情報処理推進機構

経済産業省所管の独立行政法人 From Wikipedia, the free encyclopedia

独立行政法人情報処理推進機構(じょうほうしょりすいしんきこう、: Innovation Platform Agency, Japan、略称: IPA[1][2]は、日本IT国家戦略を技術面・人材面から支えるために設立された独立行政法人。所管官庁は経済産業省デジタル庁(共管)[4]であり、主要業務の主務大臣は経済産業大臣および内閣総理大臣[5]。政府全体のIT政策を横断的に担う政策執行機関である。また、半導体および大規模サーバに関する事業体や、AIに関するソフトウェア分野への政府出資を行う産業投資機能[6][7][8]、脅威情報共有機能[9]および防御支援機能[10]も有している[11][12][13][14]

正式名称 独立行政法人情報処理推進機構
日本語名称 独立行政法人情報処理推進機構
英語名称 Innovation Platform Agency, Japan[1]
略称 IPA[2]
概要 独立行政法人情報処理推進機構, 正式名称 ...
独立行政法人情報処理推進機構
正式名称 独立行政法人情報処理推進機構
日本語名称 独立行政法人情報処理推進機構
英語名称 Innovation Platform Agency, Japan[1]
略称 IPA[2]
組織形態 独立行政法人(中期目標管理法人)
所在地 日本の旗 日本
113-6591
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
文京グリーンコートセンターオフィス15・16階(総合受付13階)
北緯35度43分48秒 東経139度44分51秒
法人番号 5010005007126 ウィキデータを編集
予算 6,419百万円(平成25年度)[3]
*運営費交付金 3,671百万円
*業務収入 2,653百万円
*その他収入 95百万円
資本金 20,841百万円
人数 554人(令和5年度)
理事長 齊藤裕
目的 日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支える
設立年月日 2004年1月5日
前身 特別認可法人情報処理振興事業協会(1970年10月設立)
所管 経済産業省デジタル庁(共管)[4]
ウェブサイト https://www.ipa.go.jp/(日本語)
https://www.ipa.go.jp/en/(英語)
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タグラインとして「Beyond Digital(デジタルの、その先へ。)」を掲げ[15]、「デジタル基盤の提供」「デジタル⼈材の育成」「サイバーセキュリティの確保」を事業の三本柱に据えて日本の情報化とデジタル化の推進を図る[16]情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成14年法律第144号)により、2004年平成16年)1月5日に設立され、同法附則第2条第1項の規定により解散した、特別認可法人である情報処理振興事業協会(IPA)の業務等を承継した。

概要

IPAでは、特別認可法人 情報処理振興事業協会の時代からコンピュータウイルスセキュリティに関係する調査・情報提供を行ってきた。また、中小コンピュータソフトベンダーの債務保証事業などのソフトウェア開発補助事業を行っている。天才的プログラマ・セキュリティ人材の発掘のための未踏ソフトウェア創造事業およびセキュリティキャンプ事業、特に若年の開発者を対象とした未踏ユース制度などの人材育成事業も行っている。

なお、情報処理の促進に関する法律の規定により、情報処理安全確保支援士制度の登録事務(取消事務、命令事務を除く)と講習事務、情報処理安全確保支援士試験情報処理技術者試験の試験事務を行っているデジタル人材センター人材スキルアセスメント部(旧・情報処理技術者試験センター)は、1984年から2003年までは財団法人日本情報処理開発協会(現:一般財団法人日本情報経済社会推進協会)で情報処理技術者試験の試験事務を行ってきて2004年にIPAの一組織になっている。

歴史

IPAの前身は、1970年10月に設立された特別認可法人情報処理振興事業協会である[17]

2002年成立の「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」(平成14年法律第144号)は、情報処理振興事業協会を解散して独立行政法人情報処理推進機構を設立し、情報処理技術者試験の実施に関する事務を同機構に行わせることを主な内容としていた[18]。これに基づき、2004年1月に独立行政法人情報処理推進機構が設立された[17]

情報処理技術者試験制度は、1969年に通商産業省の告示により発足し、1970年制定の「情報処理振興事業協会等に関する法律」により法制化された。1984年4月には、試験事務が財団法人日本情報処理開発協会へ委譲され、情報処理技術者試験センターが設立された[19]

2000年度には、独創的なIT人材の発掘・育成を目的として「未踏ソフトウェア創造事業」が開始された。未踏事業は、2008年度に若い人材の発掘・育成に重点化した「未踏IT人材発掘・育成事業」として再編された[20]

2010年度にはソフトウェア開発事業部が廃止され、2012年度には情報処理技術者試験センターの地域統括室が廃止されるなど、組織の見直しが行われた[21]

2025年4月には、データ連携促進などの観点からデジタル庁が新たに共管に加わった[22]

2026年6月5日、IPAはブランドアイデンティティを刷新し、英語名称を従来の「Information-technology Promotion Agency, Japan」から「Innovation Platform Agency, Japan」に変更した。また、タグラインとして「Beyond Digital」を掲げ、新たなロゴの使用を開始した。日本語の法人名称と略称「IPA」は変更されていない[23]

主なソフトウェア開発支援実績

未踏ソフトウェア創造事業

2000年から開始されたIT産業の振興を目的とした、一般の開発者をIPAが支援するソフトウェア開発事業である。

30歳以上対象の未踏本体と30歳未満対象の未踏ユースに分かれていたが、2012年から一本化され、対象年齢が25歳未満に引き下げられた。

IPAにより認定されたPM(プロジェクトマネージャー)が参加するプロジェクトを公募し、これにより採択されたプロジェクトを一定期間IPAが支援する。PMは予算配分権限を持ち、これを各プロジェクトに割り当てる。参加するプロジェクトは、管理会社に属し、IPA、管理会社、およびプロジェクトの三者間で契約を結ぶ。プロジェクト終了後、PMにより、「スーパークリエータ」として表彰されることもある。

未踏で開発されたソフトウェアとしては、日本語変換ソフトウェア「uim」「anthy」やウェブブラウザ「Lunascape」などがある。また未踏で開発された技術を元に、ブログウォッチャー等の企業が設立されている。未踏出身者は様々な領域で活躍しており[24]Winnyの開発者である金子勇は、2001年度の未踏ソフトウェア創造事業でスーパークリエータに選出された開発者のプロジェクトに参加している。自由度が高く、話題性もあるため、若くて野心的な開発者の間では、ひとつの目標となっている。

また、未踏事業のOB/OGらが中心となって設立した未踏社団が実施する17歳以下を対象とする「未踏ジュニア」と未踏エコシステムとして協定を結んでいる。

未踏ユース

未踏ソフトウェア創造事業をモデルに、30歳未満の開発者を対象とした「未踏ユース」も2002年から実施されていた。未踏ユースの公募は2005年までは年一回だったが、2006年より年二回となった。

2012年より未踏本体と統合され、未踏ユースの制度は廃止された。

元々は未踏ソフトウェア創造事業におけるスーパークリエータの「原石」を発掘することを目的としてスタートしたプロジェクトだが、代表的な開発成果として登大遊SoftEtherクジラ飛行机なでしこなどが生み出された。

オープンソースソフトウェア活用基盤整備

オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業を参照。

iPedia

2006年5月のOSS iPedia[25]の公開を皮切りに、iPediaという名称をもつ一連の情報データベースをウェブ上で公開している。

  • OSS iPedia[25] - OSS(オープンソースソフトウェア)関連情報データベース
  • JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース
  • 未踏iPedia[26] - 未踏ソフトウェア創造事業の情報データベース
  • IT人材育成iPedia - 高度IT人材育成情報データベース
  • セキュリティ情報RSSポータル[27] - セキュリティ関連情報サイトのRSSを収集・分類(Security iPediaの一機能)

ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー(SPOTY)

1989年から2004年度にかけ一般財団法人ソフトウェア情報センターにより実施されていたが、2005年度からは本機構が継承した。実施ソフトウェア・プロダクトの開発者などに与えられた表彰制度。「より一層の開発意欲を高め、多くの良質なソフトウェア・プロダクトの供給を促進し、市場の拡大及び充実を図ること」を目的とし(HPより)、毎年開催されていたが、上記機構改革により2010年度を以て終了となった。

セキュリティセンター

IPA内に設置されているセキュリティセンター(IPA/ISEC)では、経済産業省告示に基づき、コンピュータウイルス・不正アクセス脆弱性について、発見および被害の届出を受け付けている。被害状況の把握だけでなく、啓発情報の発信、暗号技術の調査と評価、システムの情報セキュリティ評価・認証、情報セキュリティを高めるための技術開発・調査研究なども行っている。

2017年からは、情報処理技術者試験から分離する形で新設される情報処理安全確保支援士に関する一連の業務を所管する。

ITセキュリティ評価及び認証制度(JISEC)

現在IPAにおいて、日本の「ITセキュリティ評価及び認証制度 (Japan Information Technology Security Evaluation and Certification Scheme、JISEC)」[28]の認証機関を運営している。

「ITセキュリティ評価及び認証制度」とは、IT関連製品のセキュリティ機能の適切性・確実性を、セキュリティ評価基準の国際標準であるISO/IEC 15408に基づいて第三者(評価機関)が評価し、その評価結果を認証機関が認証する制度である。詳しくは「コモンクライテリア」参照。

IPAフォント

IPAが一般公開している日本語のアウトラインフォント。もともとは2003年(平成15年)、IPAが支援したオープンソースソフトウェア活用基盤整備事業によって開発されたソフトウェアを使用するために配布されていた。詳しくは「IPAフォント」参照。

不祥事

2009年の情報流出事案

2009年(平成21年)職員が私物パソコンにおいてファイル交換ソフトを使用し、アダルトゲームなどの市販ソフトウェアや児童ポルノをダウンロードしていた折、暴露型と呼ばれるコンピュータウイルスに感染し、公私にわたる情報が流出した。その結果、職員は停職3ヶ月の処分が下された[29]

なお、同職員が行っていたファイル交換ソフトの利用に関して、「経済産業省や弁護士にも含めて検討した結果ソフトウェアや児童ポルノのダウンロードは確認されたが使用した事実は確認できない」とした。また、同職員はデータのダウンロードが完了する度にキャッシュを削除していたとして、IPAの担当者は「同職員は、WinnyやShareを使った場合、自動送信可能になることをわかっており、自らが発信者にならないよう最大限の努力をしたと見られる」と説明した[30]

2026年の指名停止措置

2026年4月10日、内閣官房はIPAに対し、2025年4月1日締結の「令和7年度 独立行政法人等に対する監査業務の委託」において、再委託先であるストーンビートセキュリティ株式会社による契約違反行為により本業務の一部について履行義務を果たさなかったことなどを理由として、同年9月9日までの5か月間の指名停止措置を行った。[31]

また、再委託先であるストーンビートセキュリティ株式会社についても、内閣官房はIPAとの間の契約違反を理由に同社を同年9月9日まで5か月間の指名停止措置を行ったほか、同社が内閣官房と別途直接契約していた案件(「令和7年度 ペネトレーションテストによる政府機関等情報システムのセキュリティ対策状況調査(その2)」)についても契約違反行為および契約解除を理由として、同年10月9日まで6か月間の指名停止措置を行った。[32][33]

組織・人事

  • 理事長
  • 理事
    • 内田了司(1998年 通商産業省入省、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課・元課長)
    • 三谷慶一郎(1985年 日本電信電話入社、NTTデータ経営研究所 主席研究員 エグゼクティブコンサルタント)

脚注

関連項目

外部リンク

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