渋の地獄谷噴泉

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渋の地獄谷噴泉。2009年5月5日撮影。

渋の地獄谷噴泉(しぶのじごくだにふんせん)は、長野県下高井郡山ノ内町にある、国の天然記念物に指定された熱湯と高温の蒸気を噴き上げる噴泉英語: Gushing hot spring  (en:Steam) である[1][2]。季節や時間などによる熱湯噴出量や水蒸気噴出量に消長(間欠性)はないため間欠泉ではない[3][注釈 1]

地質鉱物に関する天然記念物指定基準の「(八) 温泉並びにその沈澱物」として、指定時期としては比較的初期の、1927年昭和2年)4月8日に国の天然記念物に指定された[1][2][4]。噴泉のすぐ近くには、雪景色の露天風呂に入浴するニホンザルが観察できる地獄谷野猿公苑があり、近年では通称Snow Monkey Mountainと呼ばれ広く知られるようになり、特に冬季を中心に日本国内外から多くの観光客が訪れている。

渋の地獄谷噴泉の位置(長野県内)
渋の地獄谷噴泉
渋の
地獄谷噴泉
渋の地獄谷噴泉の位置。
勢いよく噴き出る渋の地獄谷噴泉。2014年12月7日撮影。

渋の地獄谷噴泉は長野県北東部の山ノ内町にある渋温泉の温泉街から東へ約2.5 km離れた、標高840 m付近の横湯川河床に位置している[3]。横湯川は志賀高原にあるエメラルドグリーン色の湖水で知られる大沼池を源流とし[5]、志賀高原を南から北西方向に縦断しながら深い峡谷を作って流れ下り、地獄谷噴泉のある河床から渋温泉へ出て角間川と合流し夜間瀬川となり、湯田中温泉沿いを経て中野市の北部の柳沢地区付近で千曲川へ合流する、信濃川水系の一級河川である[6]

噴泉のある場所は地獄谷温泉 (長野県)にある一軒宿の「後楽館」から見て横湯川対岸(左岸)の河床にあり、直径 cm孔隙こうげき[1](穴)から92 から99 ℃の熱湯水蒸気を噴き上げている[7]。天然記念物に指定された当時は噴き上げる噴泉の高さは10数 mに達し[8]、その轟音が周囲に響き渡っていたが、周囲の堆積物や河谷の形状変化により往時と比べると勢いが多少衰えたという[1][2]1973年(昭和48年)に山ノ内町が出版した『山ノ内町誌』によれば、噴出する熱湯の水素イオン指数は8.2pHと弱アルカリ性で、湧出量は毎分27から30リットルである[7]

噴泉のある地獄谷は温泉が自然湧出する箇所が多く、横湯川上流の通称仏岩直下の抱石だきいしと呼ばれる地点から下流の太古岩たいこいわの崖下、荒井河原に至る各所に見られ、これらの源泉上林沓野の各温泉施設へ湯導管(パイプ)により送られ給湯されている[9]。地獄谷温泉は沓野地区の竹節万蔵という人物が渋温泉からの道を開いて「開拓館」と称す浴場を作ったのが始まりとされており、当初、横湯川河床近くにあった入浴客舎が1910年(明治43年)夏の洪水によって流失したため、今日の「後楽館」の建物のある高台へ移動したという。当時は周辺に、鬼地獄、油地獄、小便地獄と呼ばれる他の噴泉が複数見られたが、大正末期頃より上林温泉方面へ引湯され始めてから噴泉の数は徐々に減り、最終的に天然記念物に指定された噴泉のみが残るようになったという[10]

このように地獄谷噴泉は古くから知られているが、1783年天明3年)の浅間山の大噴火(天明大噴火)の際には、噴泉が一時停止したと言い伝えられている[7][11]。また、江戸時代中期の文化年間から文政年間1800年代前半)の頃には、横湯川上流の岩石崩落によって噴泉孔が埋まってしまったが、松代藩藩医の努力によって再び噴出するようになったという[7]

前述のとおり1927年(昭和2年)4月8日に国の天然記念物に指定された。指定範囲は当時の地番で、長野県下高井郡平穏村細木および字坪根である[4]。後年の1964年(昭和39年)に噴泉のすぐ近くに地獄谷野猿公苑が開園し、野生のニホンザル餌付けに成功すると[12]、多数の見学者が訪れるようになり、特に冬季の雪景色の露天風呂に入浴するニホンザルの姿がSNSを通じて話題になり、今日ではSnow Monkey Mountainと呼ばれ、日本の冬を代表する観光地の一つとして日本国内外から多くの観光客が訪れるようになった。2017年アメリカの大手ニュース専門放送局CNNが選定した「日本でもっとも美しい場所36選(英語: Japan's 36 most beautiful places )」の一つにも選ばれ、こちらはJigokudani Monkey Parkの名前で紹介され[13]、長野県でも訪日外国人旅行者へ向け、公式サイト上で英語や中国語など複数の言語で情報を発信している[14]

交通アクセス

所在地
  • 長野県下高井郡山ノ内町平穏6818
交通

脚注

参考文献・資料

関連項目

外部リンク

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