排除アート
目的外利用を阻止するための構造物
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排除アート(はいじょアート、英語: Hostile architecture)とは、パブリックスペースが損壊されたり、予め想定された用途以外で使われたりしないよう、建造物に手を加えるアーバンデザインの造形物で、アーバンデザインにおける1つの手法である[1][2][3]。施設管理者によって犯罪やマナー違反防止の目的で設置され、意図した用途外で使われないようにするための設計手法である[2]。



排除アートは、都市住民の中でも社会的弱者を対象とし、その中でもホームレス排除が主要な目的であることが多く、しばしば物議をかもすものとなる[2][3]。座り込んだり、うろついたり、スケートボードをしたりすることを防ぐ意図を持って設置されることもあれば、意図せずにあらゆる公衆、とくに高齢者、障害者、子どもなどにとって都市空間を使いにくいものにしてしまうこともある[4][2]。その点で、排除アートにはバリアフリーの設計方針と対立する設計も含む。日本語の用語について、そもそも排除を目的とする障害物を「アート」と呼ぶべきではないとの意見もある[5]。
呼称
設置目的
ホームレス排除
野宿が困難になるよう鋲を平らな表面に打ち込むなどする「アンチホームレススパイク」など、ホームレスの人々に対する攻撃的な対策が最も典型的な排除アートの例である[8][9]。その他、ベンチに横になって寝転がれないような肘掛けを設置したり[7][2][10]、滑りやすい棒状の腰掛けにする、日除けに隙間を作り日差しや雨を凌げないようにするなどの手法がある[3]。
その他

ホームレス排除以外に排除アートが設置される目的としては、スケートボードの走行、ゴミのポイ捨て、無目的なうろつき、排尿などを防ぐことが普通である。窓台に人が座れないように傾けたり、「断続的に稼働するが、実際は何にも放水していない」スプリンクラーを設置するなどして、そのような行為を妨害する[12][13]。
歴史
批判
排除アートは批判を浴びており、規範的に認められているような行動以外はとれないようになり、公共空間を商業的で「ニセ公共」的な空間にし、設けられた物は「社会の分断をもたらす」ために使用していると言われている[17][18]。仕切りのあるベンチは使い勝手が悪いという指摘もある[2]。
評論家の佐々木敦は、「排除アート」という日本語について「路上生活者を排除するために公共スペースにしつらえられた障害物を「アート」と称するもので、そんなのはアートでもなんでもない[5]」と批判的なコメントを出している。
イギリスの芸術家であるスチュアート・センプルは、2018年に、周囲に排除アートを見つけたら、それを示すステッカーを貼るよう公衆に勧める啓発キャンペーンをソーシャルメディアで開始した[19][20][21]。
2023年には、日本の神奈川県平塚市で、市議会議員の活動により、平塚駅前に設置された仕切りのあるベンチの改修時に、仕切りのないベンチに交換された[2]。仕切りのないベンチに対し苦情は寄せられていないという[2]。
