本書は「エロマンガ前史」として鳥獣人物戯画における性的なモチーフの存在を指摘する所から始まっている。本論においては、多様な図面を用いながらカストリ雑誌から始まる戦後から現代までのエロマンガの歴史を概観している。
論の中では春画や性愛文学、エログロナンセンスにも触れながら『劇画アリス』の編集長として著者自らも参画した1970年代末の三流劇画ブーム、1980年代のロリコンブーム、1990年代の美少女コミックと有害コミック騒動などにも触れている。
本書は著者の急逝により未完で終わっており、完結を目前にしながら絶筆となった遺作でもある。