朝日の中の婦人
From Wikipedia, the free encyclopedia
| ドイツ語: Frau vor der aufgehenden Sonne 英語: Woman before the Rising Sun | |
朝日の中の婦人 | |
| 作者 | カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ |
|---|---|
| 製作年 | 1818年ごろ |
| 種類 | 油彩 キャンバス |
| 寸法 | 22 cm × 30 cm (8.7 in × 12 in) |
| 所蔵 | フォルクヴァンク美術館、エッセン |
『朝日の中の婦人』(あさひのなかのふじん、独: Frau vor der aufgehenden Sonne または Frau in der Morgensonne、英: Woman before the Rising Sun)は、ドイツのロマン主義の画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒが描いた絵画である[1][2][3]。
自然を前にして1人の女性が佇んでいる様子が描かれている[4]。女性は「オランス」という祈りのポーズをとっているとする解釈の他に、女性は死の脅威と対峙しているとする解釈がある[5]。
本作に描かれた景色については、日の出の風景であるとする説と日の入りの風景であるとする説があり、研究者によって意見が分かれている[1][4]。『夕日の前に立つ婦人』(独: Frau vor der untergehenden Sonne、英: Woman before the Setting Sun)とも呼ばれる[6][2]。
キャンバスに油彩で描かれた作品である[7]。縦22センチメートル、横30センチメートルの大きさをもつ[3][7]。ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市、エッセンのフォルクヴァンク美術館に所蔵されている[4][3][7]。1818年ごろに製作されたものと考えられている[8]。フリードリヒの作品の中で、本作は小さい部類に入るが、人物像が画面内に占める割合は、他の大きな作品に比べて高い割合となっている[4]。
フリードリヒは、『雲海の上の旅人』や『窓辺の婦人』、『月を眺める二人の男』などのように後ろ姿の人物像 (Rückenfigur) を描いた作品を多く製作しており、本作もその例に漏れない[1][9][10][11]。ただし、動作を伴っている後ろ姿の女性像が画面の中央に配された作品は、フリードリヒの作品の中では本作の他にはない[12]。
本作は、フリードリヒの存命中は彼が所有しており、没後には彼の家族の所有となった[13]。美術史家のイェルク・トレーガーは、フリードリヒと交友関係があった画家フィリップ・オットー・ルンゲによる1805年の素描『フィンガル』から想を得て、本作の女性像が描かれたのではないかとの見方を示している[12]。
作品
薄暗い風景の中、画面の手前中央で1人の女性が佇んでいる。女性は後ろ姿で描かれ、彼女の前には丘陵地帯がなだらかに広がっている[3][10][4]。丘陵地帯の手前には、木々が点在する草原地帯が広がっており、奥には霞んで見える山脈が描かれている[4][3][2]。女性が佇んでいるのは細く小さい道の上である[3][4]。
女性は、古ドイツの服装を身に付けていることから都会人であると考えられる[2][11]。女性は両腕を軽く広げており、頭に髪飾りを、耳にはイヤリングを付けている[10][14]。道の脇には岩が、女性の右手に1つ、左手に2つある。岩の周りには、白色の小さい花が生息している。画面左手奥に描かれた2本の木の間の後方に、教会堂が小さく見えているが、この他に建物は描かれていない[3][4]。
山脈の後方からの太陽の光が放射状に広がっている[4][2]。空は、画面の中ほどではオレンジ色をしているが、上にいくほど赤みが強くなっている[15][2]。太陽の逆光を受けているために、女性の姿はほとんどシルエットになっているが、輪郭線が明確に描かれているために、存在感が弱まることはない[4][2]。


