性比
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フィッシャーの原理
→詳細は「フィッシャーの原理」を参照
フィッシャーの原理とは多くの生物で安定した性比がなぜ1:1になるか、究極的な理由を説明した理論である。 ウィリアム・ハミルトンは『異常な性比(1967)』でフィッシャーの原理を次のように説明した。 親の繁殖コストが、子の性がオスメスどちらでも等しい場合に:
- オスがメスよりも少なく生まれる集団を想定する
- 新たに生まれたオスは、新たに生まれたメスよりも多くの配偶者を獲得でき、そのためより多くの子をもうけられると予測できる。
- したがって、遺伝的にオスの子をより多く産む親は、平均以上の孫を獲得できる。
- したがって、オスをより産みやすい遺伝子は広まり、次第にオスの割合が増加する。
- 性比が1:1に近づくほど、オスを多く産む性質の有利さは次第に弱まる。
- この例はオスとメスを入れ替えても成り立つ。また一夫一妻でも、一夫多妻でも、配偶システムにかかわらずこの議論は成り立つ。1:1で性比は均衡する。
現代風に言えば、1:1の性比は進化的に安定な戦略である。もし子の性によって親の子育てのコストが異なるなら、子の性比は偏ると予測できる。
性比理論
有性生殖生物において、性比の予測と解明は重要な研究分野である。これは進化生物学者エリック・チャーノフの『性の配分』[1](1982)によって大いに影響を及ぼされ続けている。彼は5つの重要な問題を提唱している。
- 雌雄異体種の場合、自然選択によって維持された安定性比はいくつか?
- 異時的雌雄同体種の場合、安定した性転換の順序と時間はいくつか?
- 同時的雌雄同体種の場合、毎繁殖期におけるオスとメスの機能への、安定した資源配分はいくつか?
- どんな状態の下で、雌雄同体と雌雄異体のどちらが進化的に安定になるか? それぞれの性のタイプはどのような混合比になるのが安定か?
- 特定の環境や生活史状態に応じたオスの機能とメスの機能への個体の能力の配分を、自然選択はどのように形作るか?
生物学的研究は性比よりむしろ資源配分(おのおのの性の子にどれだけ親のエネルギーや資源が費やされるか)が重視される。一般的な研究テーマは地域的な配偶競争と資源競争の影響である。これは局所的配偶者競争(LMC)と局所的資源競争(LRC)と呼ばれる。これらは性比を大きく偏らせる原因となる。


