派生文法

From Wikipedia, the free encyclopedia

派生文法(はせいぶんぽう)は、用言活用がない日本文法である。アルタイ言語学者の清瀬義三郎則府が提唱した。

この文法論は、「言語とは(意味を伴った)音声である("Language is (meaning-bearing) sound.")との一言を出発点として成ったもののようである[1]

類型論的には、日本語膠着語、すなわち「実質的意味を表す語幹に文法的意味をもつ接辞が付着して文法的機能を果たす言語」に分類されており、印欧諸言語のような屈折語ではない。そのような特徴をもつ日本語でも、用言だけは活用屈折)していると一般に信じられている。しかし清瀬は、膠着語である日本語の中に、用言のような「屈折する」品詞が存在するのは全く不可解であるという認識を示し、こうした矛盾をどのように解釈すべきであろうかという問題を追求した結果、「日本語の用言は活用していない」という結論を導き出した。

学界への最初の発表は、1969年12月2730日に、アメリカコロラド州デンバー市で開催されたアメリカ近代語学会 (Modern Language Association of America) の年次大会において、「日本文法に於ける無意味な活用形 (Meaningless Conjugational Forms in Japanese Grammar)」と題し、口頭でなされた[2]。日本語での発表は、同じく清瀬による論文「連結子音と連結母音と――日本語動詞無活用論[リンク切れ]」(『国語学』86集、1971年、4256頁)が最初である[2]

一般に動詞がその含有する意味や機能を変えるには活用派生とがあるが、この文法論では日本語の「活用」(語形の内部変化)を否定して「派生」だけを認める。これが派生文法と呼ばれるゆえんであろう。その理論は、海外では東西の主として日本語学者に、国内ではさらに日本語の形態素解析に携わる工学系の研究者にも、「活用のない文法」として受入れられているようである[3]

基本的な概念

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI