肺の未成熟によって肺サーファクタントが欠乏し、肺コンプライアンスの低下から肺胞虚脱、肺血管抵抗増大の病態を呈する。発症は生後2〜3時間後であり、リスク・ファクターとして下記のようなものがある。
また、動脈管開存症(PDA)の併存が高頻度で見られることも知られている。
呻吟、多呼吸や努力性呼吸が見られ、チアノーゼを呈する。血液ガス分析では、PaO2の低下とPaCO2の増大とアシドーシスが見られる。胸部X線写真ではびまん性細網顆粒状陰影が特徴とされるほか、Bomsel 分類II型以降では気管支内の空気による透亮像(air bronchogram)、Bomsel分類 IV型ではすりガラス状陰影が見られる。
また、特徴的な検査として、羊水の小泡沫安定性試験(マイクロバブルテスト)がある。これは、サーファクタントが直径15μm以下のマイクロバブルを安定させることを利用したもので、100倍の顕微鏡下において、羊水では5/mm2未満,胃液では10/mm2未満のweakであれば、ほぼ確定診断となる。
治療は、人工サーファクタントの投与と呼吸管理による。この人工サーファクタントとしては、田辺三菱製薬のサーファクテンが多用されている。
サーファクテン1V(120mg)あたり生理食塩液4mLでよく懸濁し、120mg/kg(体重1kgあたり1V)を生後8時間以内に気管内に投与する。
肺内に行きわたるように、投与は4,5回に分けて行ない、1回ごとに体位変換する。
サーファクテンにおいて副作用は報告されていない。
また、動脈管開存症(patent ductus arteriosus, PDA)が併存している場合は、これに対する標準的な治療であるシクロオキシゲナーゼ阻害剤(インドメタシンなど)投与が行なわれる。
PDA 併存例の場合、RDS が治療によって改善すると肺血管抵抗が低下するため、動脈管を介しての左→右シャントが増大して心不全を来たす恐れがあることから、PDA の治療を並行して進めることが重要である。