田舎荘子
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背景として、当時の老荘思想の流行[4][5]、享保改革期の庶民教化の風潮[5][6]、熊沢蕃山や荻生徂徠の思潮があった[7][8]。
談義本は、狭義には静観房好阿『当世下手談義』が初発だが、広義には本書が初発とも言える[3][2]。
本書は刊行後幕末まで盛んに読まれた[9]。本書に続く形で信更生『都荘子』、田中友水子『面影荘子』、山崎北華『労四狂』など、老荘関係の談義本が多く出た[10]。樗山自身も『田舎荘子外篇』『雑篇田舎荘子』を出している[5]。「樗山」という号も『荘子』の「樗木」に由来する[11][12]。
本書は同著者の『河伯井蛙文談』や『再来田舎一休』とともに「樗山七部の書」に数えられ[13]、その中心を担っている[14]。
本書中の一篇『猫之妙術』は、同著者の『天狗芸術論』とともに、近現代では武道書として受容されている[13]。
→「猫の妙術」も参照
内容
スズメとチョウが哲学的な対話をするなど、『荘子』と同様の「寓言」の手法をとる[3]。内容も『荘子』に似るが、「造化」を天命的・知足安分的な庶民倫理として頻繁に説くなど、『荘子』と異なる要素も多い[15][16]。儒教・仏教・神道・武道の要素もある。林希逸『荘子鬳齋口義』[17][18]、熊沢蕃山『集義和書』などの影響を受けている[19][20]。
篇目
巻上
- 雀蝶変化 - スズメとチョウの対話。「胡蝶の夢」などを論じる。
- 木兎自得 - タカとミミズクの対話。「呼牛呼馬」を踏まえた名実論・職分論。
- 蚿蛇疑問 - ムカデとヘビの対話。
- 鴎蝣論道 - カモメとカゲロウの対話。
- 鵯鷯得失 - ヒヨドリとミソサザイの対話。
- 鷺烏巧拙 - サギとカラスの対話。
巻中
- 菜瓜夢魂 - 人とウリの対話。
- 蟇之神道 - ネズミとヒキガエルの対話。ネズミが神仏にネコ絶滅を願う。
- 古寺幽霊 - 人と幽霊の対話。荘周と髑髏の対話がモチーフ[21]。
- 蝉蛻至楽 - セミと抜け殻の対話。
- 貧神夢会 - 人と七福神の対話。
巻下
- 荘右衛門が伝 - 荘周の末裔と称する日本の隠者「田村荘右衛門」の伝記。
- 猫之妙術 - ネズミ捕りのネコたちと剣術家が武道を論じる。「木鶏」がモチーフ[22][13]。
- 荘子大意 - 樗山による荘子講義。当時一般的な「荘禅一致」を批判し「荘儒一致」を説く[23][24]。
巻之附録