鉄人28号
日本の漫画
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ストーリー
太平洋戦争末期に旧日本軍が、起死回生の秘密兵器として開発していた巨大ロボット「鉄人28号」。この鉄人を生み出す過程で造られた21号から27号[注釈 2]が、戦後10年以上経った日本に突如現れ、連続強盗事件(「鉄人事件」)を起こして世間を騒がせた。
いったいどこからやって来るのか、誰がロボットを操っているのか、警察が必死の捜査を続ける中、ついには鉄人28号までもが世に解き放たれて暴走し、市街地で破壊の限りを尽くす。すると、その恐るべき力に目を付けた悪漢や犯罪組織、さらには外国のスパイ団が入り乱れて、鉄人を自由に操れる小型操縦器(リモコン)を巡っての争奪戦を繰り広げ、主人公の少年探偵・金田正太郎もその渦中に巻き込まれる。
なお、原作漫画は単行本にまとめられる度に大幅な加筆修正が施され、エピソードや描写の取捨選択が行われていることから、それぞれにおいて設定やストーリー・登場人物や事件の顛末に差異が生じている。このため原作を元にしたテレビアニメ第1作を含めて、どのヴァージョンでの説明であるか注意が必要となっている。本項では原作漫画の初出である連載版を基本として適宜その他のヴァージョンの解説を加えているほか、派生作としてのアニメ版や実写版、ゲーム版などについても簡単に補足している。
概要と作品の背景
漫画連載と同時代の昭和30年代(1955年 - 1964年)の日本を舞台に、操縦器の保持者次第で善にも悪にもなるロボットを巡り、少年探偵と悪人たちの攻防を描く物語。原作漫画を連載した月刊『少年』では手塚治虫の『鉄腕アトム』とならぶ看板作品として[注釈 3]10余年にわたる長期連載となり、最初のテレビアニメ化作品(モノクロ)は最高視聴率31.5%を記録する[1]など、大人気を博した。後の時代にもリメイクを繰り返し、何度も映像化された人気作品であり、『マジンガーZ』を初めとする多くの日本の"巨大ロボットもの"漫画やアニメに強い影響を与えている。
インタビューやエッセイにて作者である横山が語ったことによると、鉄人28号のデザインは西洋の甲冑から、コンセプトは映画『フランケンシュタインの復讐』から、ネーミングは地元神戸を大空襲で焼け野原にしたB29から着想を得ているという[4][5][6]。また、主人公・金田正太郎の名前のモデルは、元読売ジャイアンツ(連載開始当時は国鉄スワローズ)投手の金田正一[4][7]、大塚署長の名前は、雑誌『少年』の発行元である光文社の隣にある大塚警察署(文京区)に由来する[8]。
鉄人はイメージの元が上述のようなものであったことから、当初は巨大で破壊の限りを尽くす「破壊の象徴」であり、「悪の権化」のロボットだった[5][注釈 4]。そのため最後には少年探偵・金田正太郎によって、溶鉱炉で溶かされて倒されるという結末が考えられており[4][12][13]、短期連載の予定であった[14]。ところが連載第1回の掲載誌『少年』での読者アンケートにおいて5位、第3回では3位、連載が1年を迎えるころには1位を獲得するまでの人気作となって、長期連載へと物語が組み替えられることになった[15][16]。本作はもともと“少年探偵もの”であったが[注釈 5]、鉄人と怪ロボットとの戦闘が好評を博したため、次第に“ロボットもの”としての性格を強くすることになり、さらに読者から「悪人をこらしめる鉄人の活躍がみたい」との要望が多く寄せられたことから[12]、こうした意見に押されて[19]、正義の味方へと変貌していくことになる。
なお、連載初期においては、"鉄人28号と思われたロボットが実は27号だった"というトリックが仕掛けられており、後に本物の鉄人28号が登場して、読者を驚かせている[注釈 6]。
歴史
- 1956年:漫画『鉄人28号』が月刊誌『少年』で連載開始される。
- 1959年:ラジオドラマ『鉄人28号』がニッポン放送で放送される(放送メディアでの作品化はこれが最初)。
- 1960年:実写版テレビドラマ『鉄人28号』(白黒テレビドラマ全13話)が日本テレビ系で放送される。スポンサーは日立製作所。
- 1963年:テレビアニメ第1作『鉄人28号』(白黒アニメ全96話97回[注釈 7])がフジテレビ系で放送される。スポンサーは江崎グリコ・グリコ乳業。
- 1966年:上記作品がニューヨークのテレビ局・WPIXから放送される[2]。アメリカ版タイトルは「GIGANTOR[1](ジャイガンター[2])」。同年、原作、アニメ第1作が連載&放送終了。
- 1976年:月刊少年ジャンプにて永遠の名作シリーズと打たれて「鉄腕アトム」「オバケのQ太郎」と共に新作読切を掲載。これが最後の横山自身による鉄人28号の漫画作品となった。
- 1978年:ラジオドラマ『鉄人28号』がニッポン放送キリンラジオ劇場で放送される。
- 1980年10月:テレビアニメ第2作『鉄人28号』(全51話)が日本テレビ系で放送される。旧作や派生作と区別するために便宜上、『太陽の使者 鉄人28号』とされることが多い。
- 1992年4月:テレビアニメ第3作『超電動ロボ 鉄人28号FX』(全47話)が日本テレビ系で放送される。
- 1999年12月:ワンダースワン用ゲーム『鉄人28号』が発売される。
- 2004年:漫画『鉄人28号 皇帝の紋章』(原作:横山光輝、漫画:長谷川裕一)が『月刊マガジンZ』で連載。
- 2004年4月:テレビアニメ第4作『鉄人28号』(全26話)がテレビ東京系で放映される。
- 2004年7月:プレイステーション2用ゲーム『鉄人28号』が発売される。
- 2005年3月:45年ぶりの実写での特撮映画『鉄人28号』が松竹系にて公開(冨樫森監督)
- 2005年11月28日:原作完全版(全24巻、毎月28日発行)刊行開始。
- 2006年:漫画『鉄人奪還作戦』(原作:横山光輝、漫画:さとうふみや)が『マガジンSPECIAL』で連載開始。
- 2007年3月31日:劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』(監督:今川泰宏)が公開。
- 2013年4月6日:テレビアニメ第5作『鉄人28号ガオ!』がフジテレビで放送される。
登場人物
主人公とその周辺
- 金田 正太郎(かねだ しょうたろう)
- 演 - 内藤正一(テレビドラマ)、池松壮亮(映画)
- 声 - 高橋和枝(第1作、ラジオドラマ1978)、山田栄子(第2作)、田中秀幸(FX)、折笠愛(FXにおける少年時代)、くまいもとこ(第4作)、齋藤智美(ガオ!)
- 本作品の主人公の少年探偵。快活で、機敏な行動力と大人顔負けの推理力と発想で事件を解決する。格闘において大人にも引けを取らぬ高い身体能力の持ち主である[22][23]一方、クロロホルムや犯罪者たちが舌を巻くほどの拳銃の名手でもあり[24][25]、投げつけられた空中の手榴弾を狙撃してみせたこともある[26]。また、自動車の運転にとどまらず、プロペラ機[27](テレビアニメ第1作第12話)を操縦したり、ジェット戦闘機に乗り込んだり[注釈 8]、ヘリコプターの操縦[31][32](テレビアニメ第1作第11話)や潜水作業などをも率先してこなす[33][34][35][36]。「鉄人事件」以前から少年探偵として名を馳せ、警視庁にも出入りして犯罪捜査に協力していた。ギャングなどの犯罪者やスパイ組織と鉄人の争奪戦を繰り返すうちに、やがてその操縦者として悪に戦いを挑んでいくようになる。
- 大きさの異なる円筒を積み上げた形をした、地上2階・地下1階の洋風の邸宅に一人で生活しているが、なぜひとり住まいなのかは不明[注釈 10](この邸宅の地下には邸内監視システムを備えた秘密の指令室があり、応接間の作り付けのソファに擬装された階段から降りる[39][40][41][42][注釈 11])。普段はブレザーと半ズボン、そしてネクタイを締めている。初期の愛車はクーペタイプのアルファ・ロメオ ディスコ・ボランテ[43]。重馬敬・著の小説版では緑色のトライアンフTR3Aを使用。
- テレビアニメ第1作では原作漫画版と異なり、敷島博士とは「鉄人事件」で初めて出会ったのではなく、父・金田博士の臨終にも大塚署長を含む3人で立ち会うほどの親しい間柄であった(第1話)。その敷島博士に“三角岳”の秘密研究所へ案内されて、鉄人28号と引き合わされた際、折悪しく鉄人を狙って侵入してきた“乗鞍岳の覆面の科学者(白覆面の男)”や“PX団”の襲撃を受ける、といった経緯こそやや原作漫画と異なるが(第1話)、以降の鉄人を巡る犯罪者やスパイ組織との争奪戦に巻き込まれていく展開はほぼ同様で、正太郎自身が以前から少年探偵として名を馳せていた点(第2話)や、普通自動車を運転したり銃の名手であるなどといった基本的な設定もほぼ変わらない[注釈 8]。物語中盤には鉄人28号の専任操縦者との立場が定着し、日本にとどまらず世界中を飛び回って活躍する。
- テレビアニメ第2作では探偵ではなく、I.C.P.O.の特別メンバーであり、拳銃の使用こそ認められていないが(麻酔銃であるリゴール・ガンの携帯が許されている)、普通自動車の特別免許を所持している。詳細は『太陽の使者 鉄人28号』の登場人物「金田正太郎」を参照。
- テレビアニメ第3作では生年月日が1950年3月25日の52歳とされ[44][45][注釈 12][注釈 17]、成人として登場。榊財団の社長令嬢で天才女性科学者の榊陽子[注釈 18]と結婚し、長男・正人(第3作の主人公)をもうけたとされている。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』では、母違いの同名の兄・ショウタロウ[注釈 19]が登場する。
- 実写版テレビドラマには姉と叔母が登場している。
- 携帯型ゲーム(ワンダースワン)版では、父・金田博士の命日に敷島博士に呼び出され、「巨大ロボットによる犯罪が増加する未来に備えていた金田博士の遺志を継いで欲しい」として、遺された設計図を元に造り上げたという鉄人28号を託される。突然のことに動揺する正太郎だったが、鉄人を操って悪に立ち向かうことを決意する[注釈 20]。原作漫画と異なり、父の親友であった敷島博士とは昔からの知り合いである一方、大塚署長とは以前から懇意であることや(ゲーム内テキストより)、元から少年探偵である点は原作と同様である[56]。
- なお、正太郎の名前が「ショタコン」という少年愛を意味する語源となったという説がある。当該項目を参照。
- 敷島(しきしま)隆[57][58]
- 演 - 美川洋一郎(テレビドラマ)
- 声 - 矢田稔[注釈 21](第1作)、金内吉男(第2作)、牛山茂(第4作)、山本兼平(ガオ!)
- 物語中では基本的に敷島博士と呼ばれる、鉄人28号を開発した科学者。普段は冷静沈着で穏やかな性格であり、あたかも大学教授のような面持ちであるが、時には犯罪者との格闘も辞さず[60]、銃を持って行動したり、爆破作業もこなすなど[61]意外とアクティブで武闘派な面がある。正太郎にとって模範的な父親のような存在であり[注釈 22]、鉄人やその操縦器の修理・整備にとどまらず、犯罪捜査のための様々な機器の開発や助言など、公私にわたって正太郎への協力を惜しまない。
- 太平洋戦争時、軍の命令で、乗鞍岳[注釈 23]山中の地下にある秘密研究所で[注釈 24]、鉄人28号の開発に携わっていたが完成させることができず断念[注釈 25]。その後、南国のとある島の秘密兵器工場で兵器開発に従事していたところ、アメリカ軍の爆撃によって施設が壊滅[注釈 26]。奇跡的に生き残って近くの島(キム・ノヴァック島[注釈 13])に渡り、9年間隠れ住んでいた(10年目にインドに渡って、初めて終戦を知ることとなる)。そのため家族や関係者からは戦死したものと思われていたが、日本で鉄人を使った事件が続発していることを知って極秘裏に帰国し、独自に事件を追っていた[47]。
- かつて鉄人28号の開発に携わっていたものの、敷島博士自身はその完成を断念[注釈 25]したままであり(上述のとおり、鉄人事件が起きるまで戦後はずっと海外に居た)、あらためて28号をほぼ完成にまでこぎつけたのは、後述の“乗鞍岳の覆面の科学者(白覆面の男)”である。しかし、後のテレビアニメ化で共同開発者として正太郎の父・金田博士が設定された(第1話)ことに伴って、アニメ放映中に発行されたカッパ・コミクスにて「敷島博士は金田博士とともに、南方の孤島の秘密科学兵器研究所で鉄人28号の開発に取り組んでいたが、米軍の爆撃によって施設は壊滅し研究成果をすべて失ったものの、諦めきれなかった金田博士に協力して研究を継続し、終戦から10年後の昭和30年の秋に、ついに28号を完成させた」という内容に改訂されている[37][67][68][注釈 27]。
- 正太郎と出会ってからは良き理解者として助言を与え、鉄人の修理から科学犯罪の分析にと多岐にわたって協力を惜しまず、活動を共にする。その一方、鉄人開発者として自身が事件の標的になることも多かった。既婚者で、息子の「鉄雄」は(正太郎と敷島が知り合う以前からの)正太郎の友人でもあるが、これはまったくの偶然である。
- 原作の序盤には敷島博士の父親と思われる敷島老人が、自宅に侵入してきた強盗の操るロボット26号に殺害されているが[注釈 28]、この展開が描かれたのは初出である連載時の原作とそれに準じた単行本のみで[74]、カッパ・コミクス以降の改訂版や他のいずれの映像作品にも登場しない人物である。
- 実写版テレビドラマでは、娘のみよ子、兄の敷島技師と敷島技師の妻が登場するが、実写版オリジナルの人物である。
- テレビアニメ第1作では、戦時中に軍から「ロボット軍隊を造れ」との命令を受けて、“三角岳”にある秘密研究所で金田博士とともに鉄人28号を造り上げたが、完成した時には戦争は終わっていたという。こうした経緯から、「鉄人事件」で初めて正太郎や大塚署長と出会った原作漫画版と異なり、3者とも旧知の仲らしく、病院での金田博士の臨終にも皆で立ち会っている。金田博士の没後、その偉業を正太郎に紹介しようと、今は閉鎖されている秘密研究所へと案内し、保管されていた鉄人28号と引き合わせたことが物語の発端となっている。(以上、第1話)
- テレビアニメ第2作では志半ばで殺された金田博士の遺志を継いで、開発中だった鉄人28号を完成させた高名な科学者として登場する(孤児となった正太郎の育ての親でもある)。また、息子の鉄雄に代わって、牧子(ニックネームはマッキー)(声 - 滝沢久美子)という娘がおり、正太郎のガールフレンドとなっている。
- テレビアニメ第3作では、鉄人28号を金田博士と共同開発した人物として名前が挙げられている(第24話)ほか、回想シーンで敵ロボットを分析して正太郎にアドバイスする姿が登場している(第33話)。
- テレビアニメ第4作では金田博士のもとで鉄人28号の開発を手伝っていたが、南方の秘密研究所からの復員後は、敷島重工を興して戦後の日本経済の発展に貢献するとともに、鉄人計画を継承して27号の開発に取り組んでいた。ふだんは落ち着いた物腰の理性的な科学者然としているが、金田博士や鉄人28号を妄信している節があり、時折、狂気的とも言える言動も見せている(第2話など)。しかし、その敷島博士さえもが、太陽爆弾を動力として内蔵していたことが発覚した鉄人を危険視し、葬ろうとする(第25話)。
- 携帯型ゲーム(ワンダースワン)版では、親友であった亡き金田博士が「来るべき巨大ロボットによる犯罪が増加する未来」開発していた鉄人28号を、遺された設計図を元に造り上げた優秀な科学者である[注釈 20]。そのため正太郎とも親交があり、父である金田博士の想いを受け継いで欲しいと鉄人を託す。
- 実写映画版には登場しない。
- 下の名前はテレビアニメ第1作では原作と同じく“隆”[58]、実写版テレビドラマでは“俊夫”[75][76][77]、テレビアニメ第2作では“大次郎”[78][79]となっている(テレビアニメ第4作ならびに劇場版アニメ『白昼の残月』では、下の名まえは明らかにされていない)。
- 大塚(おおつか)署長
- 演 - 有木山太(テレビドラマ)、柄本明(映画)
- 声 - 富田耕生[注釈 21](第1、2作、ラジオドラマ1978)、稲葉実(第4作)、松山鷹志(ガオ!)
- 警察官として敏腕であるが推理力では少年探偵の正太郎にかなわず、正太郎とはホームズとワトソンを髣髴とさせる関係でもある。正太郎にとっては父親ではなく親戚のおじさんのような存在だが、署長は正太郎を息子のように大事に思っている[62][80]。既婚者で子供はいないようだが、妻の加代子[81]はかなりの美人である[82]。
- 正太郎以上に感情の起伏が激しく、大いに泣き・笑い・怒るのであるが、常に冗談や場を和ませる笑いを振りまき、ムードメーカーでもある。率先して現場で前線に立つ行動派であり、上官として部下の信頼も厚い。警官としても人間的にも正義感溢れる好人物。
- 初期は「大塚」という苗字は付いておらず劇中でも「署長」とだけ呼ばれていた[注釈 29]。丸の外警察署の署長であったことは確認できるが[85]、後に警視庁にも一室を与えられるようになっており、どのような立場なのか正確な役職・階級を含めよく判らない[注釈 30]。なお、テレビアニメ第2作[注釈 31]と第3作[注釈 32]では「大塚署長」ではなく、「大塚警部」である。
- テレビアニメ第1作では、「鉄人事件」で初めて敷島博士と出会った原作漫画版と異なり、正太郎ともども旧知の仲らしく、病院での金田博士の臨終にも3人で立ち会い、その後の三角岳の秘密研究所へのヘリコプターでの遠出にも同行している(第1話)。その他のキャラクター設定は原作漫画と大きくは異ならない(ただし、加代子夫人は未登場)。
- 実写映画版では“雄之助”という名で[89][90][91]、署長ではなく警視庁特殊捜査課の課長であった[89][90]。
- 村雨一家
- 村雨兄弟を中心に構成される犯罪集団。都内を中心に押し込み強盗などや密輸取引まで行っているが、無駄な血は流さず、身内の義理堅さは古いタイプのヤクザ映画のそれである。当初は村雨兄弟と「辰(辰五郎)」[注釈 33]による三人組のギャングであったが、辰の死後は仕事に合わせて手下も代わっていることから、組織としての詳しい規模や構成は不明。敷島邸に金品を狙って押し入った際に、偶然鉢合わせた別の強盗の操るロボット26号に[注釈 28]辰が殺されたことで、鉄人事件の渦中へ関わっていくことになる。
- なお、正確には“村雨一家”という呼称はテレビアニメ第1作(第1話)や後年の作品(とりわけテレビアニメ第4作)などで用いられたもので、原作漫画では使われていない。
- 村雨 健次(むらさめ けんじ)
- 演 - 川喜多雄二(テレビドラマ)、高岡蒼佑(映画)
- 声 - 久野四郎→安藤敏夫(第1作)、幹本雄之(第4作)、山本兼平(ガオ!)
- 正太郎のライバルとして登場。ギャングの一味であり、初期は鉄人をめぐっての対立があったのだが、外患にさらされた日本や正太郎の危機を説く大塚署長から、日本人としての心情に訴えかけた説得を受けたことで改心し[93]、途中から味方となる。鉄人に対する憎悪は後のテレビアニメ第4作のように強くなく、鉄人事件がひとまず決着して以降は(竜作の特攻で鉄人が海中に没した後は)復讐に執着している様子はない。
- 当初は敵対していた正太郎に対しても、いつしか敵ながら好感を抱くようになっており[注釈 34]、何度となく手を貸したり共闘したりした。頭目である兄・竜作の死後しばらくは、弟である健次が頭目のような位置に就いて組織運営は行われていたようだが、さらわれた正太郎救出のために警察に情報提供をしたことで裏社会から狙われ[注釈 35]、襲撃を受けたりもしている[96]。
- その後は警察に協力してニコポンスキーを追いつめたり、スリル・サスペンスの部下たちの動向を正太郎に報せたりもしたが、次第に漫画の中では出番が無くなり、存在もうやむやになってしまっている。
- テレビアニメ第1作ではギャングの村雨一家のひとりとして、以前から大塚署長には目を付けられていた[注釈 36]。兄・竜作が鉄人の暴走に巻き込まれて死亡したために、その敵討ちのためにダイナマイトを投げて鉄人を海中に落下させたことで(第1、2話)、ひとまず復讐心には区切りがついたのか、以後は執着を見せていない。正太郎がS国スパイ団に誘拐された際に、原作漫画と同様に狭量な考えを改めるよう大塚に諭され、日本人としての心に訴えかけられてからは(第3話)、正太郎たちに協力する主要キャラクターとして最終話まで活躍する[注釈 37]。当初は粋がって乱暴なべらんめえ口調で喋っていたが、物語中盤からはほとんど使わなくなり、言葉遣いもかなり改まっている[注釈 38]。
- テレビアニメ第4作では元・陸軍諜報部員という設定が加わっている(第1話)。銃を使わない主義であるため、ナイフを武器としている。こちらでも主要キャラクターとして最終話まで活躍する。兄・竜作と辰を鉄人によって失ったために復讐心に囚われ、鉄人(と正太郎)に執拗につきまとう。物語後半では高見沢[注釈 39]と恋仲になる。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』では、兄・竜作と高見沢[注釈 39]との3人で村雨一家として悪事を働いているが、基本的に正太郎側の人間として活躍。村雨一家から誰も犠牲が出ていないため、鉄人に対する遺恨も無く、極めて陽性のキャラクターとなっている。また、高見沢に惚れていて日頃からアプローチを試みているが、つれない態度をとられている。
- 実写映画版では“研二”という表記の[89][90][91]、警視庁特殊捜査課の刑事となった[89][90]。先輩である同僚の江島香奈刑事に気があって、ちょくちょくモーションをかけるものの全く相手にされない、軟派で軽い青年である。
- 実写版テレビドラマでは当初、オープニングクレジットで「村雨健二」と表示されていたが、途中から「村雨健次」と改められていることから誤植だったものと思われる。
- テレビアニメ第4作をベースとしたプレイステーション2用ゲームでは、アニメ版と同じく元・陸軍諜報部員であり、ナイフの使い手として[97][98][99]X団を相手に大立ち回りを演じる。家族を戦争に巻き込まれて失っているため兵器を嫌い、鉄人に対しても嫌悪感を抱いているが、アニメ版のように兄・竜作や辰が直接鉄人に関わって死んだ訳ではないことから(竜作も辰も本ゲームでは存在しない)、鉄人そのものにアニメ版ほど激しい憎悪を抱いておらず、同様に正太郎個人に対しても特に含むところは無い。X団のロボットによって壊されてゆく街を見て怒りと焦燥感を募らせていたところ、鉄人がこれらを撃退したことで認識に変化が生じ、X団に操縦器が奪われてしまった際には単身乗り込んで取り戻し、正太郎の元に届けている(これを機会に「村雨さん」「正太郎君」と呼び合う仲になっている)。その後、X団の拠点(ミサイル基地)に乗り込んだ大塚署長と正太郎の窮地にも駆けつけ、基地の壊滅に一役買っている。
- なお、テレビアニメ第4作(第8話など)や漫画『鉄人28号 皇帝の紋章』[100]、漫画『鉄人奪還作戦』[要ページ番号]では、「不死身の村雨」を名乗ることがある。
- 村雨 竜作(むらさめ りゅうさく)
- 演 - 河野弘(テレビドラマ)
- 声 - 若本規夫(第4作)、山本兼平(ガオ!)
- 世間を騒がすギャング団である村雨一家のボス。村雨健次の兄。
- 敷島邸に強盗に入った時、鉢合わせた別の強盗に奪った金品を横取りされ、しかもその強盗が連れていたロボット26号によって、三人組のひとり・辰[注釈 33]が殺されたことから仇討ちを決意する。
- 後に28号の操縦器を巡ってPX団と正太郎らが戦っているところに介入、PX団の持つ操縦器を奪うことに成功するも、撃たれて瀕死の重傷を負ってしまう。自分の死を悟った竜作は、操縦器を持ったまま乗用車で特攻して鉄人とともに海に落下し、死亡する。
- テレビアニメ第1作では、暴走した鉄人28号が東京で暴れる[注釈 40]ドサクサに紛れて銀行強盗を働いている最中に、その鉄人の破壊活動に巻き込まれてしまい、瓦礫の下敷きとなって死亡している(第1話)。
- テレビアニメ第4作では、特攻隊の生き残り(特攻崩れ)で復員後、世間の「脱・戦後」の波に乗りあぐねたという設定がつけられた(第1話)。突如東京に現れた鉄人の暴走に巻き込まれ、原作同様に鉄人に対して特攻して果てている(第1話)。なお、その時の車は、ダイハツ・ミゼットであった。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』では、ショウタロウ[注釈 19]とは特攻隊の同期であったことが語られた。同作では“大鉄人”に挑むショウタロウを複葉機を操って支援するなど随所で活躍し、最後まで生存している。
- さとうふみやによるリメイク漫画『鉄人奪還作戦』では“村雨龍作”表記である[101]。カラーページに登場したり、投げナイフで正太郎を助けるなど出番がかなり多い(その反面、健次の出番は少なめ)。
- 演 - 山内修(テレビドラマ)
- 声 - 関智一(第4作)
- 村雨一家の配下、もしくは兄弟のうちのひとり[注釈 33]。敷島邸を襲撃した際、覆面の科学者が造ったロボット26号に襲われて[注釈 28]死亡。彼の死が、村雨一家を鉄人事件に巻き込ませることになる。原作では前髪を長く垂らし、鼻が高く尖った細面のスマートな青年であるが、アニメでは(登場するテレビアニメ第1作、第4作とも)丸顔で、原作とはキャラクターデザインが変わっている人物[注釈 42]。
- テレビアニメ第1作では村雨健次が正太郎たちと行動を共にするのに伴い、登場しなくなる。村雨竜作を「親分」と呼んでいることから(第1話)、村雨兄弟の末弟という説には当てはまらない[注釈 33]。
- テレビアニメ第4作では村雨兄弟に面倒を見られて育った元・戦災孤児であり、弟分として実の兄弟のような間柄であったが、起動直後の鉄人28号に握り潰されてしまい死亡している(第1話)。
- 実写版テレビドラマでは村雨三兄弟[76]の末弟・村雨辰五郎という設定となっており[注釈 33]、第1話で鉄人28号に殴り殺されている。
- 源公(げんこう)
- 村雨一家の配下。村雨健次からは「源公」と呼ばれているが、「公」は愛称で名は「源」である可能性がある。捕まった健次のために保釈金を工面し、警察署の前まで迎えに現れる[96]。その後、警察に密輸に関する情報を漏らしたために裏社会から狙われることになった健次とともに、S国スパイ団の連絡所である山小屋に偶然逃げこんでしまって災難に遭う。以後、特に登場しない。
- 金田(かねだ)博士
- 演 - 阿部寛(映画)
- 声 - 池田勝(第2作)、飯塚昭三(第4作)
- 原作漫画の連載時には存在しなかったキャラクターで、テレビアニメで作られた設定に合わせて後付けで単行本(カッパ・コミクス第4巻[37])刊行の際に描き加えられた[67][68]。
- 金田正太郎の父親にして、鉄人28号の開発者。戦中に南方の孤島にある日本軍の秘密科学兵器研究所で、敷島博士とともに鉄人28号の開発に携わっていた。その事態を察知した米軍の爆撃によって研究は灰になってしまったが、もともと戦争とは関係なく情熱を注いでいた鉄人28号の完成を諦めきれず、敷島博士の協力のもと開発を継続、終戦から10年後の昭和30年(1955年)秋に完成に至っている[37][注釈 27]。その後いっさい作中に登場しないまま故人となっているが(原作漫画において「この金田博士こそ正太郎くんのなき父親だったのです」との一文がある[37])、死因を含め鉄人28号の共同開発者という以外のプロフィールがほぼ明らかにされていない。
- テレビアニメ第1作では第1話冒頭、病院のベッドの上で、正太郎や大塚署長・敷島博士に看取られて亡くなっている(これも死因は明らかでない)。戦時中に軍の命令でロボット軍隊の開発に従事し、敷島博士とともに三角岳の秘密研究所で鉄人28号を完成させていた。なお、その容姿は白髪の年配者で、原作漫画とはまったく異なる[注釈 43]。
- テレビアニメ第4作では、戦争中に「鉄人計画」をまかされた天才科学者で[注釈 44]、不乱拳博士も認める人物であった(第5話)。新元素バギュームの可能性に気がつき研究をしていたが、ビッグファイア[注釈 45]博士の謀略でバギュームを用いた太陽爆弾を鉄人の根幹の動力として完成させてしまい、これを畏れて鉄人28号を闇に葬ろうとする。自らと鉄人を葬るためにリークした連合軍の爆撃によって死去。遺骨は敷島博士が復員した際に持ち帰られたようである(第1、2話)。南方の島には住人の手で作られた墓があり、人柄が偲ばれる描写となっている(第23話)。デザインは原作(カッパ・コミクス版)準拠であり、テレビアニメ第1作とはまったく異なる容姿をしている。
- 実写映画版では、正太郎の父・金田正一郎と祖父の正吾郎[89][106]とにキャラクターが分割されている。もともと鉄人28号は正吾郎によって軍事用ロボットとして設計され、戦後、正一郎によって平和利用を目的として改良を重ねられ完成したものである。なお、正一郎は正太郎が3歳の時に実験中の事故で死亡している。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』では、京都に妾が存在していたことになっている。この妾との間に生まれたショウタロウ[注釈 19]を後に養子という形で金田家に迎え、長じては南方の旧日本軍の秘密研究所に呼び寄せ、鉄人28号のパイロットとしての訓練を施しつつ、ともにその開発に取り組んだ。テレビアニメ第4作と異なり、鉄人28号を危険視する描写は無く、また、正太郎の誕生を(そもそも妻が身籠っていたことを)知っていたかどうかも不明である。
- 敷島 鉄雄(しきしま てつお)
- 声 - 根谷美智子(第4作)、知桐京子(第5作)
- 敷島博士の一人息子。正太郎の数少ない同世代の友人(親友)である。正太郎が「鉄人事件」で敷島博士と知り合う以前からの仲であるが、これはまったくの偶然である。自宅の物置小屋に残されていた手提げ金庫の中から、父・敷島博士の(鉄人28号開発に関する)日記帳と小型〇八一五号を発見し、これを正太郎に引き渡して連続ロボット強盗事件の背景を探るヒントを与えている[107][注釈 46]。登場するのは序盤の数回に限られている。
- テレビアニメ第1作でも原作漫画同様に影の薄いキャラクターではあるが、とりわけオリジナル展開となった第27話以降は折に触れて顔を見せており、やはりそれほど重要な役回りではないものの、原作漫画よりは出番がある(第14、27、19、40、41、70、71、82、83、95、96話など)。敷島博士が戦後10年間帰国できずに生死不明だった原作漫画と異なり、博士と正太郎が旧知の間柄であることから、博士が残した日記を鉄雄が発見するというエピソードは無い。
- テレビアニメ第4作では、正太郎よりはるかに年下の少年となっており、敷島博士の偽装自殺絡みのエピソードでわずかに登場する(第18、24話など)。
- 敷島夫人
- 声 - 谷育子(第2作)、島本須美(第4作)
- 敷島博士の妻。鉄雄同様に、登場するのは序盤の数回に限られる影の薄いキャラクター。容姿は大塚署長の妻である加代子夫人と酷似している。
- テレビアニメ第1作では、原作漫画よりは登場回数は多いものの、顔見世程度にとどまる(第14、19、27[注釈 47]、40、41、71[注釈 48]、76、83話など)。
- テレビアニメ第2作では歌子という名前がある[78][109][110]。原作漫画やテレビアニメ第1作とはまったく異なるキャラクターである。
- テレビアニメ第4作にも登場するが、やはりさほど出番はない。(死んだと思われた)敷島博士の葬儀の後は(第18話)、敷島重工の事実上の名誉会長(のようなもの)となっている(第21話)。
悪役(悪の組織)などゲスト・キャラクター
- 乗鞍岳の覆面の科学者(白覆面の男)
- 戦後、乗鞍岳[注釈 23]山中の地下にある秘密研究所で、15年をかけて[注釈 16]独りで鉄人を造り上げた人物[注釈 24]。詳しいことは謎に包まれている上に、普段から顔を覆い隠す白い布を被っているために素顔も不明。名前も判明していないため、便宜上のものである。
- 如何なる理由からか[注釈 49]、26号や27号などを使ったロボット強盗団として金銭や機械の強奪事件を起こしていたが[注釈 28]、鉄人に興味を持った犯罪者たち(PX団)や正太郎たちに研究所に乗り込まれ、完成直前の28号を強引に起動させられたあげく奪われてしまう。その後、成り行きからPX団と手を結んで28号を国外に持ち出そうとして失敗、警官隊との銃撃戦の中で命を落とした(と思われる)[111][112]。
- 戦後、乗鞍岳の秘密研究所にて鉄人28号を独力で造り上げたが[注釈 50]、その目的が何だったのか、何らかの信条や政治的意図があったのかは明かされておらず(単に「鉄人28号を完成させること」にあったのか、それとも完成後の28号に何かをさせる目的でもあったのか)、真意は不明である。正体は最後まで判らなかったが、おそらくは元・鉄人開発チームの研究者のひとりで、南国の秘密兵器工場爆撃から実は生き残っていた誰かであろう、と敷島博士に推測されている[47][注釈 51]。
- なお、“敷島博士”の項で記述したとおり、後のテレビアニメ化とそれに伴うカッパ・コミクスへの収録の際に、“鉄人28号は戦時中、南方の孤島の秘密科学兵器研究所で、金田博士や敷島博士らによって研究開発が進められていたが果たせなかったもので、両博士が戦後も研究を継続した結果、昭和30年の秋に完成させた”と設定が変更された[37][67][68]ことによって、鉄人28号の製作者ではなくなっている[注釈 27]。
- テレビアニメ第1作でも「白覆面の男」として登場するが[注釈 52]、原作漫画と異なり、鉄人28号を戦後に独力で完成させた製作者という設定ではない。単に鉄人28号を手に入れるために白覆面の姿で三角岳の秘密研究所に潜入し、敷島博士や正太郎を脅迫する人物である。その正体は戦時中、金田博士や敷島博士の助手として、鉄人28号の開発に従事していた黒沼博士。しかし、折悪しくPX団も研究所を襲撃してきたため、その場にあった27号[注釈 53]を起動させて対抗した結果、鉄人28号の起動・暴走を招く(以上、第1話)。その後、成り行きからPX団と行動を共にすることになってしまい、27号を操って28号を強奪しようとするも失敗し、PX団の壊滅とともに消息不明となる(第2話)。しかし、2年後になって突如再登場(第94話)。PX団と関係のあったゴールドウルフに、一人娘を盾に脅されて協力を強いられていることが発覚する[注釈 54]。事情を知った正太郎たちの尽力で囚われの身から救出され、身柄を保護されていた娘と無事に再会する(第96話)。
- 実写版テレビドラマでも同様に「覆面の男」として登場。その正体は、戦時中に法師が岳の秘密研究所で敷島博士らとともにロボットの研究をしていた人物で、花井という名(第7話)であった。かつて未完成に終わった鉄人28号を自らの手で完成させる夢に憑りつかれ、そのためには悪事に手を染めることも厭わなくなっていた(第7話)。しかし、鉄人の存在を世間に知らしめてしまったことで悪人たちに目を付けられ、QX団に秘密研究所を襲撃されて村雨一家や警察も入り乱れての鉄人争奪戦となってしまい、その最中に村雨竜作から受けた銃弾で致命傷を負う。今際の際に、敷島博士に道を踏み外してしまったことを懺悔しつつ、病院のベッドで息を引き取った(第7話)。
- PX団(P・X団[注釈 55])
- 国際的な巨大密輸組織[48][115]。世界中に数千人以上の団員が散らばっており、その総数は計り知れないという[115]裏社会では有名な巨大組織でありながら、主にヨーロッパを中心に活動しているため、日本ではあまり知られていない[116]。ジェット機や潜水艦など、簡易的な軍事力も有し、世界規模の組織犯罪を起こしている[115]。団員が捕まるなどして秘密が漏れそうになると口封じのため即座に暗殺してしまうため、その実態は謎に包まれている[117]。鉄人28号を手に入れて密輸に利用しようと企み[48][117]、正太郎とクロロホルム、果てはS国スパイ団と事を構えているうちに追いつめられて日本支部はほぼ壊滅してしまう。なお、国外の本部へ脱出しようとした日本支部長は、乗っていたジェット機を国籍不明のジェット機部隊によって撃墜され[118]、海上で救助を待っているうちにフカ(鮫)に食べられるという悲惨な末路を辿っている[注釈 56]。また、このとき支部長を救助に向かった潜水艦は、巡視船と遭遇して交戦の末、撃沈されている。
- テレビアニメ第4作ならびに劇場版アニメ『白昼の残月』では、ベラネード財団の裏の顔である(ベラネードに率いられた)巨大な犯罪組織となっている。
- 実写版テレビドラマではQX団となっている。
- クロロホルム
- 演 - 三田村隆介(テレビドラマ)
- 声 - 西村知道(第4作)
- フランスから来た有名な探偵。PX団を相手に活躍していた経験から、日本警察に協力するために来日した。自分の能力にそうとうの自信を持っているためかプライドが高く、来日した当初は正太郎を子供扱いし、子供に頼る日本警察を見下していた。しかし、自身を上回る銃の腕前を正太郎に見せつけられたことで、すぐにその認識を改めて良き協力者になる[24][注釈 57]。その後PX団が壊滅した後もなしくずし的に日本に留まり、正太郎たちに協力してS国スパイ団との攻防にも関わっていくが、影武者として使っていた助手のニコポンスキーが実はS国のスパイだとは気付かず、逆に自分が影武者に使われるという失態を演じてしまう。以降もニコポンスキーに翻弄され続けるうちに次第に影が薄くなり、シャネル・ファイブの情報を得てスペード・ホテル6号室に正太郎とともに乗り込むのを最後に登場しなくなる[120](アニメ第1作第8話)。そのため、ニコポンスキーの死にも居合わせていないうえに[121](アニメ第1作第11話)、フランスへ帰っていったという明確な描写も説明も無く、うやむやのまま退場となっている。
- テレビアニメ第1作でも概ね原作漫画に則った描かれ方をしているが、やはり第8話を最後にいつの間にか退場となっている。
- テレビアニメ第4作では、更迭された大塚署長に代わって警視庁の署長の座に就く[注釈 58]。陰でニコポンスキーと結託して、PX団(=ベラネード財団)を倒すべく行動していたが、実は本当のクロロホルムは署長就任を前にすでに殺害されており、劇中でのクロロホルムのほぼ総ては複数の“ある人物”が変装していた姿であった。詳細は『鉄人28号 (2004年版アニメ)』のクロロホルム、ならびにニコポンスキーを参照。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』ではベラネード(後述)配下の悪役として登場。廃墟弾の調査に訪れた南海の研究所でショウタロウ[注釈 19]と遭遇し、日本へ連れ帰る代わりに“大鉄人”強奪の手引きをさせる。
- 実写版テレビドラマにも第8話から登場し、正太郎や大塚署長に協力する。
- S国スパイ団[注釈 59]
- 鉄人28号を狙って、日本警察とPX団の攻防に割って入った謎の組織。その実体はS国が送り込んだ特務部隊であり、独自開発のロボットをはじめ、戦闘機や潜水艦など巨大な軍事力を背景に大掛かりな作戦活動を展開、その過程でPX団日本支部をほぼ壊滅に追い込む。そもそもS国陸軍省では鉄人28号を手に入れて、ロボット機動隊を創ることを計画しており[123]、とりわけS国の誇る恐竜ロボットに匹敵する性能を、鉄人のサイズに収められている技術の秘密を欲していた[124]。一時、鉄人の強奪に成功した際には、日本国内の孤島に築いていた秘密のアジトで様々な実験や研究を行っており、背中のロケットエンジンも元々はその時に彼らが装備させたものであった。
- S国の具体名は明かされていないが、構成員の名称からソビエト連邦がモデルと考えられている[125]。第1陣はニコポンスキーが、第2陣はジキルスキーことハバロフが陣頭指揮をして、鉄人の奪取に暗躍した。
- なおテレビアニメ第1作では、ニコポンスキー率いる第1陣との対決こそ描かれているものの(第2 - 11話)、第27話以降はオリジナル展開となったため、「にせもの事件」を引き起こすジキルスキーの第2陣は登場しない。しかし、S国の名称はその後もたびたび登場しており(第63、86話など)、特にS国副総理ネルロンが政府を転覆させて大統領となるための資金を日本で集めようと、部下ランデルとともに爆弾による脅迫事件を起こしている(第81話)。
- 実写版テレビドラマでは、サルバチア人による陰謀組織・仮面団として登場する。
- ニコポンスキー
- 声 - 牛山茂(第4作)、山本兼平(ガオ!)
- 探偵クロロホルムの助手。実の正体は鉄人28号を狙ってやって来たS国スパイ団の団長。
- その素顔はクロロホルムにそっくりである(そのためクロロホルムの影武者を務めていた)という説[126]と、素顔は謎に包まれている(クロロホルムそっくりに化けられるほどの優れた変装技術で影武者を務めていた)という説[127][128]があり、どちらが真相なのかは不明[注釈 60]。影武者の立場を逆に利用して密かにクロロホルムとして振る舞い、正太郎たちを翻弄し暗躍する。やや短気で残酷な一面も覗かせているが[130]、危機を好機に変える機知や大胆な行動力に加え、巧みな交渉能力と演技力を併せ持っている。後半は配下のスパイ団がほぼ壊滅し、鉄人争奪戦に参入してきたスリル・サスペンスやシャネル・ファイブに後れを取るようにもなるが、本国から恐竜ロボット2体や人員などの大規模な増援を得て逆襲に転じる。しかしついにはアジトを突き止められて脱出を試みるものの、操縦していたジェット戦闘機が鉄人に叩き落とされてしまい、さらには射出座席による緊急脱出時の高度が低過ぎてパラシュートが開ききらず、海面に落下して死亡した[注釈 61]。その死に際して「敵ながら大した男だった」と大塚署長に云わしめた[121](テレビアニメ第1作第11話)。
- テレビアニメ第4作では、ブラックオックスを操って正太郎邸を襲撃した謎の黒ずくめの怪人として登場し、新元素バギュームをめぐるPX団と正太郎たちとの争いに介入する。その正体は自殺したと思われていた敷島博士であった(つまりニコポンスキーという人物は実在しない)。詳細は『鉄人28号 (2004年版アニメ)』のクロロホルム、ならびにニコポンスキーを参照。
- 実写版テレビドラマではクロロホルムの助手の名はペトロニウスとなっており、その正体は鉄人を狙う仮面団の一員であった。
- ジキルスキー
- スリル・サスペンス
- 声 - 秋元羊介(第4作)
- アメリカの暗黒街で名を馳せたギャング団のボス。残虐非道で目的のためには手段を選ばない男。左目にモノクルをしている。58歳[133]。
- 鉄人を犯罪に使うために、その強奪を計画して来日[134]。操縦器を奪ったまま逃亡中だったニコポンスキーを拉致して、一時は鉄人を手中に納めたものの、警官隊からの逃走劇の最中にシャネル・ファイブの介入によって警察に逮捕されてしまう。その後、保釈されて[135](テレビアニメ第1作第8話)、ニコポンスキーやシャネル・ファイブらの鉄人(操縦器)争奪戦が激しさを増す中、一歩引いて機を窺っていたが、操縦器を狙って正太郎宅を襲撃したことで本格的に警察に追われてしまい、引き連れていた部下をみな失った上に再び逮捕される[136](このときは裁判で終身刑を言い渡されている[137])。しかし、たまたま同じ刑務所に居合わせた人造人間モンスターと共に脱獄したことをきっかけに不乱拳博士と出会い、博士を脅迫して造らせた鉄人に匹敵するロボット・バッカスを手に入れる。その結果、本来ならば鉄人を入手して行うつもりだった犯罪を、バッカスを思いのままに使うことで実現し、まさに手当り次第に強盗などの悪事に手を染めるようになる。
- ギャングのボスだけに、短略的な思考の割に胆が据わっていて、たとえ予想外の事態に直面して慌てたとしても、それなりに対応して大抵のことは自分の利益に繋げてしまう強かさは、古き時代の暴力悪漢さながらであった。初期こそ鉄人の操縦が判らずニコポンスキーに嵌められたりもしたが、モンスターを懐柔して脱獄したり、不乱拳お手製の機械(海底探検用のタンク[138])を見様見真似で使いこなすなど侮れない。その一方で、欲が深いために身を滅ぼす典型的な悪役でもある。
- 考えるよりも荒事で全て決めてしまう傾向にあり、最終的には警官隊との総力戦の最中に不乱拳博士によってバッカスを奪い返され、抵抗する術を失って三たび投獄される。そのニュースを聞いた通行人たちから「死刑にされるだろう」と噂されつつ、物語から退場した[139]。
- なお、カッパ・コミクス(サンデーコミックス)のヴァージョンでは、来日しての初登場から[134]悪事の果てに部下(四天王)を失って逮捕されるまでのエピソード[136]が収録されていないため、アメリカから鉄人を狙ってやって来たギャング団のボスという背景が説明されておらず、すでに捕まった状態から人造人間モンスターとともに脱走する脱獄囚として登場する。さらにその後のバッカス編もまるまるカットされたことから、不乱拳博士が仕掛けたバッカス完成直後の自爆による“まだら岩”の秘密研究所の大爆発で、手下ともども死亡しており[140]、入手したバッカスを使って悪行の限りを尽くすという本来の展開は無くなっている。
- テレビアニメアニメ第1作では、ほぼ連載時の原作漫画どおりに描かれているが、バッカスを不乱拳博士に奪い返されたことでジルバとともに警察に投降し、取り調べを受けた後の去就については特に触れられていない(第19話)。
- テレビアニメ第4作では、「敗戦国日本は自分たちアメリカ人の飼い犬であり、永遠に搾取されて当然」という思想を披露し(第7話)、奪った鉄人を使って強盗事件を起こして好き勝手に日本社会を荒らしまくる。また、鉄人の存在を素直に認められずに逡巡するばかりの正太郎に向かって、「しょせん、良いも悪いもリモコン次第」と言い放っている(第8話)。なお、原作漫画と異なり、極刑や死亡を免れ、事件解決後は本国に送還されている(第8話)。
- スリル・サスペンスの部下
- 以下の者たち以外にも、名前の無い部下たちが大勢登場している。
- マック・ロイ、ロック・ロック、タム・ブリング、ビル・デンジャー
- スリル・サスペンスの部下で四天王[141]。原作では名称が明らかなだけで、それぞれがどの人物かを特定できる描写はほとんど無いが、テレビアニメ第1作の第7話では来日するスリル・サスペンスを飛行場に出迎える4人の部下として、ひとりずつ紹介されている(ただし、アニメでは四天王であるとの言及は無い)。このうちマック・ロイとビル・デンジャーは一度、サスペンスとともに逮捕されたものの、保釈金を払ってそろって出獄している[135]。その後、再度サスペンスが逮捕される際の警官隊との銃撃戦で全滅している[136]。
- カッパ・コミクス版では、スリル・サスペンスが来日直後に起こす事件そのものがカットされたため、登場しない。
- ジルバ(ジルバー)[注釈 62]、ロックン・ロール、ロングラン
- 声 - 宮下タケル(ジルバ、第4作)、津久井教生(ロックン・ロール、第4作)、室園丈裕(ロングラン、第4作)
- サスペンスが人造人間モンスターとともに脱獄した後に合流した、原作中で名前が判明している部下たち。ジルバはサスペンスのNo.2的ポジションだった(その一方、カッパ・コミクスの加筆修正ではロックン・ロールが「一の子分」と言われているシーンがある[144])。
- 中肉中背の男ロックン・ロールは不乱拳博士の海底の秘密研究所にて、必要な部品を取りに行くという不乱拳を監視して付いて行った先でモンスターに撲殺された[145]。なお、その容姿はカッパ・コミクスでの加筆修正分では団子っ鼻に描き直されているコマがある[146]。ロングランは正太郎を暗殺しようと彼の自宅を訪れた所を、待ち伏せていたモンスターによって絞殺された若者[147]。ジルバは、バッカスを不乱拳博士に奪い返された際にサスペンスと共に逮捕されているため、やはり死刑にされた可能性がある[139](カッパ・コミクス版ではバッカス編がまるまるカットされており、不乱拳博士が仕掛けたバッカスの自爆に伴う“まだら岩”の秘密研究所の大爆発で、スリル・サスペンスとともに死亡している[140])。
- テレビアニメ第1作では、ジルバの役回りをする半眼の男の名はツイストとされており[注釈 63]、サスペンスの片腕であるジルバは別の細身の姿の、気が弱そうで少々ぬけた男であった(第16 - 18話)。ロングランはハンサムな若者だった原作漫画と異なり、リーゼントに鼻の尖った老け顔の中年にデザインが変更されている(第18話)。また、ロックン・ロールのデザインは、カッパ・コミクスで加筆されたシーンの団子っ鼻の容姿が採用されている[146][注釈 64]。
- テレビアニメ第4作ではスリル・サスペンスの部下として、ジルバ、ロングラン、ロックン・ロールが登場(第6 - 8話)。いずれもバッカスによって隠れ家が襲撃された際に全滅している(ジルバだけは襲撃直後もかろうじて生き残っていたものの、村雨健次と正太郎に銃を向けたために健次によって射殺されている)。
- シャネル・ファイブ / ジャネル・ファイブ
- フランスの怪盗紳士。もともとはシャネル・ファイブという名前であったが、シャネルNo.5が元になっていたことが配慮され、後にジャネル・ファイブに変更された[注釈 65]。なお、名称変更前に制作されているテレビアニメ第1作では、“シャネル・ファイブ”となっている(第8 - 14話)。
- 鉄人の存在を知り、自らのロボット・コレクションに加えるために来日、正太郎たちに挑戦して来た。周到に準備をしていたらしく、日本近海に築いた奇巖城を根城に、S国スパイ団やスリル・サスペンスらの鉄人争奪戦に割って入る。ニコポンスキーに劣らぬ変装の名人で、たびたび正太郎たちを翻弄する。仲間意識が高く部下からも尊敬され慕われる、紳士的な犯罪者である。
- 自他の別なく人殺しを嫌い[151][152][注釈 66]、独自の美学で犯罪を行う。厳重な警戒をかいくぐっては華麗に盗みを成功させる、相手に気がつかれず盗み出して悔しがる様を楽しむなど、ゲーム感覚で犯罪を行っており、鉄人争奪戦に置いては「知恵比べ」と称して、正太郎、ニコポンスキー、スリル・サスペンス、それぞれに挑戦状まで出している[153]。
- シャネル・ファイブの参戦によって事態は混迷した。そこに悪気が無いだけに正太郎にとって(出し抜かれて本気で悔しがった相手[154]が、シャネル・ファイブくらいだったことを見ても)厄介な相手とも言える。自分の頭だけで金品や美術品・ロボットたちを盗み、コレクションしているのが自慢で、それを見せびらかすためだけに手間暇かけて正太郎を(招待と称して)誘拐するなど、困った趣味の人物でもある。結果的に日本での拠点としていた奇巖城を攻略されて命からがら脱出し、起死回生を狙って正太郎宅を襲撃するも逆に追いつめられ逃亡。争奪戦に敗れはしたものの警察や正太郎の追跡を振り切り、敗北宣言とともに「(負けたことに対しては)悔しい気持ちもするが、楽しい気持ちもするね」との言葉を残して日本を去った[152]。
- テレビアニメ第1作(第8 - 14話)にも登場し、原作漫画とほぼ同様に描かれている。
- 炎神教(ほのおしんきょう)[155]
- 源光町に施設を構えていた[155]、炎の神を信仰する怪しげな宗教団体。巨大な神像を祀っていたことから、シャネル・ファイブ(ジャネル・ファイブ)に盗まれた鉄人28号の隠し場所なのではないかと睨んだ村雨健次が、正太郎とともに入信を装って内部に侵入したものの、逆に神像の内部に監禁されてしまう。信者が数10名規模にも及ぶ、それなりに大きな集団であったが、警官隊が正太郎たちを救出するために突入したときの施設はすでにもぬけの殻であり、その実体は謎に包まれている。監禁された正太郎に間髪入れず挑発するようなメッセージを投げかけたり、大塚署長に神像を壊して正太郎を救出するよう仕向ける手紙を送り付けるなどしているシャネル・ファイブと、何らかの関係があるものと思われるが[注釈 67]、その後はいっさい登場もせず、いったい何を目的にそのような時間や手間暇をかけて用意されていた組織なのか[注釈 68]全く不明である。
- テレビアニメ第1作の第8話に登場した炎神教は、正太郎からは「ほのおきょう」、大塚署長からは「えんしんきょう」と呼ばれていた。原作よりも明確に、シャネル・ファイブが正太郎を手玉に取るために仕掛けた罠として描かれている。
- 不乱拳酒多飲(ふらんけんしゅたいん)博士
- 声 - 大木民夫(第2作)、青野武(FX)、鈴木泰明(第4作)、山本兼平(ガオ!)
- 正太郎の屈指の好敵手であり、狂気をはらんだ天才科学者である。
- 読んで字の如く『フランケンシュタイン』の主人公ヴィクター・フランケンシュタインがモチーフであろうが、本作品では青年(学生)ではなく如何にも老学者のような風貌の初老の科学者である。好々爺然としたところと、モラルや人道的ルールから逸脱した悪魔的科学者の一面を併せ持つ人物で、自分の研究のためなら手段は選ばず、その障害となるならばギャングや警察をまとめて敵に回しての荒事や殺人も厭わない。守備範囲は広く、機械工学の他にも化学、生物学などにも造詣が深い。生み出した物も「電気アカエイ(空飛ぶアカエイ)[注釈 69]」「アカエイ号[160](巨大アカエイ/アカエイロボット)」「人造人間モンスター」「潜航艇(海底探検用のタンク[138])」「水中バイク」「バッカス」「ブラックオックス」と、製作するにはあらゆる分野の知識と多岐にわたった技術が必要とするものばかりであり、これらの多くを1人で造り上げている。特にバッカスとオックスは短期間で製作されたにもかかわらず、鉄人と対等以上に渡り合う完成度であり、その(1度目の)死に際しては[注釈 70]、敷島博士をして「考えてみれば素晴らしい科学者だった」と云わしめた[162][注釈 71]。
- 博士は都合2度、死んでいる。1度目は自らの創造物バッカスの操縦器が壊れて狂ったため、その手にかかって殺されてしまうが[注釈 70]、モンスターを生み出した死体蘇生技術を書き遺しており、それを手に入れた“まだら岩の覆面団(まだら岩の怪人たち)”の手によって復活を遂げている。2度目は“まだら岩の覆面団”のアジトが自衛隊の総攻撃を受けて逃亡中に、警備艦による艦砲射撃の雨の中で負傷し息を引き取った。今際の際の言葉は一度目は「鉄人は素晴らしいぞ」[注釈 70](テレビアニメ第1作の第20話における同様のシチュエーションでは「鉄人は偉大じゃ」)、二度目は「考えるロボットはついに造れなかった」(テレビアニメ第1作の第23話では、自衛隊機の機銃掃射を受けて「致命傷だ、もう駄目だ閣下、私にかまわず逃げてくれ」)である。“まだら岩の覆面団”による依頼がキッカケではあったが、最終的に「物を考え、自ら判断するロボットを造り出す」ことに強い興味を抱き、目標とするようになっていたことが窺える[注釈 72]。最後まで好奇心旺盛で知的欲求が強いままの人物であった。
- 不乱拳博士の(1度目の死に際しての)遺言によれば、まだら岩の海底墓場に博士の秘密が埋められていたという[165]。しかし、正太郎たちが調査に潜ったときには、墓はすでに何者かによってすべて掘り起こされてしまっており、何が埋められていたかは謎となってしまった[注釈 73]。
- テレビアニメ第2作でもブラックオックスの開発者として登場する(第34、36話)。オックスを製造するために犯罪組織・X団の力を借りたりもしたが(第34話)、原作と異なり、根っからの悪人ではなく「考えるロボットを創る目的は、機械やロボットによる人間支配のためではなく、人間とロボットが助け合い豊かな社会を建設するため」「ブラックオックスは平和な未来社会を創り出してくれると確信する」と講演会で述べた記録が残されていた(第36話)。詳細はブラックオックス#1980年リメイク版テレビアニメを参照。
- テレビアニメ第3作では回想シーンに登場。ブラックオックスを造り上げて鉄人に挑むも、鉄人に投げ落とされたオックスの下敷きとなって死亡したことが語られ、不乱拳に仕えていた執事との交流が描かれるエピソードもある(第14話)。また、不乱拳のクローンであるフランケン・シュタイナー[注釈 74]が登場し、新たなブラックオックスを造り上げるなど物語中盤までの強敵として活躍した。
- テレビアニメ第4作では第3 - 5話に登場。姓が“不”、名を“乱拳”とされている[170][注釈 75]。「ブラックオックス」や「人造人間モンスター」を開発した、ロボット工学と生体工学の第一人者である[171]。「鉄人第弐計画」で人ならざる者を生み出してしまった贖罪のため、実はモンスターに自らを殺す命令を科しており、最後は刺し違える形でともに互いの命を絶ってしまう。
- 重馬敬著の「空想科学小説 鉄人28号」にも登場するが、こちらでは「考えるロボット」とブラックオックスを誕生させている。また、ドイツ人女性を妻とした経歴を持ち、一人娘のレナーテがいる。鉄人との「決着」をつけるために一時は娘に対しても冷酷な態度をとっていたが、終盤では正太郎たちに協力的な姿勢を見せる。2026年4月現在の『鉄人28号』全作品において、不乱拳博士が死亡しない唯一の作品である。
- まだら岩の覆面団[172]
- “まだら岩の怪人たち”とも呼ばれる[173][174]、黒覆面をした某国[注釈 77]諜報員による組織。不乱拳博士の死体蘇生技術を入手し、それをもって博士自身を蘇生させて[注釈 73]“鉄人より強く、人間のようにモノを考えるロボット(=ブラックオックス)”を造るよう依頼し[180]、そのための研究施設[181]をまだら岩海域の孤島に築いて提供した[182]。
- 首領は部下から「閣下」と呼ばれており[183]、頭から全身に黒衣を被っていた(それ以外の団員は口元が露出した黒覆面に、胸に稲妻マークが付いた全身黒のコスチュームを纏っている)。潜水艦などの戦力を有してはいるものの、彼らの本来の目的は“日本のいろいろな設備や、ロボット軍隊のために造られた鉄人28号がどんなものかを調べる”ことにあった[184](そのため不乱拳博士の研究成果も海外へ渡った可能性がある)。しかし、 海底墓場でのバギューム採掘作業を見つかってしまったことで、正太郎や日本警察と表立って事を構えざるを得なくなり、海上自衛隊の警備艦「ときつ」「岩風」「光」を撃沈したり、ものを考える機能をオミットして完成をさせたブラックオックスに(捕まっていた団員を救出するために)警視庁を襲撃させるなど、公然と荒っぽい手段を講じるようになる(加えて正太郎の暗殺も二度にわたって試みている)。結果的にまだら岩のアジトに潜入してきた正太郎や警官隊を返り討ちにする形で、ブラックオックスのみならず鉄人28号をも手中に収めたものの、警察と自衛隊の陸海空の戦力を結集した総攻撃を受けることとなり、不乱拳博士を失ってしまう。この時、弱気になった団員の中から「本国[注釈 77]へ救援を求めては」との進言がなされるが、リーダーは「そんなことをすれば戦争になってしまうから救援は来ない」「我々の目的は戦争を引き起こすことではなく諜報活動であり、独力で窮地を切り抜けねばならない」旨のスパイとしての使命と矜持を語った[185]。ついには鉄人とオックスの力に頼んだ逆襲で上陸部隊を追い詰めたものの、折悪しく発生したデリンジャー現象によって2機ともコントロール不能となり、抵抗する術を失って全員逮捕されている。
- 牧村(まきむら)博士
- 声 - 中田和宏(第4作)、松山鷹志(ガオ!)
- 長年の研究開発で自我を持つ電子頭脳ロボット・ロビーを造り出した科学者。
- 法律も人命も考慮しないマッド・サイエンティスト同然の危うい科学者が続出するこの作品の中では例外的に、人格者と言っても差し支えない初老の科学者で、昔はドラグネット博士と一緒にロボットを研究開発していた[186][注釈 78]。
- ロビーを人間の子供と同じように大切に教育していたが、助手の助川によって悪事を教え込まれたうえに奪い去られてしまう。その後、ロビーの犯罪を知って心を痛め、事態収拾のために警察に出頭して正太郎たちに協力する。結局ロビーは助川による潜伏先の爆破に巻き込まれて失われてしまい、この一件以来、博士は自責の念から電子頭脳の研究をやめて引きこもっていたが、実は壊れていなかったロビーが人間に敵対し、世間に被害を与えていることを知らされて改めてショックを受ける[190]。
- 後にロビーの事件を聞きつけ訪ねてきたドラグネット博士に電子頭脳について教えを請われても、頑として頭を縦には振らなかったほど、失意と後悔に囚われていた(この時のドラグネット博士の言質によれば、牧村博士は自分が決めたことに対しては頑固であるらしい)。なお、カッパ・コミクスとそれに準ずるサンデーコミックスなどにおいては、ロビーは助川の仕掛けた爆弾の爆発に巻き込まれてそのまま退場となっており、再登場していない。
- テレビアニメ第1作では発端となる「ロビー事件(ロビーと助川による連続強盗事件)」は描かれていない。代わりに口頭で「1年ほど前に牧村博士が発明し、助手の助川に盗まれたロビーというロボットがいた」「ロビーを盗んだ後の助川は悪事を働いた末に死亡し、ロビーもその時に壊れている」と語られるにとどまり、助川に唆されたロビーが連続強盗事件を引き起こしたという具体的な説明はされていない(第23話)。しかし、その後のロビーによるロボット王国建設のため引き起こされる一連の騒乱は概ね原作に準拠しているため、牧村博士もロビーの開発者として登場し、原作同様にドラグネット博士とは親友で、ロビーを生んでしまった良心の呵責に苛まれる人物として描かれている(第25話)。
- テレビアニメ第4作では人工知能(ロビー)の開発には関わっておらず、戦時中はドラグネット博士とともに「超人間計画(第23話)」に従事していたことになっている。戦後、月ロケット打ち上げのために来日したドラグネット博士がケリーに殺されたのに続き、殺害されてしまう(第9、10話)。なお、その容姿は原作とは異なり、別人物である“ロボット・スモッグの製作者”の外見が使われており、原作の牧原博士のデザインは有本博士[注釈 79]に流用されるという、非常にややこしいことになっている[191]。
- ドラグネット博士
- 声 - 宮内幸平(第2作)、有本欽隆(第4作)
- 自我を持った電子頭脳開発に執念を燃やし、牧村博士の開発したロビーに近づいた天才科学者。蟹のような独特のヘアスタイルが特徴。連載当初の原作漫画では左足を失っており、普段から松葉杖をついているが[注釈 80]、カッパ・コミクスでは足が不自由な設定は無かったことになっている[注釈 81]。
- プライドが高く、かなり独善的で偏屈な性格の持ち主であるが、優秀な科学者である。実際、「急遽本国から呼び寄せた安物」と本人が評するロボット[194][注釈 82]で鉄人と正太郎を文字通り煙に撒いたり、乗り付けたお手製の万能カーでロビーのロボットたちを次々と手玉に取って、ロビーを交渉のテーブルに着かせたりと、その有能ぶりを遺憾なく示した。
- 宇宙人間(超人間)ケリーと高性能ロボット・ギルバード(ギルバート)の製作者でもある。しかし、研究にのめり込む余りに常軌を逸した行動をとることがあり、体の一部を機械化した宇宙人間[注釈 83][197][198](超人間[199][200])[注釈 84]と呼ばれるサイボーグをより突き詰め、死んだ人間の脳を使って体はすべてロボットという極端な研究を進めていたが[201]、当時助手を務めていたケリーの計算ミスにより実験が失敗し、怒りに駆られた博士はケリーを生きたまま実験材料にして宇宙人間(超人間)を生み出してしまう[197](この時ケリーは目覚めることが無く、博士は殺人者として逮捕され、強制的に入院させられた)[注釈 85]。
- 退院後は研究を“電子頭脳を持ったロボット”に切り替えたが、自身の理論では完成を見いだせず、牧村博士が完成させた電子頭脳ロビーに活路を求めた。しかし牧村博士に協力を断られたことから、ロビー自身との交渉の結果、取引材料としてロボットを製作することになる[注釈 86]。完成したギルバード(ギルバート)は、ロビーを守るための戦いで鉄人を圧倒するが、一計を案じた正太郎の陽動に引っかかった隙にロビーを鉄人に破壊されてしまい、戦意を喪失したドラグネットは日本を去った(ように装った)。しかし、実はまだ日本に潜伏しており、その間に復讐者となったケリーに殺されてしまう[203]。
- カッパ・コミクスに収録された際には[199]、「ロビーのロボット王国計画」がカットされたため、宇宙開発目的のサイボーグ研究に失敗したドラグネット博士が、開発をロボット研究に切り替えて完成させたのがギルバードということになっており、事件の発端も「国立科学館に展示されていたところ、ケリーによって盗み出された」という展開に変更されている。この改変の結果、ドラグネット博士もギルバードが盗まれると同時に、自宅で殺害されているのが発見される、という形になっている。
- テレビアニメ第1作では第25、26話に登場。当初の原作どおりロビーの電子頭脳を研究したいがために取引をしたドラグネット博士が、ギルバート[注釈 87]を造って鉄人と戦わせているが、第27話以降のアニメ版がオリジナルの展開となったために、ロビー事件の終息に伴いギルバートとともに国外に脱出したまま退場となっている。そのため、宇宙人間(超人間)ケリーの一件は描かれておらず、死亡していない。
- テレビアニメ第2作にも第16話でケリーとともに登場するが、名前が同じだけで、その容姿や物語は全く異なる。登場するロボットもギルバード(ギルバート)ではなく、全くデザインが異なるギルダーという名称の機体であった(太陽の使者 鉄人28号#敵対勢力のギルダーの項を参照)。
- テレビアニメ第4作では、戦時中に同盟国日本で牧村博士とともに「超人間計画(第23話)」に従事していたことになっている(第9 - 11話)。戦後は宇宙開発競争に没頭し、月面開発用ロボット・ギルバート[注釈 87]をロケットで打ち上げるために来日したが、死んだと思われていた超人間ケリーに殺されてしまう(第9、10話)。
- 宇宙人間(超人間)ケリー
- 声 - 原康義(第4作)
- ドラグネット博士によってサイボーグ(宇宙人間[注釈 83][197][198]/超人間[199][200])[注釈 84]にされてしまった青年。
- テレビアニメ第1作には未登場のため、上述のとおりドラグネット博士は彼に殺されておらず、ギルバートとともに母国に帰っている(第26話)。
- テレビアニメ第2作にも第16話で、研究成果を恩師であるドラグネット博士に奪われた若き天才科学者として登場する。ただし、名前が同じだけでその容姿や物語は全く異なり、肉親も弟ではなく妹・マリーとなっている。研究成果であるロボットもギルバード(ギルバート)ではなく、デザインが異なるギルダーという名称の機体であった。詳細は太陽の使者 鉄人28号#敵対勢力のギルダーの項を参照。
- テレビアニメ第4作では、宇宙に憧れて自ら志願して超人間[注釈 84]になっている(第10、11話)。
- 詳細は「宇宙人間(超人間)ケリー」を参照。
- ジョンソン
- 声 - 原康義(第4作)
- ケリーの弟。兄と共にドラグネット博士を追って来日し、復讐を果たした。温和な兄と異なり、証拠隠滅のために正太郎を殺害しようとするなど荒事に躊躇のない人物。
- 強い兄弟愛を持っており、事件の終息後に復讐へ至る経緯を切々と訴える姿には、正太郎たちも同情を禁じ得なかった。
- テレビアニメ第4作では、ケリーが起こした一連の事件には直接関係しておらず、すべてが解決した後で正太郎たちのもとを訪れ、兄が事を起こすに至った顛末を語っている(第11話)。
- 門脇
- モンスターに殺された警察官や、その他大勢の中につけられる名前。名前の由来は光文社で横山を担当した編集者から。たまに背景の中にも名前を見ることができる。
- 山嵐巌[204]
- 声 - 松山鷹志(ガオ!)
- 白柄組の親分。巨大アリ事件で世間が大騒ぎとなっていたことに乗じ、あらかじめ巨大アリから採取しておいた蟻酸で密輸ダイヤの取引相手を殺害し、それを巨大アリの仕業に見せかけて現物をタダで手に入れようとした。しかし、正太郎たちに企みを見破られて逃亡。その道中で足伏岬から上陸してきた巨大アリの群れと遭遇してしまい、部下のサブ(岩見三郎[204])とともに皮肉な最期を遂げる。
- 十字結社(じゅうじけっしゃ)
- 声 - 辻親八(第4作)
- 王制を敷く某国[注釈 88]で体制転覆を狙う政治結社。自らの主張を通すためには殺人やテロ行為も辞さず、過激な犯罪組織となんら変わるところが無い非道な集団である。目障りなゴロギル博士を始末するためにモンスターを引き連れて日本まで追って来たが、のみならず来日の目的は神戸港にてとある国の貨物船から大量の武器を受け取るためでもあった[205]。これを阻止しようとする正太郎たちと、数々の攻防を繰り広げるが、最後はモンスターを鉄人に撃破されたことで観念し投降する。時を同じくして本国の結社そのものも数々の悪行から国民の怒りを買い、国王軍の攻撃で壊滅してしまっていた[206]。
- テレビアニメ第4作では第1話のアバンタイトルにて、モンスターと共にゲストキャラとして登場する。
- テレビアニメ第4作をベースとしたプレイステーション2用ゲームでは、カリー国を根城にする謎の秘密結社として登場する[注釈 89]。その理由はハッキリしないが、「X団」に協力を申し出て鉄人に挑む。操るモンスターに絶対の自信を持っていたものの敗北、メンバーは全員逮捕されている。→プレイステーション2用ゲーム版については「鉄人28号 (2004年版アニメ)#PS2版ゲーム」を参照
- ゴロギル博士
- モンスターを造った、王制を敷く某国[注釈 88]の科学者。十字結社によりモンスターが強奪され悪用されているため、「鉄人でモンスターを倒して欲しい」と正太郎に助けを求め来日する。
- 正太郎によって金田邸に匿われるも、十字結社によって隠し部屋を突き止められ、殺害されてしまう。
- ブラック博士
- 声 - 家弓家正(第4作)
- 体が崩れていくという奇病に悩まされている医師。赤死館という洋館に住んでいる。同じ病気に感染した息子の脳を、佐良という青年の体に移植しようとした。
- しかし、正太郎が事件に関わったことで陰謀が発覚、さらに用心棒として雇っていたギャングと小競り合いを起こして手術が不可能になったため、自ら炎上させた赤死館で息子と共に焼け死んだ。
- テレビアニメ第4作では旧日本軍の軍医という設定であり、南方戦線で謎の熱病によって倒れてゆく兵士たちを救えなかった無力感と、ついには安楽死させるしかなかった罪悪感に苦しめられていた。戦後、自らも進行の遅い熱病に冒され、さらに幼い息子までも感染していたことが発覚し、その治療薬(抗体)の開発のためにとある辺鄙な村に熱病を蔓延させて、“赤死館”という診療所を開いて村人たちを実験材料にしていた。実は病に伏せていた息子はとうに死亡していたのだが、その事実から目を逸らし続けていたことが最期に際して明らかとなる。
- テレビアニメ第3作にもブラック博士という名の科学者が登場するが、(瞬間)物質転送機の開発者という設定であり、まったくの無関係である(第46話)。
- ビッグ・ファイア[注釈 45]博士
- 声 - 中村正(第4作)、松山鷹志(ガオ!)
- スペルン国の科学者にして[210]、パガオニア国におけるロボット工場(ビッグ・ファイア工場[211])を経営する社長でもある。自分の名前を付けたロボット、ファイア二世、ファイア三世を造った。
- 利潤を追求する経営者としての面と科学者らしい知的な面を持つが、名誉欲が強く、短気かつ傲慢で自己陶酔がちな言動が目立つ。
- 科学者としては優秀であり、学習機能を持った「知能回路」を開発して商業ラインに乗せるほどの能力を持つが、自らの才能がベラネード財団に認められなかったため、犯罪行為に手を染めることになる。
- 会社に侵入したという“黒メガネの男[212][注釈 90]”殺害の容疑[注釈 91]で留置され、その間にライバル企業襲撃容疑の証拠固めが進められてしまって窮地に陥り、ファイア三世を操って脱獄を企てるが、鉄人にファイア三世を破壊されて失敗。パガオニア警察に連行される際には、「鉄人か……や、やつは怪物だ」と慨嘆した。
- なお、カッパ・コミクスではファイア三世のエピソードがまるまるカットされたため、ホワイト・バッファロー山の登山レース中に、他の参加ロボット達をファイア二世に破壊させていた犯罪行為が露見して逮捕される形に、物語が改訂されている(ファイア三世は存在自体が抹消されている)[215]。ただし、ファイア三世のエピソードは、秋田書店サンデーコミックス版で復活。その際には元々の原作漫画ではなく、カッパ・コミクスで改訂された物語の続きとして描かれ、ファイア二世を高く評価した謎の人物によって保釈されたファイア博士が、さらにパガオニアの工場施設まで提供されてファイア三世を造ることになる、という導入部が新たに描きおろされている[216]。
- テレビアニメ第4作では後半の悪役として登場。元は金田博士や不乱拳博士、ドラグネット博士らの研究仲間であり、鉄人の背部のロケットを製作するなど旧日本軍の「鉄人計画」にも協力していた。そのため戦後は巣鴨プリズンに収監されていたが、出獄後、鉄人は体内に太陽爆弾が隠された兵器だと世間に暴露し、その太陽爆弾を手に入れようとするベラネード(後述)と組んで暗躍する。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』では、かつて廃墟弾の開発に従事し、巣鴨プリズンに収監されていた科学者として登場する。ベラネード財団から派遣されたクロロホルムの手配によって釈放されるが、引き換えとして廃墟弾に関する情報をしゃべってしまった直後に「不審死」している。
- テレビアニメ第4作をベースとしたプレイステーション2用ゲームでは、X団に自ら売り込んで協力を申し出る悪の科学者として登場する。世界最高の天才科学者と呼ばれながらも、兵器密輸で多大な利益を上げており[207][209]、ゲーム内でもX団への協力は莫大な報酬と引き換えのものとされていた。しかし付属の解説書によれば、パガオニア国で開催されたロボット見本市でナンバーワンとして称賛されたファイアII世[注釈 92]に絶大な自信を持っていたところ、世界一のロボット・鉄人28号の評判を聞きつけ[218]、これを倒して自らの造ったロボットこそ世界最強であると証明したい、という本心を抱いていたらしい[219][220]。結局、ファイアII世を上回る戦闘力のファイアIII世[注釈 93]をもってしても鉄人に勝つことはできず、原作と同様の「鉄人……やつは怪物だ」とのセリフを口にして、失意のうちに退場している。
- ベラネード
- 声 - 内海賢二(第4作)
- パガオニア国でベラネード財団を経営する人物。容姿はカイゼル髭を生やした小太りの男性。彼自身は悪人ではないが、財団がゼネコンとしてダムなどの大規模な工事を行う際には高性能のロボットが大量に必要となるため、メーカーや研究者がその売り込みのため鎬を削っており、それがビッグ・ファイア博士のように犯罪に走る者を生み出す元凶ともなっていた。そのため、ファイア博士の事件解決後は各社から平等にロボットを仕入れる方針を発表している。
- テレビアニメ第4作では容姿が下記のゴムラス司令官のものに変更されたほか、物語中盤以降の悪役として設定が大きく変更されている。世界経済を牛耳る大財団の主として君臨する一方、犯罪結社PX団団長という裏の顔を持ち、表と裏の顔を使い分けながら日本の支配を企んだ。PX団の制服は原作におけるブラック団のものが採用されており、ベラネード自身も団長用の赤いマスクを装着していた。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』においてもテレビアニメ第4作と同様の容姿、設定で悪役として登場。世界経済を牛耳ることを目的としたベラネード財団と、その裏の顔であるPX団のトップである。廃墟弾を手に入れて日本を再び戦場とし、その破壊と復興を通じて大金を儲けようと画策。先遣隊としてクロロホルムを送り込み、自らもロボット軍団を満載した船団を率いて東京に上陸しようと接近したが、“大鉄人”の放った廃墟弾の直撃を受け、船団ごと海の藻屑となる。
- 初期の単行本では頻繁に「ベネラード」と誤植されているがベラネードが正しい。
- ゴムラス司令官
- 砂漠に存在する某国[注釈 94]の国王軍司令官。ギド率いる革命軍によって劣勢を強いられていたことから、正太郎と大塚署長を誘拐し、鉄人を使って革命軍を追い詰めようと画策する。その際には、自らを革命軍と偽って「圧政を敷く国王を倒すため」という口実で正太郎に協力を要求した。その後、正太郎が革命軍に誘拐されてしまったものの意に介さず、あらかじめ発注していた外国製のロボット・サターンが届くと[注釈 95]、革命軍を民間人もろとも虐殺。さらに大塚署長を人質として利用したために正太郎の怒りを買い、鉄人の攻撃を受けて敗走する。
- 革命の成功後、国王は国外に逃亡したと説明されているが、実はゴムラスこそ国王自身であったと窺わせる大塚署長のセリフがある[225][注釈 96]。
- 上述のとおりテレビアニメ第4作や劇場版アニメ『白昼の残月』では、ベラネードにキャラクターデザインが流用されている。
- スノー国工作員
- 母国である“スノーの国”[注釈 97]から持ち出された殺人光線の設計図回収が目的で来日した。書類を持っていると疑われる者を次々と誘拐し、催眠機という自白装置の一種にかけ、該当人物ではないと判ると口封じに殺害するという事件を繰り返す凶悪な組織である一方、正太郎を子供ゆえに見逃すという一面もあった。やがて、探していた書類が警視庁の金庫に保管されていると知るや、本国からパーツ状態で呼び寄せ、密かに組み立てたロボット・VL2号で強奪を企てるも失敗。警察との追跡劇の末に激しい銃撃戦となる。同時にVL2号の優れた性能を活かして鉄人を苦戦させるが、不調によって[注釈 98]暴走を始めたVL2号はついには自爆してしまい、切り札を失ったことで観念し投降している。
- 山岸博士
- 声 - 麦人(第4作)
- とある山中に落下した隕石を調べるため、その調査団に参加した科学者。山岸宇宙研究所を構えていることから、隕石に付着して地球にやって来たアメーバ状の地球外生命体が、人々の血を吸い取って殺害して回る「光る物体」事件にもそのまま関わる。
- テレビアニメ第4作でも、「光る物体」のエピソードに登場(第13話)。東京生物大学の山岸教授として、謎の生物の起こした怪事件について正太郎たちに助言を与える。
- 劇場版アニメ『白昼の残月』においては、管理を任されていた金田博士の遺産の横領を企む悪徳弁護士という、全く違う役回りになっていた。
- ブラック団
- 世界征服を目論む秘密結社。世界各国に仲間を派遣し、武力を背景に[注釈 100]政治家たちを説き伏せて世界を統一しようと画策していた[229]。団員は分厚くデフォルメされた唇の付いた覆面を被り、コードナンバーで呼び合っていた。首領(声 - 山本兼平〈第5作〉)[注釈 99]のみ覆面の色が異なるほか、蝶ネクタイとタキシードを身に纏っている。黒い恐竜型ロボット・ギャロンや、一人乗りのヘリコプター部隊などの戦力を有している。
- 組織を脱走した裏切り者のX2号がたまたま自宅玄関前で追っ手に撃たれて殺害され、ギャロンやヘリコプター部隊が潜む湖を示した地図を託された正太郎は、否応なくブラック団の陰謀に巻き込まれる。地図を取り戻そうとしたブラック団は大塚夫妻を誘拐したが、湖の位置を突き止めて捜索にやってきた正太郎の鉄人と、ギャロンとヘリコプター部隊で交戦することになる。一旦は鉄人と自衛隊を退けてまんまと海底基地[注釈 100]へと逃げ延びた一行ではあったが、レーダーを頼りに追跡してきた正太郎に内部に潜入されて大塚夫妻を救出されたうえ、操縦を代行した敷島博士の操る鉄人に基地を襲撃されて壊滅してしまう。首領の発言が事実なら、まだ世界中にブラック団の手のものが潜伏したままになっていることになるが、その顛末については物語で描かれていない。
- テレビアニメ第3作には「ネオブラック団」が登場するが、ブラック団と何らかの関係があるのかどうか不明(そもそもネオブラック団の発祥は、ブラック団とは全く関係が無い)。ネオブラック団の詳細は超電動ロボ 鉄人28号FX#ネオブラック団を参照。
- テレビアニメ第4作をベースとしたプレイステーション2用ゲームでは、「X団」として登場する。→プレイステーション2用ゲーム版については「鉄人28号 (2004年版アニメ)#PS2版ゲーム」を参照
- 山嵐部長[231]
- 警視庁の警部で大塚署長の部下。ブラック団に拉致された大塚署長の行方を探るため、正太郎と行動を共にしたことでギャロンに襲われることになる。
- 怪盗ブラックマスク(かいとうブラックマスク)
- 声 - 平田広明(第4作)
- 神出鬼没の銀行強盗。その正体は元技師の有本影郎(ありもとかげお[232])。ブラックマスクを名乗って悪事を働くようになる1年ほど前までは、強盗殺人の罪で服役していた前科八犯の凶悪な犯罪者であった[232]。出所後、どこからどのようにして手に入れたのかさだかでないが、次元操作機を操り、瞬間移動で次々と犯罪を重ねる[注釈 101]。しかし犯罪予告が仇となり、盗んだ宝石箱に仕掛けられていた鉄人誘導装置で追跡してきた鉄人によって[注釈 102]、隠れ家の次元操作機を破壊されて御用となった。
- テレビアニメ第4作では、正体の有本影郎の名の読みは「かげお」ではなく「かげろう」となっている。父親の有本博士[注釈 103]とともに研究していた瞬間移動装置[注釈 104]を、父と仲たがいで別れてから独力で完成させ悪用した(元ネタは帝銀事件)結果、最後は鉄人によって破壊された瞬間移動装置の誤作動で南極に転送されてしまった(第14話)。
登場メカ
- X33[150]/X-33号[注釈 105]
- 読みはエックス・スリー・スリー[150][注釈 106]。S国スパイ団が使用した、黒いロケット(万能戦闘機)。先端に装備したドリルによる地中潜行や、陸上では砲撃や体当たりなどで戦い、折りたたみ式の翼を展開して空戦までもこなす。そのパワーと火力とドリルを活かした攻撃力は高く、警戒厳重な精密機械研究所の襲撃を援護して壊滅に導いたり[233]、鉄人に突進をくらわせて左腕を脱落させる損傷を負わせたりしている[234](テレビアニメ第1作第3話)。
- 欠点は活動時間が短いこと[150][235]。2、3人乗り。
- XY3号/シャープXY3号[236][237]
- アメリカのシャープ博士が制作した物を、ジャネル・ファイブ(シャネル・ファイブ)が盗み出した移動メカ[238]。流線形の黒い機体はX33に通じるデザインを持っているが、こちらは先端の巨大なドリルの他に、それを取り囲むように細いドリル4本を装備している。機体上部には鋸状の突起と、底部にはクローラーを備えており[注釈 107]、先端のドリルを使って海底のみならず地底をも思いのままに掘り進むことが可能。部下共々複数の人員が乗り込んでいて、奇巖城から脱出する際や、正太郎宅を襲撃したシャネル・ファイブを救出するために使用されたが、鉄人に逃走を阻止されドリルも折られてしまい、あっさり放棄されている。
- テレビアニメ第1作にも同様の設定・役回りで登場している(第12、13話)。
用語解説
鉄人計画
原作漫画における開発計画には、連載版とカッパ・コミクス版[37]の2種類が存在する[68][67]。
なお、正確には原作漫画やテレビアニメ第1作において「鉄人計画」なる用語は登場しておらず、後年の派生作などから生まれた呼称である。
連載版
太平洋戦争時、日本軍が進めた軍用ロボット開発計画。岐阜県乗鞍岳山中の地下に建造された研究所で、敷島博士を中心とした開発陣により研究が進められていた。
等身大のロボットである1号から26号[注釈 108](いずれも外見が皆同じ[注釈 109])が開発されたものの、それらは頭部が弱く、目に小銃弾を受けた程度で動作が停止してしまうという欠陥があった。そこで設計を大幅に変更したロボット、27号の開発が進められた[注釈 110]。27号は一定の成功を収めたものの開発陣を満足させることはできなかった。そこでこれまでの集大成として建造されたのが巨大ロボットの“鉄人28号”であったが、その起動実験中に機体は粉々に爆散してしまう(このときの28号の機体の外見は27号とまったく同じであった[注釈 112])。いよいよの戦況の悪化に伴って、敷島博士たち技術者陣はロボットの開発を断念し[注釈 25]、特攻機の開発のために南方の孤島に設けられた秘密兵器工場(秘密科学兵器研究所[242])へと異動することになる。(以上、敷島博士の日記より[243])
戦争末期、その孤島の秘密研究所の存在を察知した米海軍による空襲が行われ(空母艦載機を用いている描写がある[244][注釈 113])研究所は壊滅。辛うじて生き残った敷島博士は日本の降伏を知らないまま、助けてくれた原住民のもとで長年に亘って暮らしていたが、10年後に「インドへ渡り、そこで終戦と、日本を騒がせている鉄人事件を知って帰国した」と本人が家族と正太郎に語っている[47][注釈 16]。
しかし敷島博士以外にも南方の爆撃から生き残り、内地へ帰還を果たした技術者がいたらしい(博士は「鉄人の作り方は旧研究所員でなくては分からないはず」と、その正体を推測している[47][注釈 26])。それが戦後15年(あるいは10年)をかけて[注釈 16]、ひとりで新たに28号を建造した「覆面の科学者」である。
本編中、「鉄人事件」において市街地で暴れる27号(このときは28号と思われていた)[注釈 114]を目にした敷島博士は「28号にしてはおかしい」とつぶやき[247]、さらに乗鞍岳の研究所内で暴走する28号を目撃した際には、居合わせた正太郎たちに「あれが本物の28号だ」と語るという演出がある[248]。これらの不可解な発言や、当初は戦時中に試作された28号が27号と同じ外見をしていた[注釈 112]という描写から、27号と28号の関係や出自に関して、読者による様々な憶測や解釈が為されている。
カッパ・コミクス版
テレビアニメ第1作で、鉄人28号は正太郎の父・金田博士が敷島博士とともに開発したという設定が新たに作られ、放映中に発行されたカッパ・コミクスでも(内容はやや異なるものの)金田博士の存在を前提とした、以下のとおりの前日譚が描き加えられた[37]。
太平洋戦争末期、日本軍が起死回生を目論んで構想したロボット兵器開発計画。南方の孤島に造られた秘密研究所にて、正太郎の父である金田博士や敷島博士などの科学者・技術者によって開発が進められていたが、完成前に事態を察知したアメリカ軍の爆撃を受け、計画は灰燼に帰している。
しかし爆撃から生き残った金田博士は、開発中だったロボットの完成を(戦争とは関係なく)あきらめきれず、同じく難を逃れた敷島博士の協力を得て、昭和30年の秋に鉄人28号を誕生させた[37]。
テレビアニメ第4作でも一部この設定を採り入れ、鉄人28号は金田博士が南方の島で完成させたことになっている。 なお、そのテレビアニメ第4作では、巨大砲弾にて巨大なロボット兵を敵国に送り込み、破壊の限りを尽くさせるという「鉄人計画」、死した兵士の肉体を甦生させ強靭な肉体を持った兵士に作り替える「鉄人第弐計画」、さらには「鉄人計画」に付随して、敵地に送り込まれたロボット兵が独自の判断で戦闘を継続するための、いわば「鉄人の頭脳」となる「人工知能開発計画」が存在した。また、同時期に新元素バギュームを発見していた金田博士は、そのあまりに強大なエネルギーを危険視していたが、「鉄人計画」に協力していたビッグファイア[注釈 45]博士は「バギュームの安全な利用法がある」と騙して、鉄人の心臓部にバギュームを爆弾に応用した“太陽爆弾”を埋め込んでしまい、その事実に気づいた金田博士は「この世にあってはならないもの」として、鉄人28号の存在そのものを抹消しようとした(第26話)。なお、これらの計画とは別に、ドラグネット博士と牧村博士による「超人間計画」も並行して進められていた(第23話)。
その他
- 少年探偵
- 昭和30年代には、『少年探偵団』『少年ジェット』『まぼろし探偵』のような、少年でありながら、大人に引けを取らない少年探偵がテレビ、漫画、小説で活躍していた[249]。彼らは拳銃を使い、車やバイクを走らせ、刑事や警官と協力して難事件を解決し、悪漢を退治する。
- 鉄人事件
- 戦後10年、もしくは15年経った[注釈 16]世の中を騒がせた、ロボットを使った連続強盗事件(乗鞍岳から街に降りてきた、真の鉄人28号が暴れまわる事件や、以後のPX団が絡んだ鉄人争奪戦までも含めるかどうかは定かでない)。この犯罪に用いられたのは戦時中の「鉄人計画」で開発されたロボット・21号から27号で(このうち24号が事件に関わっているかは不明[注釈 2])、多くの場合、テレビ局や電気店を襲撃して電子機器を奪ってゆくが、個人宅(敷島邸)を襲って金品を強奪することもあった。それらのロボットのうち、26号と同じ姿をした21号から25号までの機体は[注釈 2]、(事件を捜査していた少年探偵・金田正太郎を目障りと思ったのか)正太郎邸を襲撃した際に小型〇八一五号による返り討ちに遭って破壊されてしまうが[注釈 115](26号は襲撃への参加が確認できず、作中で破壊された描写はない)、大型27号によって[注釈 114]強盗が継続されるようになるとその行動はエスカレートし、自衛隊の戦車部隊と交戦して街を瓦礫の山にするほどの甚大な被害を生んだ[注釈 116]。なお、謎の男が犯行現場に同行して22号や26号などに指示を出している姿も目撃されているが[注釈 28]、首謀者は乗鞍岳の覆面の科学者(白覆面の男)である。
- テレビアニメ第1作では、覆面の科学者(白覆面の男)が乗鞍岳で密かに鉄人28号を製作していたという設定ではなくなったため、鉄人事件そのものが発生していない。
- 奇巖城
- シャネル・ファイブ(ジャネル・ファイブ)が日本で活動するための拠点として整備した秘密基地。日本近海のいずこかの暗礁海域に位置し[252]、鋭く屹立した巨大な岩山の外観をしているが[253]、元からあった岩礁を改造したものか、新たに建設したものかは不明。
- どういう目的もしくは生態かはさだかでないが、まだら岩に生息するアカエイは(夜の12時から夜明けまで[注釈 117]の時間を除いて[254])奇巖城のある海域にやってきて海底に潜んでおり[255]、事実上の守り神となって他者の接近を許さなかった。しかし、正太郎にアカエイが不在の時間を見破られ、警備艦による攻撃と鉄人28号による内部からの破壊活動によって陥落。シャネル・ファイブ一味はXY3号で脱出し、放棄された。なお、まだら岩とはどのぐらいの距離があるのかは不明。
- まだら岩
- 岩見海岸沖に位置した[256]、棒状に隆起した岩礁の集まった海域。アカエイたちの生息地でもある。不乱拳博士が根城にして複数の秘密研究所を構えていたほか、通称“まだら岩の覆面団(まだら岩の怪人たち)”もこの海域にある孤島にアジトを築いて、不乱拳に“ものを考えるロボット(=ブラックオックス)”を造るための研究施設を提供していた。
- なお、テレビアニメ第2作では太平洋上の岩礁地帯(第34話)、テレビアニメ第4作では第三海堡の別名とされていた(第19話)。
- 海底の墓場(海底墓場)
- まだら岩付近の海底に存在する、誰のものとも知れない無数の墓が集結している場所。不乱拳博士が自らの秘密がうずもれていると(1度目の)死[注釈 70]の間際に言い残していたが[165]、正太郎たちが調査したときにはすでに何者かにすべて掘り起こされており、何が埋められていたのかは判らなくなっていた[注釈 73]。この地(とその近くの海底には)は新元素バギュームの鉱脈が眠っていた[257]。
- バギューム
- 不乱拳博士と“まだら岩の覆面団(まだら岩の怪人たち)”がブラックオックスのエネルギー源として“海底の墓場”周辺から採掘していた、ウラン以上のエネルギーを秘めた新元素[257](テレビアニメ第1作第21話)。テレビアニメ第1作第22話冒頭の前回のあらすじナレーションでは、「“不乱拳の発見した”新元素・バギューム」と語られており、不乱拳がバギュームという元素そのものの発見者であるとしている。一方、テレビアニメ第4作では金田博士が発見した新元素として、ブラックオックスではなく、鉄人の本来のエネルギー源として採用されていた。また、劇場版アニメ『白昼の残月』では廃墟弾の原料として、その名が登場する。
- 補助動力[258][259][260](補助動力装置[261][262][263])
- 鉄人28号の持つ機能の1つ。戦闘兵器である鉄人が、一部の故障だけで機能に支障が生じないように、手足などに分散配置された動力機関。これによって手足を1、2本失っても安定して稼働することが可能であり、整備や修理が受けにくい状況などでも戦闘を継続することができる[261][264][265][266]。
- 国際ロボット見本市[267]/第1回ロボット博覧会[268]
- 各国の自慢の新型ロボットを展示、その能力を世界にアピールするために開催された。出品されたロボット達のセールスの場でもある。鉄人と正太郎も日本ロボット代表として特別に招致され、ビッグ・ファイア博士と出会うことになる。第1回の開催国はパガオニア国。
- カッパ・コミクスにおける改訂では、第2回以降と思われる大会に向かう途中の正太郎と大塚署長が、砂漠の国[注釈 94]に強引に連れ去られる様子が描かれている[268]。
- ロボット王国
- 共犯である助川とともに連続強盗事件を起こして世間を騒がせた末、潜伏先の自爆に巻き込まれて果てたと思われていたロビーが密かに生き延び、人類の支配を目論んで創ろうとした国家。国とは言うものの、人工知能を持ったロボットはロビー以外存在しない。ロビーは数々のロボットを大量に造りだして自衛隊や警察を圧倒、鉄人の鹵獲にすら成功するが、ブラックオックスの参戦によって戦況は逆転。手持ちのロボット軍団を、鉄人とオックスのタッグにことごとく粉砕されてしまう。ロビーの人工知能の解析を条件に協力を申し出たドラグネット博士と手を組んだものの、正太郎の存在に危機感を募らせるあまり、先走って暗殺ロボットを送り込んだことで逆に隠れ家を突き止められてしまい、その結果、鉄人のアジト襲撃によってロビーは破壊され、王国の夢は潰えることとなった。
- カッパ・コミクスならびにそれに準じたサンデーコミックスなどでは、ロビーは連続強盗事件を起こした後、アジトの自爆とともに最期を迎えたことになっているため、ロボット王国建設を目指して再登場するという展開は無い。
- 巨大アリ
- A国の原爆実験場で、放射能によって突然変異を起こして巨大化したアリ[269]。ジェット気流に乗って、密かに日本に来襲して自衛隊の艦船や戦闘機を襲撃した[270]。時を置かず、梅田街道沿いでの目撃証言を皮切りに、すでに巨大アリは上陸して巣を形成していることが発覚。警察と自衛隊が駆除にあたっている最中に、埼玉県野田村[注釈 118]でやはり巣を作って繁殖していた大群が地上に現れ、村人たちを襲って大騒ぎとなり、鉄人も事態の収拾のために出動する。巨大化している分、蟻酸が人間を死に至らしめるほど威力が向上しているが鉄人には通用せず、また火を嫌うため自衛隊員の火炎放射器でも倒せる。その後、さらに数百匹に及ぶ大群の飛来が観測されたが、鉄人と自衛隊の火攻めによって駆逐された。なお、この事件を利用して、白柄組がアリの仕業を装った悪事を企んだために、警察の捜査は大いに混乱を来たした。
- 劇中設定からアメリカ映画『放射能X』に登場する巨大アリをほぼそのまま持ち込んだものと考えられる。
- 光る物体
- とある山中に落下した隕石に付着していた、アメーバ状の光る地球外生命体。自在に姿形を変える能力を持ち、無機物・有機物(動植物)を問わず擬態して、近づいてきた人々の血を吸い取って[272]殺害して回る。人間にすら変化することが可能で、正太郎を敵と認識して自宅にまで襲撃に訪れたり、山田野ロボット工場のロボット達を操縦して鉄人と戦わせたりする[注釈 119]など、どの程度かははっきりしないが、かなり高度な知能を持つものと推測される。アメーバ状の時や、擬態を解いて変化する時には発光する特徴を持ち、常に微弱な放射能を帯びていることから、ガイガー計数機による探索が行われた。物理的な攻撃では致命傷を与えられず、正太郎たちは対処に苦慮するが、偶然にも電気が弱点であることが発覚し、高圧電流を流されて死滅する。
- テレビアニメ第4作でも同エピソードを原案とした第13話に登場するが、設定や物語はいささか異なる。隕石に付着して地球にやってきたアメーバ状の光る知的生命体という点は同じだが、戦時中の空襲から逃れて地下室に避難した動物園の飼育員・八木勝裕と、偶然ともに閉じ込められて交流を持つうちに、いつしか自分自身が八木であると思い込むようになり、彼の死亡後は八木に擬態して地下から脱出し、10年間も人間として生きていた。しかし、動物園園長の殺害事件をきっかけに正太郎たちに追われ、高圧電流を受けて死ぬ直前にすべてを思い出しつつ息絶えている。
書誌情報
- 原作完全版
- 2005年11月より「巨匠・横山光輝『鉄人28号』執筆50周年記念」プロジェクトとして潮出版社と光プロダクションの共同企画の元、発行されたB6判の単行本シリーズ。横山の元アシスタントとコンピュータによる最新技術で傷んでいた原画を復元し、コミックス未収録の読み切り8本を加えて発刊された。2007年9月に全24巻で完結。★は読みきり作品。
- 鉄人28号誕生(月刊『少年』1956年7月号別冊付録 - 1957年1月号別冊付録)
- 第2次世界大戦の末期 敷島家であったギャングと怪人 あいつぐ事件 おそるべき威力 第十一監房 正太郎の活躍 鉄人あらわる 雷雲 秘密科学研究所 鉄人28号 大PX団 くずれるダム 生きていた敷島博士 浮上するモンスター号 おそるべき秘密結社! おそるべき秘密結社その2
- 怪ロボットあらわる(月刊『少年』1957年2月号別冊付録 - 1957年8月号別冊付録、1957年8月増刊『探偵ブック』)
- 海底にねむる鉄人 魚雷発射命令 海中の戦い 敷島博士邸 第二計画 雨の中の乱戦 怪ロボットあらわる クロロホルム名探偵 暗殺計画 地下の乱戦 あらわれた怪ロボット 脱出できるか 8号車追跡 怪ジェット機 しのびよる影 PX団支部長の最後 正太郎の危機 うばわれた鉄人 ★大金塊の巻
- 鉄人大実験!(月刊『少年』1957年8月号別冊付録 - 1958年1月号別冊付録)
- 水中の怪物 その場所はどこだ 脱出計画第一歩 脱出と攻げき 怪人対正太郎 大爆発 その顔を見た! なかまわれ 山小屋の怪人 X33 二回目の実験 村雨健次の危機 人体実験 鉄人出動 一大決戦 うばわれた鉄人 海上の乱戦 村雨健次の大てがら ねらわれた正太郎 正太郎暗殺団
- 鉄人暴走する!(月刊『少年』1958年1月号別冊付録 - 1958年6月号別冊付録)
- なぞの物体 対決 攻撃 空中戦 生きていたニコポンスキー 海底の鉄人 クロロホルムとニコポンスキー 警官隊あぶない ふたりめのクロロホルム サスペンス氏の登場 操縦器のゆくえ 動く巨人 ニコポンスキーの計略 怪盗ジャネル・ファイブ スペードホテル 恐竜の出現! 鉄人の敗北
- 出現! 二つの操縦器(月刊『少年』1958年6月号別冊付録 - 1958年10月号別冊付録、1958年7月増刊『探偵ブック』)
- てつや作業一週間 ふたりのスパイ ニコポンスキーの計略 敷島博士はにせものか? 正太郎のぎもん ペテンにかかった敷島博士 あばれる恐竜ロボット 敷島博士のかつやく 鉄人対恐竜ロボット 正太郎の地下室 非常線突破 あばれる鉄人 鉄人のかくし場所 奇厳城 正太郎のきけん ★うかぶX島の巻
- 空飛ぶアカエイ軍団(月刊『少年』1958年10月号別冊付録 - 1959年2月号別冊付録、1959年1月増刊『探偵ブック』、1958年11月号付録『とびだすまんが』)
- おそるべき鉄人 サスペンスたいほ 空とぶアカエイ ゆめかまことか あらわれたアカエイ 奇巖城発見 海底のアカエイ アカエイの襲撃 決戦奇巖城 ふしぎな老人 モンスターあらわる 殺人鬼モンスター 第一のぎせい者 鉄人対モンスター ★なぞの飛行機事故の巻 ★オーパナ博士の挑戦の巻
- 難敵アカエイ & モンスター(月刊『少年』1959年3月号本誌 - 1959年7月号別冊付録)
- とらわれたモンスター モンスターの脱ごく アカエイの来襲 ついせき アカエイあらわる なぞの「まだら岩」 海底の墓場 まだら岩の正太郎 正太郎とモンスター サスペンスの脱走 サスペンス発見 モンスターの最後 海底の墓場
- 暴れまくるバッカス(月刊『少年』1959年7月号別冊付録 - 1959年11号別冊付録、1959年8月増刊『探偵ブック』)
- 不乱拳博士の発明 完成したロボット 鉄人対バッカス おそわれたメリー丸 あばれるバッカス 第六非常線突破 にげのびたサスペンス モンスターの復活 鉄人とバッカス とびさったバッカス 正太郎の危機 時限金庫 十時三十七分六秒 おどりこんだモンスター 十時三十七分六秒 あらわれたバッカス ★あやしい落下物体の巻
- 海底墓場の決戦!(月刊『少年』1959年11月号別冊付録 - 1960年3月号別冊付録、1960年1月増刊『スリラーブック』)
- 人工雷 きえたやしき スーパーアトミック くるったバッカス あばかれていた海底の墓場 ぬすまれていた死体 生きかえった博士 鉄人のかつやく まちぶせていた人夫 つきまとう暗殺者 魚雷攻撃 海底と海上 ★自動車レースの巻
- ブラックオックス始動(月刊『少年』1960年3月号別冊付録 - 1960年7月号別冊付録)
- かんがえるロボット 岩風と光の爆発 くずれるまだら岩 ブラックオックス あらわれたオックス ブラックオックスの力 ブラックオックスのなぞ たばこの火 鉄人とオックス うばわれた鉄人 陸海空軍出動 おそいかかる鉄人 磁気嵐 ふく面団の最後
- 驚異の電脳ロボ・ロビー(月刊『少年』1960年8月増刊『探偵ブック』、月刊『少年』1960年8月号別冊付録 - 1960年12月号別冊付録、1960年10月号付録『とびだすまんが』)
- 怪ロボット・ロビーの巻 あらわれた池のぬし 二つの池 鉄人のかつやく うばわれた鉄人 地底のロビー ブラックオックス ロビーのたくらみ 地底のたたかい あらわれたロボット部隊 鉄人をねらうロビー ロビーの新しい基地 ★ロビーの逆襲の巻
- 猛襲! ロビー・ロボ群(月刊『少年』1960年12月号別冊付録 - 1961年4月号別冊付録、1961年1月増刊『探偵ブック』)
- むかでロボット さらわれた鉄人 オックスのかつやく ドラグネット博士 やってきたロビー 敵か味方か こうかん条件 あらわれた鉄板 なおった操縦器 もぬけのから 海底のロボット 警備艦出動 あやしい男 殺人ロボットV ★怪盗ブラックマスクの巻
- ギルバート強い!(月刊『少年』1961年4月号別冊付録 - 1961年9月号本誌)
- 殺人ロボット発見 かくれ家発見 新しいロボット 地下室の死体 YE6W5のなぞ 東と西のなぞ ギルバートのゆくえ ドラグネット博士の秘密 追跡 あらしの夜のできごと 4747号車 あらわれたギルバート
- 巨大アリ事件(月刊『少年』1961年9月号別冊付録 - 1962年3月号本誌)
- がけのほらあな 黒いレインコート かいならした小鳥 洞くつ発見 あばれるケリー ギルバートあらわる オックスの到着 ケリーの最後 なぞのことば ジェット気流 女王アリ 山嵐のたくらみ 密輸ダイヤ 鉄人の出動 足あと発見 浮きあがった死体
- 陰謀の偽鉄人28号(月刊『少年』1962年3月号別冊付録 - 1962年7月号別冊付録)
- おそってきた大群 事件解決 にせもの事件 うばわれた鉄人 にげだした英二くん たおれていた大木 さらわれた敷島博士 なぞの屋敷 信号 うばわれた鉄人 鉄人の襲撃 救助作業 とらえた怪人 攻撃開始
- 十字結社の野望(月刊『少年』1962年7月号別冊付録 - 1962年11月号別冊付録)
- 追撃 おそるべき鉄人 電波かくらん器 くるう鉄人 深夜の来訪者 十字結社 十字結社の暗躍 かきのこした手紙 神戸へ うずもれたトラック あらわれたモンスター モンスターを追って
- 十字結社の逆襲(月刊『少年』1962年12月号本誌 - 1963年4月号別冊付録)
- あばれるモンスター やってきた十字結社 モンスターの来襲 にげたモンスター 非常線突破 モンスターのゆくえ 車体番号5781 被害者の身元 モンスター発見 はかりごと
- ブラック博士の真実(月刊『少年』1963年4月号別冊付録 - 1963年9月号本誌)
- 地下脱出 決戦 ほろびていった結社 追う者追われる者 怪人ブラック博士 赤死館 その顔を見た者は にせ電話 あの屋敷を見張れ ブラック家の病気 ブラック家の最期 ミスターX
- ファイア博士の大野心(月刊『少年』1963年9月号別冊付録 - 1964年2月号本誌)
- ファイア二世 ファイア二世の力 ホワイト・バッファロー 鉄人出発 くずれた氷 バッファロー山のなぞ ファイア三世 黒メガネの男 ホワイト・バッファロー山 監視ロボット あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
- 激闘!ファイア三世(月刊『少年』1964年2月号別冊付録 - 1964年7月号別冊付録)
- ファイア三世の内部 カギはだれのもの 行方不明の技師 挑戦 はずれた外装 オリンパスホテル20号 危機一髪 あらわれたファイア三世 勝利 なぞの潜水艦 つれさられたふたり
- 砂漠の鉄人28号(月刊『少年』1964年7月号別冊付録 - 1964年12月号本誌、1964年7月増刊「スリラーブック」)
- ギド 砂風 ギドの軍隊 到着したロボット サターンの威力 大塚署長の救出 人質 総攻撃 大団円 なぞのカバン ★沈没船のなぞの巻
- 出撃!VL2号(月刊『少年』1964年12月号別冊付録 - 1965年4月号別冊付録)
- カバンの秘密 あらわれた怪人 きえた自動車 VL2号 脱出 強行突破 VL2号 追跡 軌道 あやしい町工場
- 戦慄の光る物体(月刊『少年』1965年5月号本誌 - 1965年10月号別冊付録)
- 決戦 死体のなぞ 光る怪物 にげた怪物 あらわれた警部 にげた怪物 山田野ロボット工場 おいつめられた怪物 モンタージュ写真 X2号 あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
- 恐竜ロボギャロン(月刊『少年』1965年11月号本誌 - 1966年5月号別冊付録『少年パンチ』、月刊『中一時代』1971年1月号、月刊『少年ジャンプ』1976年9月号、『ソノシート』1964年3月15日、『ソノシート』1964年8月25日)
- とらわれた署長 なぞの地図 なぞの怪獣 怪物ギャロン ★ベビーハイジャック事件 ★対決モンスターロボットの巻 ★新作鉄人28号 コンピューター殺人事件の巻 ★銀行ギャング粉砕 ★鉄人 超特急を守れ
- 原作漫画の原稿は一部紛失しており、現存するものも過去の単行本化の際に切り張りされたため部分的に欠損している。「原作完全版」はデジタル画像処理を駆使して原稿を連載当時の形に戻し、紛失・欠損した部分は誌面からのトレースによる復元を行い、現著作権者の許諾を得て再編集し発刊の運びとなった。なお、原作完全版の発売後に新たに原稿の一部が発見され、2009年に刊行された文庫版(潮漫画文庫)では、同様の作業を経てそちらに差し替えられている。
ラジオドラマ
実写版テレビドラマ
1960年2月1日から4月25日まで、日本テレビ系列で放送された[274]。放送時間は毎週月曜日19時30分から20時[274]。全13話[274]、モノクロ作品。
ストーリーは、鉄人の出現、村雨兄弟の登場、QX団(原作ではPX団)との攻防、怪ロボットXの出現、サルバチア国(原作ではS国)のスパイ・仮面団との戦いと続く。最終話で敵の基地から脱出した正太郎が、謎の爆撃に遭う所で1クール全13話が終了となったため、正太郎が鉄人28号を操縦することはなかった[275]。第10話のナレーションによると、第1話から第10話までの間に数年の月日が経っている。
鉄人28号は着ぐるみで表現されている。身長は2メートルほどとなり、第6話までの樽型・第7話以降のドラム缶型の2種類がある[276]。前者は眼から、後者は胸から光線を出す[275]。第13話で仮面団のロケットを取り付け、飛行可能になる。ロボットは他にも26号・27号、仮面団の怪ロボットXが登場する。26号には『少年ジェット』に登場したロボットが使われたという説が存在する[276]。
日立製作所がスポンサーであったことから、第1話は日立市で撮影が行われた[276]。そのため、OP冒頭に「日立ホール」のテロップが表示される。
出演
スタッフ
出典:[274]
- 制作:米山彊、吉田礼子、松崎啓次
- 脚色:まるねさんたろう、コオロギハルヲ
- 撮影:池田傅一、江津禮孝元、星信夫
- 照明:飯塚茂、鈴木貞夫
- 美術:江坂実、松崎プロ美術部
- 録音:日本録音株式会社[要出典]
- 効果:角田陽次郎[要出典]
- 編集:与曽田光代、福島照夫[要出典]
- 記録:布施文子[要出典]
- SFアドバイザー:星新一
- 音楽:中林淳眞
- 主題歌:「鉄人28号」(作詞:青木義久、作曲:宇野誠一郎、歌:高毛礼誠(初期)、ビクター児童合唱団)
- 主題歌はレコード発売に伴って児童合唱に変更された。切り替え時期に当たる第4話のフィルムが現存しないため正確な話数は不明だが、第3話までが高毛礼誠、第5話以降はビクター児童合唱団が歌唱している。
- 監督:まるねさんたろう、中村純一、志波裕之、増田健太郎
- 制作:松崎プロダクション
- スポンサー:日立製作所
放映リスト
| 話数 | サブタイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 恐怖の一夜 | |
| 2 | 法師が岳の対決 | |
| 3 | 深山の雷鳴 | |
| 4 | 岸壁への追跡 | ※フィルムが行方不明になっているため、欠番扱い。予告編のみ現存。 |
| 5 | 怪潜水艦 | ※第4話の本編フィルムが現存しないため、予告編は欠番になっている。 |
| 6 | 海辺の争闘 | |
| 7 | 怪ロボットX出現 | 前話の次回予告では『三本足の怪物』というタイトルだった。 |
| 8 | クロロホルム探偵登場 | |
| 9 | QX団本部の急襲 | |
| 10 | トラックを追え | |
| 11 | 新たなる強敵 | |
| 12 | 仮面の怪人 | ※フィルムが行方不明になっているため、欠番扱い。予告編のみ現存。 |
| 13 | 鉄人空を飛ぶ(最終話) | ※第12話の本編フィルムが現存しないため、予告編は欠番になっている。 |
第4話・第12話はフィルムが行方不明のため欠番になっており、そのためビデオ・LD・DVDにも未収録である。
メディア化
テレビアニメ第1作
1963年10月20日 - 1966年5月25日、フジテレビ系列で放送された[注釈 7]。モノクロ作品。詳細は『鉄人28号 (テレビアニメ第1作)』を参照のこと。
以降の派生作品
映像作品
1966年『少年』での人気第1位を続けている中、横山はストーリー展開の限界を感じて漫画の連載を終了した。また同時期にテレビアニメの放送も終了した。しかし、1978年ごろから再びその人気に火が付き、繰り返しリメイクが行われ、派生作品が制作された。テレビアニメは2013年4月に5作目を放映、これにより、日本のテレビアニメのリメイク回数が水木しげる原作のアニメゲゲゲの鬼太郎の6回に継いで第2位となる(2025年現在)。また、実写映画版も作成された。
- テレビアニメ第2作 - 太陽の使者 鉄人28号を参照
- テレビアニメ第3作 - 超電動ロボ 鉄人28号FXを参照
- テレビアニメ第4作 - 鉄人28号 (2004年版アニメ)を参照
- 劇場版アニメ - 鉄人28号 白昼の残月を参照
- 実写版映画 - 鉄人28号 (映画)を参照
- CG映画 - T28(仮)。製作はIMAGIの予定であったが製作中止。
- 28 1/2 妄想の巨人 - 舞台版を元にしたメイキング風映画。
- テレビアニメ第5作(短編アニメ) - 鉄人28号ガオ!を参照。
漫画
- テレビアニメ第2作のコミカライズ
- 『鉄人28号くん』 コロコロコミック 1992年2月号 - 6月号連載 作画:立石佳太
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』 マガジンZ2004年1月号から2005年1月号まで連載 作画:長谷川裕一
- 『鉄人奪還作戦』 マガジンSPECIAL2006年No.5、No.11、No.12、2008年No.6から2009年No.3までに掲載 作画:さとうふみや
コンピューターゲーム
- 家庭用ゲーム
- 鉄人28号 - ワンダースワン用携帯型ゲーム。細部の設定は異なるが、原作漫画(ならびにテレビアニメ第1作)をベースにゲーム化。メガハウスより1999年12月22日発売。
- 鉄人28号(PS2版ゲーム) - 鉄人28号 (2004年版アニメ)を元にしたゲーム。2004年7月1日、バンダイより発売。
- 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 - 太陽の使者 鉄人28号が参戦している。
- 携帯電話アプリ
- 鉄人28号 -対決!PX団- - 正太郎と鉄人の2パートの横スクロールアクション。
小説
演劇
- 舞台『鉄人28号』
- 2009年1月10日より東京および大阪で梅田芸術劇場により公演。押井守監督初の舞台脚本演出作品。鉄人デザインは末弥純。また舞台版を元にしたメイキング風映画『28 1/2 妄想の巨人』(2010年7月31日公開)も作られている。
- 出演は南果歩、池田成志、ダイアモンド☆ユカイ、サンプラザ中野くん、ほか。
テレビCM
- ニッパツ・日本発条株式会社 (2008年10月)
- tvk『岡崎五朗のクルマでいこう!』番組スポンサーとして提供。
- ドコモ for PC (2009年10月)
- オリジナルCGデザインの鉄人28号が登場。
- また2011年にはXiキャンペーンとして、約8mの「超巨大 金の鉄人」バルーン像と、価値約100万円の「超微細加工&純金メッキ仕上げの鉄人フィギュア」が10体のみ製作された。
- LIXIL住宅研究所・ブライトホーム
鉄人28号モニュメント
阪神大震災後の復興・商店街活性化活動の『KOBE鉄人PROJECT(神戸鉄人プロジェクト)』の一環として、兵庫県神戸市長田区の若松公園内に高さ15.3m(直立時設定18m)[280]の実物大モニュメント像が作られた。外装は耐候性鋼板製、重量は約50t[280]。総工費は1億3,500万円で、神戸市から補助金4,500万円で残りは個人や企業からの寄付や協賛金によって集められた[要出典]。2009年7月27日に起工式が行われ、9月29日に完成し(完成セレモニーは10月4日)公園内に恒久設置された[281]。なお神戸市ではこれに合わせて、周辺の街路灯も鉄人の頭部を模したデザインのものに変更した(新長田駅南第2地区再開発の景観形成)。
鉄鋼アーティストの倉田光吾郎は鉄人28号の製作を企画していたが、震災復興と地域活性化を目的としたKOBE鉄人PROJECTの鉄人製作を優先することが途中で決まり、版権元からやむなく中止を言い渡された[282][283]。
その他
- アメリカの会社エンターカラー・テクノロジーズ・コーポレーションが、アメリカの漫画家ベン・ダンが経営する会社ベン・ダン・コーポレーションに対し、鉄人28号を複製した漫画作品『Gigantor』の発行とその絵を使用したTシャツの販売を許可していたが、これは光プロダクションの許可を得ていなかったため日本国内で訴訟に発展している。訴訟は日本の裁判権がアメリカ合衆国には及ばないとして却下された[284]。
- テレビアニメ第1作において、オープニング曲と続くスポンサークレジット曲とがつながっている。これは本放送の視聴者のみならず広く知られており、CSで再放送される際には特別に本放送当時のスポンサークレジットがそのまま流れることもある。スポンサーであった江崎グリコも了承している[要出典]。
- テレビアニメ第4作の最終回は、横山が当初予定していた「溶鉱炉に落として退治する」に似た終わり方を行ったことから議論を呼んでいる[誰によって?][要出典]。ただし、これは今川監督とプロデューサーで実質的な企画者でもある大月俊倫が、横山より承諾を得て決定したものである[285](「本来予定されていた終わり方」とは先述の通り、短期連載時の構想で、最終的に28号が溶鉱炉に落とされて正太郎に倒されるという結末である)。そのため、二十一世紀まで鉄人28号が存在することになっている続編的位置づけのテレビアニメ第3作『超電動ロボ 鉄人28号FX』には続かない内容となっている[注釈 120]。今川監督はドラマを中心にした展開ではなく、ロボットアニメらしい痛快活劇をやりたかったが、大月俊倫に予算を制限されすぎてできなかったことを吐露している[要検証]。
他作品からの影響
- 本作品の着想には江戸川乱歩の小説『青銅の魔人』とその映画化作品が影響を与えていたとされる[286]。
- 少年名探偵の嚆矢はガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』以下、一連の作品に登場する事件記者“ルールタビーユ(ジョゼフ・ジョゼファン)”である[249]。その影響を受けた[要出典]モーリス・ルブランの『奇巌城』でアルセーヌ・ルパンとわたりあう高校生探偵イジドール・ボートルレ[249]は、旧学制下で中学生探偵と訳されることがあり、[要出典]さらに本作品で低年齢化の傾向に拍車がかかった。[独自研究?]
- 鉄人28号の誕生シーンは小説『フランケンシュタイン』の映画版の影響が指摘されている[誰によって?]。また、作者の横山はリモコンについても怪物がイゴールの笛で操られるのを置き換えたという主旨の発言をしている[287]。
- リモコンの奪い合いは、林不忘の『丹下左膳』でこけ猿の壷を奪い合うのがヒントなのではないかとも言われる[誰によって?]。
社会、他作品などへの影響
- 1980年代に少女愛のロリコンが話題になったとき、アニメ雑誌ファンロード[要文献特定詳細情報]の記事をきっかけにショタコン(=正太郎コンプレックス)なる言葉が用いられるようになった。
- 2215試合連続出場の日本記録を持つ衣笠祥雄は現役時代「鉄人」と呼ばれた。その所以は連続試合出場を続けたこともあるが、主な理由は彼の背番号が入団時から1974年まで28で「鉄人28号」を想起されるということでその呼び方が定着した。
ラピート(今宮戎駅)
- 南海電気鉄道の関西国際空港行き特急「ラピート」に使われている50000系電車はその正面形状から、鉄道ファンの間では「鉄人28号」という愛称で呼ばれている。同車をデザインした若林広幸によると、第二次大戦前の大陸横断鉄道や弾丸列車のような力強さを追求した結果この前頭部のデザインができ、鉄人28号を意識してデザインしたわけではないが、言われてみると妙に納得したともコメントしている[288]。
- 2003年5月から、愛知工業大学がイメージキャラクターに採用している。
クリエーターへの影響
- 永井豪はイラスト付エッセイで小学生時代に初めて『鉄人28号』を読んだ時の衝撃を語り、「当時自分はアトムの方が好きだったが、『マジンガーZ』を読み返すと鉄人の影響をより多く受けていたのがわかる」という趣旨の発言をしている[289]。
- 富野由悠季は小学生のころに『鉄人28号』を見て[注釈 121]、現実的な科学の観点から「こんなの嘘だ!(あの体格のロボットが、ビルの間で悠然と立ち回って戦闘できるわけが無い)」と毒づいている[290]。そのアンチテーゼは、『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』『機動戦士ガンダム』など富野の手がけた諸作品に表れている。
- 大友克洋の漫画およびアニメ映画『AKIRA』は本作のオマージュとして制作されており、まず第一にどちらの作品も戦争用兵器として作られながら大戦後に動き出すという設定や、本作品の登場人物に類似した名前の人物が多数おり、主人公の名前が共に金田正太郎で、正太郎の親友の敷島鉄雄から島鉄雄、超能力研究機関の敷島大佐は鉄人を開発した敷島博士から、他にもキヨコ(25号)、タカシ(26号)、マサル(27号)は敷島博士が作った25 - 27番目のロボットから、アキラ(28号)は敷島博士が作った28番目のロボット「鉄人28号」から命名されている。[要出典]
- 浦沢直樹の漫画『20世紀少年』では、ロボット工学者の敷島教授なる人物が登場し、リモコン操縦の巨大ロボットを制作する。
- エンディングテーマであり、各エピソード冒頭における“前回のあらすじ”のBGMとしても使用されていた「正太郎マーチ」(歌無し)は、庵野秀明が監督した1998年放送のテレビアニメ『彼氏彼女の事情』で、やはり冒頭の“これまでのあらすじ”のBGMとしてたびたび使用された。同曲は庵野のオーダーによって用意された、オリジナルに忠実に再演奏された新録音であり[291]、同作品の音楽集CDにも「此迄ノ荒筋(正太郎マーチ)」の曲名で収録されている[292]。
- フジテレビ系ドラマ『カバチタレ!』で陣内孝則が演じた大野勇は、本作品のファンであるというドラマオリジナルの設定があり、誰も居ないオフィスで鉄人28号のフィギュアを使って遊んでいたことがある。また、ドラマの後半部分では本作品の「良いも悪いもリモコン次第」というコンセプトが物語の大きな主題となっている。自分たちの仕事は決して弱者を守るためだけにあるのでなく、時には自分の意に反する仕事もしなければならないということを、大野は自分たちのような代書屋を「鉄人」、決定権を持つ依頼者を「リモコン」に例えていた。なお、劇中においてテレビアニメ第1作の映像が度々使われている。
横山作品の二次作品への影響
- 今川泰宏監督のOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には様々な横山作品のキャラが出演しており、『鉄人28号』からも村雨健次(健二と改名される)を筆頭に数人が名を変えて登場している。他にもオープニングにのみ『鉄人』の敵ロボットが多数登場する。
- 横山の代表作の一つである『仮面の忍者 赤影』のリメイク漫画、『仮面の忍者 赤影 Remains』(神崎将臣作画)の最終回に、鉄人28号をモチーフにした「伊賀の大鉄人」が登場する。
