海女房
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伝承
- 島根県の十六島。ある漁師の家で老人が留守番をしていたところ、窓から怪しげな眼が覗いているのに気づいた。とっさに隠れて様子を窺っていたところ、赤ん坊を抱いた海女房が家に入ってきて、片手で赤子を抱いたまま、もう片方の手でサバの塩漬けの桶の重石を軽々と持ち上げ、赤子と共に塩漬けを食べた。最後に「あの爺はどこだ。口直しに食いたかったのに」と言い残して去って行ったという[1]。
- 岩手県の三陸海岸の村でのこと。海に出た漁師たちが帰って来ないため、その妻たちが彼らの安否を気遣っていたところ、海女房が人間に化けて現れた。持参した風呂敷包みを開くと、そこには漁師たちの生首が入っていた。漁師たちが海で事故に遭って溺れ死んだので運んできたという。妻たちは悲鳴を上げ、悲嘆のあまり海へ身を投げた。彼女らは皆、海女房に化身したという[注 1][3]。
- ある少年の両親がわけあって離縁し、母親の方が家を去った。残された息子はその後成長し、漁師となった。彼が海へ出ると、海女房が現れた。彼を目にした海女房は涙を流し「よく育ったな」と言った[3]。