済公
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実在の人物
道済については同時代の記録が多く残っており、実在の人物であることは明らかである。道済の知人であった居簡の「湖隠方円叟舎利塔銘」によると[1]、道済は湖隠とも方円叟とも言った。俗姓は李であり、天台出身の臨海郡尉であった李遵勗(諡は和文、太宗の娘の献穆帝姫の夫)の来孫にあたる。霊隠寺で仏海禅師(瞎堂慧遠)の弟子になった。嘉定2年5月14日(1209年6月17日)に浄慈寺で没した。各地を旅行し、酒を飲んだという。
道済ははやくから顛狂で知られ、その没後間もない13世紀の禅僧の語録に、しばしば「済顛」の名であらわれる。運庵普巌(1156-1226)の語録にある「賛仏祖」では「済顛書記」を観音大士・達磨大師・百丈大師・布袋和尚と並べて賛嘆しており、すでに伝説の人になっていたようである[2]。また、天童如浄(1163-1228)の語録にも「讃仏祖」があり、その「済顛」詩には、「天台山裏五百牛、跳出顛狂者一頭。賽尽煙花瞞尽眼、尾巴狼藉転風流。」と詠まれている。これは後に済公を五百羅漢の生まれかわりとする伝説を生んだ[3]。
道済が作ったとされる詩文は『浄慈寺志』や『台山梵響』(台山出身者の詩集)に残されているが、いずれも清の時代の書である。
フィクション
済公を主人公とした小説として、現存最古のものに『銭塘湖隠済顛禅師語録』(略称『済顛語録』、1569年刊)がある。これは済公の語録の形を取っているが、内容はフィクションである。
明末から清にかけて、『醉菩提全伝』(全20回の白話小説)など、多くの小説が書かれた。とくに流行した清末の『済公全伝』は、全240回の章回小説で、分類上は神魔小説であるが、『三侠五義』のような公案小説・武侠小説の影響を強く受けている。済公を飲酒・肉食する破戒坊主だが、神通力を持ち、悪を懲らし病人を治す民衆の味方として描いた。
中華人民共和国・香港・台湾で、多くの映画やテレビドラマが作られている。1993年のジョニー・トーの映画『マッド・モンク 魔界ドラゴンファイター』ではチャウ・シンチーが済公を演じた。