炭水車
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炭水車(たんすいしゃ、英語: Tender、テンダー)とは、蒸気機関車等が使用する燃料や水を積載した車両。石炭車やタンク車が商品としての燃料を輸送するものであるのに対し、炭水車は運行中に使用する燃料を積載する。
日本においては蒸気機関車の燃料には専ら石炭を用いているためテンダーを「炭水車」と呼ぶことが一般的である。テンダーには、重油を積載する車両や、長距離無補給運行のために水のみを搭載する水槽車(例:ミキ20形)も含まれる。
炭水車を装備した機関車をテンダー機関車という。対して水炭ともに本体に積む機関車をタンク機関車と呼ぶ。機関車用の炭水車は上部に燃料(石炭や薪、重油)を積み、下部に水槽があるものが多い。
炭水車は蒸気機関車の他にも、ロータリー式除雪車(例:ユキ300形、後にキ600形 1923 - 75年)や、クレーンを備えた操重車(ソ20 1928 - 66年、ソ30 1936 - 86年)など、機能の動作に燃料を必要とする車両にも連結される。
編成と運用
日本の蒸気機関車[1]において炭水車は石炭など燃料と水の積載量で区分され、12-17形といえば石炭12トン・水17立方メートルの積載が可能であることを示す。他には、5-10形、6-13形、6-17形、8-20形、10-20形、10-22形、10-25形、12-25形などがあり、末尾に記載のない初期型やA,Bなどで始まるアルファベットで製造区分が付される。D52形(1943年)に自動給炭機(メカニカルストーカー)の装備が試みられたが果たせず、戦後C62形で初めて正式に使用され装備車には形番にSが付された(例:10-22・S形)。
鉄道院時代のものは容量プレートの表示単位がフィート(呎)のみであり炭水の区別はなく、度量衡の改正(1921年)以後の新製や改装時からメートル法表示となる。
機関車および動力をもつ事業車と対を成し通常固定編成となるが、運行距離や勾配など線区と仕業の条件によって通常より大型の水槽が必要となる場合や、機関車の休車、廃車によって余剰車となり振り替えが行われた場合、新製時とは異なる組み合わせとなる。単純に容量を増すため車体を延長し車高を増しても、重量と軌道の問題に加え転車台に乗らなくなるなど設備問題のため運用上そうはいかない。振り替えられた炭水車のナンバープレートも機関車にそろえて替わるため外観上の判別は難しく、打刻や検査履歴などで振り替えを調べることになる。
- C53形は通常12-17形で優等列車運用についたものはD50形から転じた8-20形をさらに炭庫拡大して長距離の高速旅客を担った。
- 先述のユキのうちユキ301に付随した炭水車は9300形廃止による余剰の転用、302は8300形から以後はD50形用の8-20を新造している。当初は9600形初期の2軸2.5t-9m32両を充てたがどちらにせよ容量が不足した。この時余った他の9m34両はミ160水槽車に改造された。
構造と改造
一見同じような一様に黒い直方体であるが車体長だけでなく、リベット組み立てと溶接構造、側面から見て炭庫囲い上縁両肩の切り欠きの形状(炭庫の側板が嵩上げされ炭庫と水槽容積の比率が変わっている)、配管、台車、尾灯、後進時前照灯、クレーン吊り金具などに個々の差異が見られる。また、C55形2次車など流線形の機関車に合わせて上部をカバーで覆ったもの、C56形に見られる後進時の視界確保の必要から両側を大きく切り欠いたもの、資材を切り詰め代用材を用いた戦時設計、それから発展した無台枠(プランクレス)の船底形のように、基本形状にもいくつかの分類がある。
- D51形戦時製には10-20形で台枠なしの船底が量産され、C59形後期やC62形の10-22形には確立した全溶接の船底型が見られる。
炭水車は他車との振り替え以外にも製造後に様々な改造を受けることがあり、石炭搭載量を増やす炭庫の拡大(例: C62 38)、運転環境の改善や牽引定数向上などを目的とした重油タンク(例:D51 427)や自動給炭装置の追加装備、主に入換作業や逆行運転で使用される機関車で施された炭庫と水槽両側の切り欠き改造(構内用9600形に見られる。凸型の背面になる)などが代表的な例である。

