溶接電源
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溶接電源(ようせつでんげん、英: welding power supply)は、アーク溶接を行うために電流を供給または調整する装置である。[1] アーク溶接プロセスには、被覆アーク溶接 (SMAW)から、ガスメタルアーク溶接 (GMAW, MAG)やガスタングステンアーク溶接 (GTAW, TIG)のような不活性シールドガスを用いるものまで多岐にわたる。溶接電源は、主に溶接者が電流の種類(交流または直流)、および電流と電圧の量を制御できるようにするための装置として機能する。
シールドガスを使用する溶接プロセスのための電源には、ガス接続口やガスの流量を制御する機構も備わっている。オペレータは、使用する金属の種類、厚さ、および技法に応じて、必要なパラメータの範囲内にこれらの要素を設定できる。大半の溶接電源はそれ自体で発電を行うわけではなく、必要に応じて電気的特性を調整できる制御可能な変圧器として機能する。しかし、電力網から孤立した場所で使用されるSMAWなどの一部の溶接用途では、発電機能と電流調整機能を、車両や牽引トレーラーに搭載された単一の移動ユニットに組み合わせた溶接電源(エンジン溶接機)が使用される。
溶接機は通常、定電流(CC)型または定電圧(CV)型に分類される。定電流型は安定した電流を維持するために出力電圧を変化させ、定電圧型は設定された電圧を維持するために出力電流を変動させる。被覆アーク溶接やティグ溶接では定電流源が使用され、マグ溶接や薬芯入りアーク溶接(ノンガス溶接など)では通常、定電圧源が使用されるが、電圧感応型ワイヤフィード装置を用いれば定電流源での運用も可能である。
定電流源は、被覆アーク溶接やガスタングステンアーク溶接のように手動で行われる溶接作業に使用される。手動プロセスであるため、作業中にアーク長を一定に保つことは困難である。これは、溶接中にワークピースの真上の全く同じ位置に手を保持し続けるには非常に高度なスキルが必要であるという事実に起因する。定電流源を使用することで、アーク長が変化してアーク電圧が変化したとしても、溶接電流が大きく変化しないことが保証され、溶接ゾーンへの入熱が作業全体を通してほぼ一定に保たれる。
もし溶接者が被覆アーク溶接(SMAW)の作業にCV機を使用しようとすれば、アーク距離のわずかな変動がマシンの電流出力に大きな変動を引き起こすことになる。CC機を使用すれば、電気アークがどれほど短くなったり長くなったりしても、材料に届くアンペア数が一定であると信頼して作業できる。