石川憲彦
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兵庫県神戸市生まれ。1973年東京大学医学部卒業[1]。東大医学部で青医連運動、赤レンガ闘争参加[4]。卒業後は小児科医となり、東京大学病院、藤枝市立志太病院に勤務[1]。1975年から東京大学病院で小児科臨床、特に障害児医療に携わりつつ、障害児を普通学校へという共生・共学の運動に関与。1977年に子どもやその親たちと「医療と教育を考える会」を結成し、「治療キャンプ」などの活動を2015年まで続ける。1984年頃から不登校について発言し始める。1987年に患児らが成人したことなどから精神科医となり、東大病院精神神経科に異動[5]。1989年からNHKラジオ「子どもと教育電話相談」で回答者を務める[3]。
1994年から2年間、マルタ大学医学部で社会病理・教育臨床の研究と社会医学的調査を行う[6][7]。帰国後、1996年から静岡大学保健管理センターで大学生の精神保健を担当。同センター助教授[1]、教授、所長を歴任。2004年東京都目黒区に「林試の森クリニック」を開業[6]。NHKラジオ「こどもの心相談」アドバイザーに復帰[3][8]。2012年時点で「障害児を普通学校へ・全国連絡会」東京都・世話人[9]、2016年時点で雑誌『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』編集協力人[5]。2018年3月「林試の森クリニック」院長を退任[10]。
主張
- 発達障害者支援法は当事者不在で成立したと批判している[11]。1980年代に出てきた発達障害という概念は、それぞれの定義が異なり、定義自体も変化しているため、増減は量れない。社会の隙間から漏れる人が多いことが「発達障害が増えた」という声と関係しているようであり、情報産業社会ではフィーリングを読み解くことを求められ、ADHDの衝動的な行動や集中力や落ち着きの無さのような自然界では必要な能力の学習は難しくなっていると述べている[12]。
- 反精神医学について、その思想には共鳴するが、「医者は医学的見解のベースに立つべき」だとしている[5]。
- 歴史的に見てもオルタナティブ教育は一部の例外を除いてエリート養成に転化するとして、教育機会確保法に反対している[5][13]。
評価
著書
単著
- 『影と向きあう教育と治療』 光村図書出版(朝日カルチャー叢書)、1984年
- 『子育ての社会学』 朝日新聞社、1985年/朝日新聞社(朝日文庫)、1990年
- 『治療という幻想――障害の医療からみえること』 現代書館、1988年
- 『学校の精神風土』 アドバンテージサーバー(ブックレット生きる)、1994年
- 『子育ての精神医学――思いこみから自由になるために』 ジャパンマシニスト社(「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」ブックレット)、1996年
- 『こどもと出会い別れるまで――希望の家族学(1・2)』 ジャパンマシニスト社、2003年
- 『こども、こころ学――寄添う人になれるはず』 ジャパンマシニスト社、2005年
- 『キレる子と叱りすぎる親――自由に感情を表現する方法』 創成社(創成社新書)、2010年
- 『みまもることば――思春期・反抗期になってもいつまでもいつまでも』 ジャパンマシニスト社、2013年
- 『「精神障害」とはなんだろう?――「てんかん」からそのルーツをたずねて』 ジャパンマシニスト社(「こころ学」シリーズ)、2018年
- 『「成長」とは「発達」とはなんだろう?――自然治癒力と「場の療法」の可能性』 ジャパンマシニスト社(「こころ学」シリーズ)、2019年
- 『「発達障害」とはなんだろう?――真の自尊ルネッサンスへ』 ジャパンマシニスト社(「こころ学」シリーズ)、2020年
- 『心療内科・精神科の薬、やめ方・使い方』 ジャパンマシニスト社、2021年
共著
- 『子どもの心身症』 小倉清、河合洋、斎藤慶子共著、岩崎学術出版社、1987年
- 『わが子をどう守るか――不登校・虐待・治療・いじめ・教育・法律』 奥地圭子、阿部知江、石井小夜子、内田良子、山下英三郎、吉峯康博共著、学苑社、1994年
- 『心の病いはこうしてつくられる――児童青年精神医学の深渕から』 高岡健共著、批評社(メンタルヘルス・ライブラリー)、2006年
- 『発達障害という希望――診断名にとらわれない新しい生き方』 高岡健共著、雲母書房、2012年
- 『アフターコロナ世代の子育て――30分で読む!』 山田真共著、ジャパンマシニスト社編集部編、ジャパンマシニスト社、2020年
編著
- 『子どもたちが語る登校拒否――402人のメッセージ』 内田良子、山下英三郎共編、世織書房、1993年
- 『親たちが語る登校拒否――108人のノンフィクション』 内田良子、山下英三郎共編、世織書房、1995年
- 『若ものたちが語る登校拒否――63人の経験』 内田良子、山下英三郎共編、世織書房、1996年
- 『子どもの脳がねらわれている――今なぜ発達障害なのか』 北村小夜、鳥羽伸子共編著、国民教育文化総合研究所編集、アドバンテージサーバー、2006年
監修
- 『きいてみよう障がいってなに?(全5巻)』 ポプラ社、2015年
分担執筆
- 山田真編『お医者さんは神様ではない――子どもの健康を考える』筑摩書房、1987年
- ぐるーぷ・エルソル編『こどものことば――2歳から9歳まで』晶文社、1988年
- 鑪幹八郎、村上英治、山中康裕編『臨床心理学大系 12 発達障害の心理臨床』金子書房、1990年
- NHKラジオセンター、NHKプロモーション企画・監修『NHKこどもと教育電話相談』ブロンズ新社、1991年
- 高岡健編『孤立を恐れるな!――もう一つの「一七歳」論』批評社、2001年、新装増補改訂版2006年
- 森口秀志、奈浦なほ、川口和正編著『ひきこもり支援ガイド』晶文社、2002年
- 森田洋司監修、森田洋司、進藤雄三編『シリーズ社会問題研究の最前線 1 医療化のポリティクス――近代医療の地平を問う』学文社、2006年
- 日本社会臨床学会編『シリーズ「社会臨床の視界」 第2巻 精神科医療――治療・生活・社会』現代書館、2008年
- 志澤佐夜編『「共に学ぶ」教育のいくさ場――北村小夜の日教組教研・半世紀』現代書館、2010年
- 静岡大学生涯学習教育研究センター編『いま、再び<いのち>を考える』静岡大学生涯学習教育研究センター(静岡大学公開講座ブックレット)、2012年
- ローランス・ジロー文、リュシー・デュルビアーノ絵、はな にほんごやく『ルルちゃんのゆびしゃぶり』ジャパンマシニスト社、2014年