愛媛閃石
鉱物
From Wikipedia, the free encyclopedia
愛媛閃石(えひめせんせき・Ehimeite)またはクロムパーガス閃石(くろむぱーがすせんせき・Chromio-pargasite)とは、ケイ酸塩鉱物の角閃石グループに属する鉱物の一種[1][2]。
| 愛媛閃石 クロムパーガス閃石 | |
|---|---|
|
愛媛閃石(秋田大学附属鉱業博物館所蔵) | |
| 分類 |
ケイ酸塩鉱物 イノケイ酸塩鉱物 角閃石グループ グループ2 カルシウム角閃石サブグループ パーガス閃石グループ |
| シュツルンツ分類 | 9.DE.15 |
| 化学式 | [Na][Ca2][Mg4Cr3+](AlSi3O11)2(OH)2 |
| 結晶系 | 単斜晶系 |
| 単位格子 |
a = 9.9176(14) Å b = 18.0009(12) Å c = 5.2850(7) Å β = 105.400(7) 度 |
| 晶癖 | 柱状結晶 |
| へき開 | {110} 完全 |
| 断口 | 不定 |
| 粘靱性 | 脆い |
| モース硬度 | 6 |
| 光沢 | ガラス光沢 |
| 色 | 淡緑色からエメラルドグリーン |
| 条痕 | 淡緑色 |
| 透明度 | 透明 |
| 密度 |
測定値: 3.08(3) g/cm3 計算値: 3.121 g/cm3 |
| 光学性 | 2軸 (+) |
| 屈折率 |
nα = 1.644(2) nβ = 1.647(2) nγ = 1.659(2) |
| 複屈折 | 0.015 |
| 多色性 | 黄緑から青緑 |
| 光軸角 2V | 53 度(計算値) |
| 不純物 | Ti、Fe、K |
| 文献 | [1][2] |
| プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 | |
成分・種類
産出地
性質・特徴
サイド・ストーリー
愛媛閃石は2011年に愛媛県の赤石鉱山で世界で初めて産出が報告された鉱物である。当初、愛媛大学の皆川鉄雄らによって注目され、その後、東京大学の浜根大輔を中心とするグループによって新鉱物として確立された。愛媛閃石という和名は発見地である「愛媛」と、角閃石グループの鉱物に付けられる「閃石」を合わせた名称であり、当初は英名もこれに因み Ehimeite と名づけられていた[1]。しかしその後2012年になって、英名は角閃石グループの改訂による成分とグループ名から Chromio-pargasiteという名称に変更された[2][4]。これを日本語に直訳すればクロムパーガス閃石となる。都道府県名に因んだ鉱物でこのような変更があった例は愛媛閃石が初めてではなく、2001年に新潟県で発見され、その後2006年にストロンチウム斜灰簾石と改名された新潟石 (Niigataite・Clinozoisite-(Sr)) が前例としてある(ただし、2016年に再び命名規約が変更され、新潟石に戻された)[5]。
なお、都道府県名に因んだ鉱物は、他に滋賀石(Shigaite・1985年)[6]、岡山石(Okayamalite・1997年)[7]、新潟石(Clinozoisite-(Sr)・2001年)[8]、東京石(Tokyoite・2003年)[9]、 大阪石(Osakaite・2006年)[10]、千葉石(Chibaite・2009年)[11]、岩手石(Iwateite・2013年)[12]、イットリウム三重石(Mieite-(Y)・2014年)[13]があり、愛媛閃石は7番目である。また、特定の鉱物グループに属することから発生する命名規則に従い、和名が「○○石」の形にならない鉱物名としては初の例である。