては、伝統を重視した改修が行われた。外壁には新たに「ドレープ」の意匠を用い、見る場所によってビルの表情が変化する躍動感を表現。また連絡通路で繋がっている「大丸心斎橋店・本館」のクラシックなヴォーリズスタイルに対し「ドレープ」で華やかさを表現し、外観のスカイラインを合わせるなど景観の調和が図られている。

館内では1階の床面が御堂筋の銀杏並木にちなんでデザインがされ、既存ビルの1階エレベーターホールで使用されていた象嵌タイルが残された。1 - 2階と8 - 9階にもエスカレーターサイドの特徴的なライムストーン(天然石材)によるデザインを残し、1 - 2階の壁面にはペイントを加え新たな「伝統と革新」のアート表現の場とした。旧ビルの1階エントランスホールに飾られていたモザイクタイルアートと、外壁に展示されていたブロンズ彫刻も継承され、13階と14階でそれぞれ展示している[16]。14階フロアは大丸時代の劇場とイベントホールを継承した、劇場とアートギャラリーのふたつの大型イベントスペースを開設した[17]。「大宝寺通り」に加え2階 - 10階までは「大丸心斎橋店・本館」と連絡通路で繋がり、双方への回遊性を高めた[18]

経営戦略

J.フロント リテイリングとしては、接地の「大丸心斎橋店・本館」と合わせ、エリア開発「アーバンドミナント」戦略を推進するビルと位置づけた[19]。両店限定で双方のハウスカードを利用した、相互ポイントサービス企画を実施をした[20]

新しい都市型パルコを具現化した「ニューコンプレックスビル」を目指し、「渋谷パルコ」の「モード・アニメ・NEW飲食・アート」に、百貨店のテーマ「ラグジュアリー・高級飲食・ゴルフ&スポーツ」を加え、無印良品東急ハンズなどの大型専門店と都市型シネマコンプレックス、多目的スペースや大型イベントホールを導入することで新たな商業ビルを提案する。ターゲットは「渋谷パルコ」と同様、特定の年齢層や性別で絞らず、新しいことや個性を追求する都市生活者が世界中から訪れるビルを目指した[21]。投資額は約133億円、年間取扱高目標は約220億円[注釈 1]を掲げた[22]

コロナ禍の開店

2020年代に入ると小売業界を取り巻く環境は激変を迎えた。2019年末から全世界に拡大した、新型コロナウイルスによるパンデミックである。国内では2020年1月に初の感染者が確認され、以降も感染者が増えたことにより2月26日には政府から、今後2週間のスポーツ・文化イベントなど大規模イベントの中止・延期・規模の縮小が要請された。パルコでは2月29日の「熊本パルコ」最終営業日に閉店後、店頭で行われる予定であった「閉店セレモニー」が中止になる影響がでた[23]。4月7日には大阪を含む13都府県に5月25日まで、1回目の緊急事態宣言が発令された[注釈 2]

2021年春の開業を予定していたが計画を前倒しして、2020年11月20日のオープンになった[24]コロナ禍が収束する気配のない中、パルコでは感染拡大防止への取り組みとして、密閉・密集・密接(3密)を回避してソーシャルディスタンスを確保するため、営業時間の短縮・一部フロアの開業時期を変更した。感染拡大リスクを抑え安全・安心な店づくりのための取り組みとして、入口には手指消毒液・サーモグラフィーカメラの設置、スタッフのマスク着用・手洗い・体調管理の徹底、キャッシュレス決済の推進により直接的な接触の機会を減らし感染防止が図られた[25]

開店当日はオープニングセレモニーも派手な演出は控え静かな幕開けとなったが、来店客からはパルコに対する期待の大きさが伝わった[26]。最大二人までの事前日時予約制を採用していたが、初日の午後まで予約枠が埋まる盛況に表れた。朝10時の開店待ちの列が長くなったため、30分早めて9時30分に開店した。入店では手指のアルコール消毒、サーモグラフィーを経て静かに数人単位で、安心のソーシャルディスタンスを保つように努めた[27]。オープニングイベントとして、渋谷の現代アートギャラリー「NANZUKA」の企画・管理によるグループ展「JP POP UNDERGROUND」と「MR.BRAINWASH EXHIBITION “LIFE IS BEAUTIFUL”」が開催された[28]。12階のシネマと13階の飲食フロア「御堂筋ダイニング」は2021年1月、地下2階のネオ酒場「心斎橋ネオン食堂街」は2021年3月のオープンとした[29]

コロナ明けの盛況

心斎橋は大阪の商業の中心地として従来から「にぎわい」のある街で、近年は海外でも人気の街として注目度が高まっていたが[30]、コロナ禍でインバウンドは皆無、国内客も外出自粛などで来街者数が減少した[31]。しかしながら「大阪のインバウンド」は、その潜在力を踏まえるとコロナ終息後には再び盛り上がると予測されていた[32]

2022年10月から政府は、新型コロナウイルス対策としての入国制限を大幅に緩和した[33]。心斎橋筋商店街の通行量はコロナ禍前の実績には届いていないものの街に「にぎわい」が戻っており、国内客・インバウンドともに来街者数は着実に増えていた。以前よりも来街客層が多様化しているのが特徴とみる商業関係者は多い[34]。「心斎橋パルコ」の2024年2月期は、開業時に掲げた年間テナント取扱高の220億円を超えて259億円に達した[35]

大阪観光局2025年1月、2024年に大阪府を訪れたインバウンド数の推計を1463万9000人と発表した。2023年(994万人)比で47%増えた。新型コロナウイルス禍前の2019年(約1231万人)も19%上回り、過去最高を更新した[36]。2025年2月期通期の「心斎橋パルコ」の店舗業績は、売上高にあたる取扱高が前の期比46%増の379億円となった。2020年の開業以来、3年連続で最高を更新した。インバウンド向けの販売額が2倍となり、全体に占めるシェアも3割強に高まった[37]。それによりパルコ全店舗の中でもトップの「渋谷パルコ」に次ぐ取扱高に達した[38]

脚注

参考文献

外部リンク

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