牛図 (俵屋宗達)

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製作年17世紀江戸時代初期)
種類紙本墨書
寸法94.8 cm × 43.6 cm (37.3 in × 17.2 in)
『牛図』
作者俵屋宗達
製作年17世紀江戸時代初期)
種類紙本墨書
寸法94.8 cm × 43.6 cm (37.3 in × 17.2 in)
所蔵頂妙寺京都府京都市左京区
所有者頂妙寺
登録重要文化財

牛図』(うしず)は、俵屋宗達作の水墨画である[1]。双幅から成る紙本墨画で、寸法はそれぞれ縦94.8センチメートル、横43.6センチメートル、左右ともにが一頭だけ描かれている[1][2]。賛は烏丸光広によるものである[1]。1952年3月29日に日本の重要文化財に指定された[3]

制作年代は不明であるが、烏丸光広の賛の文字は寛永8年(1631年)前後の書風であり、本画も前後の時期の作であると推測されている[2]。現時点では掛軸に改装されているが[4]、制作当初の状態は不明である[2]。なお、宗達の現存する水墨画はもともと屏風絵であったものが多数みられる[4]享保年間(1716年~1736年)に頂妙寺に寄進されており、表装はその時に行われた[2]。なお、左幅には墨を後補した跡や、一部に紙継ぎの形跡が見られる[2]

作品

モチーフ

モチーフは牛のみで、背景に草木や霞も一切描かれていない[1]。双幅のうち、右幅には腹ばいの姿勢になった牛が、左幅には前足を曲げて立っている牛がそれぞれ一頭ずつ描かれている[1]。いずれの牛も首は天を見上げている[5]。牛の姿態は『北野天神縁起絵巻』(弘安本)から借用されたものとみられている[1]。宗達作品には古典からの取材がよく見られるが[1]、本画はたらし込み技法を用いた水墨画に変換されており、松尾知子曰く「典拠を感じさせない」完成度である[2]

技法

いずれの牛も輪郭線を使わない没骨法によって描かれている[1]。牛の体の立体感はたらし込み技法によって表現されており、具体的には筋肉の盛り上がりや体の厚みが表現されている[6]。たらし込みとは、水墨画において、墨を塗ったのち、それがまだ乾かぬうちに異なる墨を塗る技法のことである[6]。両者がにじみ、混ざり合うことで複雑なグラデーションを表現することができる[6]。宗達は本技法を多用することで知られるが[6]、本画は山根有三曰くたらし込み技法の「特色と効果を最大限に発揮した傑作」である[7]。また、肩や尻、脚の付け根などに見られる白い部分は彫塗技法によって表現されており[6]、全体の印象を引き締める役割がある[8]

製作順序としては、薄墨で輪郭と隆起部分を描いたのち、水気の多い薄墨で体全体を大まかに付彩、それらが乾く前に濃墨を置いて滲ませる(たらし込み技法)ことで描かれている[2]

印・賛

署名は「宗達法橋」、印は「對青軒」の朱文円印である[2]。落款と印章から、法橋叙任以降[注釈 1]の作である可能性が高く[10]、山根有三はたらし込み技法の習熟度の高さから、宗達の最晩年、1630年代の作であろうと推測している[7]

賛は烏丸光広によるものである[2]。右幅には「身のほとに おもへ世中うしとても つなかぬうしの やすきすかたに(花押)」と、左幅には「僉曰是仁獣 印沙一角牛 縦横心自足 芻菽復何求(花押)」とあり[2]、いずれも自由と自足の尊さを牛と麒麟に喩えている[5]

評価

脚注

参考文献

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