オートフォーカス
カメラの焦点を、センサー・制御系・モーターなどを利用して自動的に合わせるシステム
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概要

オートフォーカスはミラーレス一眼カメラやコンパクトカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン内蔵カメラのほとんどと一部の中判カメラ、双眼鏡[1]、眼鏡[2]、測量機器[3]、視力測定機器などに装備されている。パッシブ方式とアクティブ方式に大別され、「AF」と略される。
なお、光学式距離計レンジファインダーがカメラに搭載された初期には焦点連動装置の事を自動焦点装置やオートホーカス、あるいはドイツ語風にアウトホークスと表記した例がある。これは主に第二次世界大戦前の表記で、現在、焦点連動装置はむしろマニュアルフォーカスに分類されるためオートフォーカスに含むことはない。また大型の引き伸ばし機やスライド映写機に自動焦点やオートフォーカス登載を名乗る機種が古くから存在するが、初回のピント合わせは目視と手動で行う必要があり以降の倍率変更や映写時にカムなどの機構部品で焦点を追従させる仕組みとなっており自動測距機能は持たない。
方式
オートフォーカスの方式は、大きくパッシブ方式とアクティブ方式の2つに区分される。パッシブ方式、アクティブ方式を併用した製品もある。
パッシブ方式
- 光学式距離計や撮影レンズを通過した光を利用して測距を行う方式。主に一眼レフカメラで使われる位相差検出方式や、コンパクトデジタルカメラで使われるコントラスト検出方式、フィルム式コンパクトカメラで用いられていたパッシブ外光方式などがある。これらの複数の方式を併用した製品もある(ハイブリッド方式)。
- アクティブ方式が苦手とする遠距離へのピントも合わせられるが、暗い場所や、コントラストが低いものにピントを合わせるのを苦手とする。このため暗い場所でのピント合わせを補助するために、照明(補助光)を内蔵しているカメラや、外付けフラッシュにAF補助光を内蔵して連動測距させるカメラが多くなった。
位相差AF

搭載位置断面図

図7 - 焦点検出のための光学システム
図8 - イメージセンサ
図30 - 撮影光学系の射出瞳近傍の面
図31,32 - 一対の領域
図70 - ウィンドウ
図71 - 視野マスク
図72 - コンデンサーレンズ
図73,74 - 一対の開口
図75 - 開口マスク
図76,77 - 再収斂レンズの対
図80,81 - 一対の受光部

各図(縮尺比は同じでない)において、紫色の円は焦点を合わせる物体を表し、赤色の線および緑色の線はレンズ開口部を通過する光線を表し、黄色の長方形はAFセンサー(開口ごとに1つ)、グラフは各センサーによって検出される明暗度プロファイルを表す。
図1から図4は、それぞれレンズが(1)近すぎる(後ピン)、(2)正しい(ジャスピン)、(3)遠すぎる(前ピン)、(4)さらに遠すぎる状態を示す。 2つの輪郭の間の位相差は、最適な焦点を得るためにレンズをどの方向に動かすかを決定するために使用することができる。
- 位相差AF方式は、入射光を2つの画像に分割し、結像した2つの画像の間隔からピントの方向と量を判断する方式である。 入射光の分割にセパレータレンズを必要とし、また専用の位相差AFセンサーを必要とするため、位相差AF方式は一眼レフカメラに搭載される(全面透過式固定ミラー(TLM)カメラや像面位相差AF(後述)を除く)。AFセンサーはカメラの底部に搭載され、システムはカメラの底部のAFセンサーに光を向けるために、ビームスプリッター(主反射ミラーの一部を半透過領域とし、入射光をAFセンサーに送る小さな副鏡と組み合わせて構成される)を使用する。 2つのマイクロレンズはレンズの反対側から来る光線を捕捉し、それをAFセンサーに向けて、レンズの直径内に基線を持つ簡単なレンジファインダーを作り出す。 次に、2つの画像を同様の光強度パターン(山と谷)について分析し、誤差を計算して被写体が前ピンか後ピンにあるかどうかを調べる。 これによりフォーカスリングの移動量と移動方向を判断する。
- コントラストAFと比べて、以下のような利点と欠点がある。
- 利点:
- 高速なAF動作が可能であり、上下左右方向に動きのある被写体を撮る際に有効である
- 欠点:
- 上記の通り欠点は多いが、動きのある被写体はコントラストAFが苦手とするシーンであるため高速AFが可能という利点は極めて大きく、スポーツ撮影や動物撮影などを行う場合は必須と言える。
- AFセンサーは一般的に1次元の感光性ストリップ(高さが数ピクセル、幅が数十ピクセル)であるが、近年のカメラ(キヤノン EOS-1V 、キヤノン EOS-1D 、ニコン D2Xなど )では矩形のTTL-AREA-SIRとなっており、より精細な解析のために2次元の明暗度パターンを提供する。 クロス測距点は、互いに90°の方向を向いた一対のセンサーを有するが、一方のセンサーは通常他方のセンサーよりも大きな開口を必要とする。
- いくつかのカメラ(ミノルタ7、キヤノンEOS-1V、1D、30D / 40D、ソニーα700、α850、α900など)には、プリズムとセンサーを追加した「高精度」焦点がいくつかある。特定の開口(通常はF値2.8以上)を持つ「高速レンズ」でのみ有効である。 高い精度は、「レンジファインダー」の有効な基線長の幅広さからもたらされる。
像面位相差AF
- 像面位相差AF方式は、位相差AFと同じく2つの画像の位相差を検出して合焦するが、位相差AFと異なり専用のAF機構を持たず、撮像素子にAFセンサーを組込んでいる方式である。通常、撮像素子の前にはマイクロレンズが組み込まれているが、さらにAFセンサーとなる画素の直前にスリットを配置し、AFセンサーへの入射光を制限することによって位相差を検出する仕組みである。なお、カメラによってはスリットを搭載せず、全画素を2分割して撮像素子と兼用とする方式もある(キヤノンの「デュアルピクセルCMOS AF」など)。像面位相差AFは、2010年7月21日発表の富士フイルムFinePix Z800EXR (2010年8月7日発売) [4]、FinePix F300EXR (2010年9月4日発売) [5]で世界で初めて実用化された。像面位相差AFは、コントラストAF、位相差AFと比べて以下のような利点と欠点がある。
- 利点:
- 専用のAF機構を必要としないためコンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼カメラ、スマートフォンにも搭載可能である
- コントラストAFと比べて高速なAF動作を行える
- 位相差AFでは使用できない動画撮影やライブビュー撮影でも使用可能
- 位相差AFと比べてAF精度は高い
- 欠点:
- 位相差AFと比べるとAF動作はやや劣る
- AFセンサーの数と画素数がトレードオフの関係にあり、画質を優先するとAF性能が落ち、AF性能を優先すると画質が落ちることになる
- 全画素を2分割する方式の場合、信号処理の負荷が高く消費電力量が多くなり、省電力性能に影響を与える
- 位相差AFと同じく低照度でのAF動作を不得意とする
コントラストAF
- 1960年代のフィルムカメラ時代から試みられてきたコントラストAF方式は、レンズを通して、センサーフィールド内のコントラストを測定することによって合焦する方式である。センサーの隣接画素間のコントラストは、画像の焦点が正しくなるに伴って自然に増加する。 これにより、最大コントラストが検出されるまでピントレンズを動かすことで合焦する。 この方法では、AFは実際の距離測定を全く行わない。 これは、コントラストの喪失が、被写体がカメラの方へ近寄ったことによるのか、またはカメラから遠ざったことによるのかが判別できないため、動く被写体を追跡する際に重大な問題を生じる。このためフィルムカメラ時代は二重像合致式距離計を応用したパッシブ外光式AFや位相差AF、アクティブ式AFが先行した。
- デジタルカメラでは位相差AFのように専用のセンサーを使用せず、実際に撮像素子に映った画像そのものを利用してAFを行うので、コントラストAFは位相差AFよりAF精度が高い。しかし、コントラストAFでは何度もレンズを動かしてコントラストが最も高い位置を探すため、原理的に位相差AFより合焦が遅くなる。
- コントラストAFはメカニカルシャッターや反射ミラーがないデジタルカメラでは一般的な方法である。ほとんどの一眼レフでは、ライブビューモードでピントを合わせるときに、この方法(またはコントラストと位相差AFの両方のハイブリッド)を使用する。 ミラーレス一眼レンズカメラは、通常コントラストAFを使用しているが、一部のモデルでは像面位相差AFを併用しているため、AF追尾性能が大幅に向上する。
- コントラストAFは、位相差AFと比較して、レンズ設計に異なる制約を課す。 位相差AFではレンズを素早く合焦位置に移動させる必要があるが、コントラストAFでは焦点領域をすばやく移動し、最大コントラストが検出された時点で正確に停止するレンズが使用される。これは、位相差AF用に設計されたレンズは、コントラストAFを使用するカメラ本体ではしばしば機能しないことを意味する。
- コントラストAFは、位相差AF、像面位相差AFと比べて以下のような利点と欠点を持つ。
- 利点:
- 専用のAF機構を必要としないためコンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼カメラ、スマートフォンにも搭載可能である
- 位相差AFでは使用できない動画撮影やライブビュー撮影でも使用可能
- 実際の画像を使用するため、位相差AF、像面位相差AFと比べてAF精度が高い
- 低照度でのAF動作も可能
- 欠点:
- レンズを何度も動かして合焦するため、AF速度が遅い

パッシブ式センサー(上)と
アクティブ式センサー(下)
アクティブ方式

(1978年)
フォーカスの動作による分類
一眼レフカメラにおけるオートフォーカスモード
一般にミラーで光路を曲げるタイプのカメラの場合、フィルム面(または固体撮像素子)とは反対側の光路上に、フォーカス用のラインセンサを配置する。実際に撮影する瞬間にはフォーカスセンサに光が当たらないため、撮影直前の情報でフォーカスサーボを駆動することになる。この駆動方式が、用途によりいくつか選択される。
- ワンショットオートフォーカス
- 直前にフォーカスした位置でホールドする方式で、一般にレリーズを半押しした段階でロックされる。メーカーやレンズによっては、この状態のままでマニュアルでフォーカシングできるものもある。連続撮影した場合に、後半のショットのフォーカスが合っていないのはもちろん、単写においてもピンボケの画像となることがある。
- 動体追従オートフォーカス(コンティニュアスオートフォーカス)
- 直前のフォーカス情報の変化から撮影の瞬間でのピント位置を予測し、そこに合焦させる方式である。より高度なアルゴリズムを持つ製品では、ピント位置変化の加速度も測定する。いずれも、フォーカスセンサーへの入力が消失した後もフォーカスサーボを駆動し続けることで、移動している物体にピントを合わせ続けることを目的とする。
黎明期のオートフォーカスカメラ
最古のオートフォーカスに関する特許は1931年(昭和6年)6月16日にアメリカ合衆国で出願され、1932年(昭和7年)7月12日に認められたアルメニア系アメリカ人ルーサー・ジョージ・シムジャン (英語: Luther George Simjian)による「US1866581A - SELF FOCUSING CAMERA」である[9][10]。この特許は実用化に至らず1947年(昭和22年)7月12日に失効し、メーカーや個人による更なる研究期間が続いた[11]。
フィルムコンパクトカメラ
世界初の動作する試作AFカメラは1963年にキヤノンがフォトキナで公開した並列二眼レンズ式のキヤノン オートフォーカスカメラである。片方のレンズに75mmミラーレンズとCdS光電計が搭載されておりコントラストが最も高い焦点距離を計測し、40mm F2.8の撮影レンズを駆動するものであった。露出はセレン光電池測光EEの35mmフィルムフルサイズのコンパクトカメラである。翌1964年にはインスタマチックフィルムを採用し露出をCds測光EEに改良し小型軽量化した試作機を発表したが発売には至らなかった[12][13][11]。

世界で初めてオートフォーカスを搭載した市販カメラは1977年11月に発売された愛称「ジャスピンコニカ」ことコニカC35AFである[14][15]。アメリカのハネウェル社製ヴィジトロニックオートフォーカス(VAF)センサーを搭載し、光学部品・機構部品・電装部品の開発を小西六写真工業が担った。C35AFの開発に携わった人物として、内田康男、百瀬治彦等が挙げられている[16]。百瀬は、テレビジョン学会誌にてC35AFを例にして、自動焦点カメラの動作原理や、今後の課題等について述べている[17]。二つの窓から入った被写体像を二つのミラー(片方は固定、片方は可動)で捉え、その二つの像が合致する箇所をVAFセンサーで判断、そのピント位置にレンズを駆動する。すなわち二重像合致式の距離計を自動化した原理のパッシブ方式である。これがベストセラーとなり以下の通り各社が追随した。
- ヤシカオートフォーカス (1978年10月) - 愛称「ズバピンヤシカ」。画面の端でもピントが合うようフォーカスロックボタンを本体前面に搭載(現在のAF-Sに相当)。
- フラッシュフジカAFデート (1978年11月) - AF補助光「ビームセンサー」搭載。愛称「ピカピンフジカ」。シャッターボタン半押しでフォーカスメモリー可能(現在のAF-Sに相当)。[18]
- ミノルタハイマチックAF (1979年10月) - フォーカスロック機能つき。[19]

- キヤノン「オートボーイ」AF35M (1979年11月) - 赤外光を使用するアクティブ方式を採用[20][12]。キヤノン「オートボーイスーパー」AF35ML (1981年7月)はパッシブ外光式AFで測距ミラー固定のSST(Solid State Triangulation)方式を採用[21][12]。
- ローライフラッシュ35AF/ローライマット35AF (1980年4月) - 日本製。
- マミヤ135AF (1980年5月) - VAF(ビジトロニック)方式1.2m~∞、フォーカスロック付[22]。
- オリンパスC-AF (1981年3月)
- リコーAF-2 (1981年5月) - 精工舎オートフォーカスユニット(最短撮影距離1m)搭載。翌年にはAFユニットの測距ミラーを固定化して機構部品を不要としたうえでセンサ-を自社製の集積回路(IC)に置き換えて電子化し小型軽量化されたリコーFF-3 AF (1982年12月)を発売。使用されたICは他社にも供給された[23][24][25]。
- チノン インフラフォーカス (1981年10月) - 赤外光アクティブ式測距とサーボモーターによる無段階オートフォーカスコンパクトカメラ[26]。
- ペンタックスCP35AF (1982年11月) - 愛称「オートロンAF」。
- ニコン「ピカイチメイト」L35AF (1983年3月)
ほぼ同時期ながら1978年発売のポラロイド5000オートフォーカス(アメリカ国内モデルPOLAROID PRONTO LAND CAMERA SONAR OneStepとほぼ同一)は唯一超音波を被写体に投射して距離を測定するアクティブ方式でオートフォーカスを実現した。
フィルム一眼レフ
研究開発期

ニコン F2 (1971年)
日本光学工業(現ニコン)は1965年から一眼レフカメラのオートフォーカスの開発を開始し、ニコン F2時代の1971年4月にはアメリカのシカゴで開かれた「フォトエキスポ」と1971年9月に西ドイツのケルンで開催された「フォトキナ」に於いてコントラストAF方式のオートフォーカスニッコール80mm F4.5を試作発表したが市販されなかった[27][28][11]。

(左)ライカ R4 (1980年)
(右)ライカフレックス SL2 MOT (1975年)
西ドイツのライツ社は1960年から1973年の間にオートフォーカス関連の特許を取得し、1963年に最初のAFモジュールを試作した[29]。1976年のフォトキナでライカフレックス SL2に装着する試作品ライカ コレフォート(ドイツ語: LEICA CORREFOT)を発表、1978年にはライカ R4 MOT ELECTRONIC[30][31]を基にした第四世代の試作品を発表した。ライカ R3 MOTのモータードライブユニットの筐体に収められたサーボモーターのレンズ駆動装置は消費電力が大きく、6本の電池を1時間で使い切ってしまうものであった[32][11]。発売には至らなかったが後にライツ社はミノルタに特許を売却し、ミノルタαシステムの一部としてその技術は活用された。
このほか、1976年のフォトキナで発表されたペンタックス K2 DMDとSMC PENTAX ZOOM35-70 F2.8 Autofocus Visitronicの組み合わせによるパッシブ外光式AFレンズつき一眼レフ[29][11]や 、小西六のヘキサノンAR AF200mm F4.5[要出典]の試作があった。
市販開始初期

フィルムフォーマットを限定せず全てのカメラを対象とした場合、「世界初の市販されたオートフォーカス一眼レフ」は1978年に発売されたポラロイドSX-70オートフォーカスモデル1(オリジナル名 Polaroid SX-70 Sonar One Step)である。この機種は超音波を発振し、その反射波が戻るまでの時間により距離を検出するアクティブ方式であり暗所に強い特徴があった。
「世界初の市販オートフォーカス35mm一眼レフカメラ」は1981年2月に発売されたリコーの「リコースクープアイ」ことリコーXR6[33]とAFリケノン50mm F2[34]のセットである。AFリケノン50mm F2は交換レンズ側にパッシブ式測距センサーとレンズ内モーターによる自動焦点機能を持ちKマウントのボディならどの機種に装着してもオートフォーカスが可能であった[35]。しかしこれはマイナーメーカーであったせいか、あまり話題にならなかった[要出典]。キヤノンは1981年5月にFDマウントレンズ単独で測距と駆動が可能な「世界初のAFズームレンズ」キヤノンFD AF35-70mm F4を発売した。測距センサーを斜めに配置したパッシブ外光式AFで測距ミラー固定のSST(Solid State Triangulation)方式を採用した[36]。

(1981年)
1981年11月に発売されたペンタックスME FとSMCペンタックスAFズーム35-70mm F2.8のセットは、カメラボディーにTTLコントラスト検出式フォーカスセンサーがあり、ここで検知したピントをマウントを通じてレンズに伝え、レンズ内のモーターがレンズを駆動するKFマウントと呼ばれるシステムである[37]。この機種は「世界初のTTL AFセンサーを内蔵した市販オートフォーカス一眼レフ」となったが、KFマウントシステムはボディ1機種とレンズ1本のみで販売を終了した。一般にはこれが「世界初の市販オートフォーカス一眼レフ」と誤解されている。
チノンは1982年に自社のKマウント一眼レフチノン CA-4 (1980年発売)[注 2]向けに、前年発売したコンパクトカメラチノン インフラフォーカス(上述)同様の赤外光アクティブ方式でサーボモーターを採用した連続可変AFレンズAF AUTO MC チノン50mm F1.7[38][39]を発売、翌1983年にはチノン CE-5 (1982年8月発売)[注 3][40]とチノン CG-5 (1982年発売)向けに、AF AUTO ZOOM MC チノン35-70mm F3.3-4.5[41][42]を発売した。この組合せではマウント部に設けられた電子接点によりボディとレンズが連動し、巻き上げレバーの予備角を引き出すとAF ON、シャッターボタン半押しで合焦→フォーカスロック→ファインダー内のAF LEDが点灯といった一連の操作が可能になった[43][44]。 1982年11月発売のオリンパス OM30とズイコー35-70mm F4 AFのセットはペンタックスME Fとほぼ同じ形式でオートフォーカスを実現した。
停滞期
この時期一部のカメラメーカーは一気にAF一眼レフまで進まずに、従来のマニュアルフォーカスレンズとの互換性を保ちながらAF一眼レフの前段階となる「TTLフォーカスセンサーを内蔵したマニュアルフォーカス一眼レフ」を発売していた。MFレンズを使用して測距センサーで焦点を計測し、合焦するとファインダー内にLED表示する電子フォーカスエイド[注 4]方式の一眼レフであった。主な製品に1982年3月発売のキヤノン AL-1 (FDマウント)[45][46]、1982年発売のヤシカ FX-Aクォーツ (YCマウント、輸出専用)、1983年発売のミノルタ X-600 (MDマウント)などがあった。
市販開始晩期

プロスペック機としては1983年4月発売のニコンF3AF[47][48]とレンズ内AFモーター駆動のAi AFニッコール 80mm F2.8S[49]、Ai AFニッコール ED 200mm F3.5S(IF)のセットが挙げられる。ファインダー内測距のTTL位相検出式AFであり、オートフォーカスファインダーDX-1のAFプリズムはライツ社と特許使用契約をしたものと想定される[29]。1984年4月にはAF テレコンバーター TC-16Sが発売され、マニュアルフォーカスのAiニッコールの一部をAFレンズとして[注 5]使用することができた。このレンズシステムは後述の「αショック」の影響により1986年4月発売のニコンF501以降はボディ内AFモーター駆動のAi_AF~S_ニッコールに全面変更を余儀なくされた[50]。ただし旧AiAFニッコールレンズ2本もニコンF501、ニコンF4シリーズでは新旧両対応でAFレンズとして使用することができた。

1985年4月にはキヤノンも従来のFDマウントと互換性のあるレンズ内AFモーター駆動のACマウント一眼レフでTTLコントラスト検出式AFのキヤノン T80 (愛称:アートロボ)[51][52]で追従したが「αショック」の影響によりFDマウントおよびACマウントのカメラとレンズは共に継続を断念し、新たにEFマウントカメラEOSを開発することとなった。
レンズメーカーであったコシナは、どのカメラでもオートフォーカス化できるようにレンズのみで完結するコシナ 200mm 1:3.5 MC AUTO FOCUS TELEPHOTOを1985年に発売。1986年にコシナ AUTO FOCUS LENS 75-200MM 1:4.5 MC MACRO (※原文ママ[注 6])[53]、1987年にはコンパクトな標準ズームコシナ AUTO FOCUS LENS 28-70mm 3.5-4.8 MC MACROを発売した。マウントはニコン、キヤノン、ミノルタ等7種があり、別売りのAFコントロールコード[注 7]をシャッターレリーズソケットにねじ込みレンズのコネクターと接続するとシャッターボタン半押しでAF、全押しで撮影することができた。なお、アメリカのビビター社のブランドでOEM品も販売された[54][55],[56][57],[58]。
商業的成功期

北米仕様 (1985年)
しかし上記製品は、いずれも爆発的な人気を得ることはできなかった。オートフォーカス一眼レフカメラが完成した製品として消費者に迎えられたのは、1985年2月発売のTTL位相差AF方式とボディ内AFモーター駆動を採用したミノルタα-7000が最初である[59][60]。オートフォーカスの速度や精度を一般ユーザーのマニュアルフォーカスを上回るレベルに引き上げ、13本のαレンズを同時発売し、1~3本程度のAFレンズしか持たなかった他社を性能、焦点距離の選択肢ともに圧倒してトップセールスを獲得し「αショック」と呼ばれた。

変り種としては、ヤシカを吸収合併した京セラがコンタックスブランドで販売していた一眼レフボディで、「フィルム像面を移動」させる事でオートフォーカス動作を行なう1996年発売のコンタックス AXがある[61][62]。描写には定評がある従来のカールツァイス銘マニュアルフォーカスレンズをそのまま使用でき、オートフォーカス動作が可能(機種専用のレンズを用意する必要が無い)という利点がある一方、ボディ内部は二重構造となり厚ぼったく、携帯性やデザインに難が発生したため、ヒットとはならなかった。
中判フィルムカメラ
中判カメラにオートフォーカスが搭載されたのは黎明期とは言えないほど遅く、十分に技術が成熟してからであった。主な機種に以下のようなものがある。
6×4.5判

フジGA645iプロフェッショナル (1997年)
- フジGA645プロフェッショナル[63](1995年7月発売)- 世界初のAF中判(6x4.5cm判)カメラ。自社開発の位相差検出式パッシブAFと赤外線式アクティブAFを組み合わせたハイブリッドAF[64]。スーパーEBCフジノン60mm沈胴式固定レンズ(35mm判フルサイズ37mm相当)開放絞り値F4。最短撮影距離70cm。採光式ブライトフレームファインダー(パララックス自動補正機能登載、光学式距離計なし[65]、AFセンサーで計測した距離をファインダー内及び、上面のLCD情報パネルに数値で表示することは可能。)。GN12のポップアップフラッシュ内蔵。別売りの大型フラッシュで増灯可能。本体815g。[66]
後継機を数機種リリース後、富士フイルムは中判フィルムカメラから撤退し、中判デジタルミラーレスカメラへ移行した。

(1997年)
- ペンタックス645N[67][68](1997年12月発売)- 6x4.5cm判のレンズ交換式一眼レフカメラとしては、世界初のオートフォーカス機能を搭載した。TTL位相差検出式パッシブAFで測距点は中央・左・右の3点。S(シングル)とC(コンティニュアス)モードの選択可能[69]。ボディ内モーターによるAF駆動[注 8]。電子制御布幕縦走りフォーカルプレンシャッター採用。本体1280g。後継機を1機種リリース後、ペンタックスは中判フィルムカメラから撤退し、中判デジタル一眼レフカメラへ移行したが2023年7月にシリーズは販売終了状態となっている。→詳細は「PENTAXのデジタルカメラ製品一覧 § 645マウント機」を参照

(1999年)
- コンタックス645(1999年2月発売)- 6x4.5cm判のレンズ交換式一眼レフ。TTL位相差検出式パッシブAF。マニュアルフォーカスレンズ1本を除く8本のAFレンズには超音波モーターが採用されており、静粛なAF駆動とフルタイムMFが可能であった。電子制御メタル縦走りフォーカルプレーンシャッター採用。本体1370g。[70][71]開発メーカーの京セラがカメラ事業から撤退したため2005年に販売終了し[72]、2015年にはサポートも終了した[73]。

(1999年)
- マミヤ645AF[74](1999年9月発売)- マミヤ初の6×4.5cm判オートフォーカスカメラ。TTL位相差検出式パッシブAFで測距点は3点。AF-SとAF-Cモードの選択可能。ボディ、レンズ、フィルムホルダーに個別のCPUを搭載。本体1730g。[75][76][77]
マミヤの中判フィルム専用AFカメラ[注 9]はこの1機種のみであり、デジタル兼用化後のボディは旧AFレンズとAF電子信号伝達系の互換性がなくなってしまったため注意が必要である。
- ハッセルブラッドH1[78][79](2003年2月発売)- スウェーデンのハッセルブラッド社と富士写真フイルム・富士写真光機が共同開発した6x4.5cm判レンズ交換式レンズシャッターAF一眼レフ。位相差式パッシブAFで測距点は中央1点クロスセンサー。シングル/コンティニュアスAFの選択可能。高速レンズ内モーター駆動。フルタイムMF[注 10]が可能。GN12のポップアップフラッシュ内蔵。本体標準セット2055g (フィルム・バッテリー含む)[80][81]本機はフジGX645AFプロフェッショナルと同一製品[82][83][84]であるが、フジブランドでの販売はこの1機種のみ(本体標準セット1940g、フィルム・バッテリー除く)。ハッセルブラッドでは完全デジタル化後も継続していたが2022年5月25日にシリーズ終了をアナウンスし、中判デジタルミラーレスカメラXシステムへ移行した。→詳細は「ハッセルブラッドのカメラ製品一覧 § ハッセルブラッドHシステム」を参照
6×6判
- ローライフレックス 6008AF (2002年発売) - ドイツのローライ社が6x6cm判フィルムレンズシャッター式一眼レフカメラとして[注 9]世界初のオートフォーカス登載機を開発。フォーカスモードは、AFシングル測距(sing)/AF連続測距(cont)/マニュアルフォーカス(man)の3種。 AFモード(測距点)は、3フォーカスエリアまたはスポットAFの2種。MF時の電子フォーカスエイド可能。本体1500g、標準セット2620g。[85][86], [87][88] 2014年生産完了。
- ローライフレックス Hy6 (2006年発表、2007年発売[89]) - フィルム・デジタルの兼用機となった。フォーカスモードは、シングルフォーカス(S)/連続フォーカス(C)/マニュアルフォーカス(M)の3種。 中央1点AFクロスセンサー搭載、赤色AF補助光内蔵。MF時の電子フォーカスエイド可能。フォーカスブラケッティング(段階)撮影可能。990g(本体+バッテリー)。[90][91], [92] 2013年生産完了。Sinar Hy6およびLeaf Digital AFiと同一機種[89]。
- ローライフレックス Hy6 Mod2 (2012年発表[93][注 11]) - Hy6の後継機。外装とグリップの変更、ファームウェアのアップデートによるAFとシャッターの最適化、ミラーショックの改善、バッテリー容量の増加などがあった[94]。2017年頃まで株式会社ケンコープロフェショナルイメージングが日本国内代理店[95][96]。2015年3月に運営会社の破産により量産終了[97]。2026年現在は後継会社でドイツのDW PHOTOが直接サポートしている[98][99][100]。
8ミリフィルム ムービーカメラ
8ミリフィルムを使用するAF 8ミリムービーカメラは1978年から1984年頃まで販売され、以下のようなものがあった。
AFユニット内蔵機種
- スーパー8
- 三協精機
- チノン
- エルモ社
- キヤノン
- ベル&ハウエル (アメリカ)
- ベル&ハウエル 1225 XL AF - Filmosonic / ベル&ハウエル 1225 Soundstar AF (1978年発売)- Bell & Howellズーム8.5-24mm(2.8倍) F1.3。TTL EE。シャッター開角度200°。撮影速度:18コマ/秒。レンズ下部のセンサーでパッシブ外光式AFが可能。同時録音可能。1800g。ベル&ハウエル社による日本製。[122]
- ベル&ハウエル Soundstar AF - Filmosonic - XL / ベル&ハウエル 1225 AF(1979年発売)- Bell & Howellズーム8.5-24mm(2.8倍) F1.3。TTL EE。シャッター開角度200°。撮影速度:18コマ/秒。レンズ下部のセンサーでパッシブ外光式AFが可能。同時録音可能。1800g。ベル&ハウエル社による日本製。[123]
- オイミッヒ (オーストリア)
オイミッヒ社は自社ブランド(ドイツ語: eumig)及びスイスのボレックス(ドイツ語: BOLEX)ブランドでAFユニット内蔵機を試作していた。
外付けAFユニット対応機種
- スーパー8
- ヤシカ
- ヤシカ サウンド 50XL II マクロ(1978年発売)- ヤシカ ズーム マクロ8-40mm(5倍) F1.2。TTL EE。シャッター開角度216°。撮影速度:18,24コマ/秒。1コマ撮り可。オプションのAF-50をレンズ上部に装着するとパッシブ外光式AFが可能。同時録音可能。1850g。[127]
- ベル&ハウエル (アメリカ)
- ベル&ハウエル MS 30(1980年発売)- ズーム マクロ8.5-24mm(2.8倍) F1.2。TTL EE。シャッター開角度225°。撮影速度:18コマ/秒。拡張モジュール使用時9,24,36(スローモーション),1コマ撮り可。オプションのAF1モジュールをレンズ下部に装着するとパッシブ外光式AFが可能。同時録音可能。1100g。当時大沢商会傘下にあったマミヤ光機製。[128]
- ベル&ハウエル MS 45(1980年発売)- ズーム マクロ8.5-34mm(4倍) F1.2。TTL EE。シャッター開角度225°。撮影速度:18コマ/秒。拡張モジュール使用時9,24,36(スローモーション),1コマ撮り可。オプションのAF1モジュールをレンズ下部に装着するとパッシブ外光式AFが可能。同時録音可能。1150g。当時大沢商会傘下にあったマミヤ光機製。[129][130]
- ヤシカ
上記メーカーのうち富士写真フイルムおよびキヤノンは後に自社生産のAF 8ミリビデオムービーカメラを発売し家電メーカーと協業、あるいは開発競争することとなった。ヤシカは京セラの傘下に入った後でソニーからのOEM機種を多数発売したが、自社生産することはなかった。エルモ社は松下電器産業(現パナソニック)からAF 8ミリビデオムービーカメラのOEM供給を受けるにとどまった。
オートレフケラトメーター

視力測定機器オートレフケラトメーター(Auto Ref-Keratometer)には「オートフォーカス」と「オートアライメント(自動追尾)」機能が搭載されている。これらの機能により、自動で被検者の瞳孔位置およびピントを合わせ、測定を完了する。 眼科や眼鏡店で使われる。
主なオートフォーカス搭載機種
- ニデック (NIDEK) - ARK-F / AR-F (オートレフケラトメータ)
- キヤノン (Canon) - RK-F3m / RK-F2 (フルオートレフケラトメーター)
- トプコン (Topcon) - KR-800S (Auto Kerato-Refractometer)
- 高木精工 (TAKAGI) - ARKM-200 (Auto-Refkeratometer)
- レクザム (Rexxam) - ACCUREF K-900 / R-800 / NVISION-K5001
- ヒューヴィッツ (Huvitz) - HRK-9000A
- ローデンシュトック (Rodenstock) - RX900
ミノルタ・ハネウェル特許訴訟
注釈
- 2010年以降ソニーのTLM(全面透過式固定ミラー)方式のデジタル一眼カメラやTLM方式のマウントアダプターを装着したミラーレスカメラで使用できるようになった。

ソニーα33のトランスルーセントミラー
上部に位相差AFセンサーを配置
ソニー LAEA4マウントアダプターのトランスルーセントミラー
下向きミラーの下部に位相差AFセンサーを配置 - 欧州向けOEM機RevueFlex AC2と同一仕様
- 欧州向けOEM機RevueFlex AC 3 sと同一仕様
- 名称はメーカーによって異なり、キヤノンは「クイックフォーカス」、ミノルタは「スピードフォーカス」と呼んだ。英語圏で単に"focus aid"または"focusing aid"と表現すると、フォーカシングスクリーンのスプリットイメージやマイクロプリズムを指す場合が多いため注意が必要である。
- 開放F値がF2以上でAi以降のニューニッコールのおおむね10本、Aiニッコールのおおむね13本、Ai-Sニッコールのおおむね17本、ニコンレンズシリーズEの2本の短焦点レンズが合成焦点距離1.6倍、開放F値1.6倍(焦点距離24mm-300mmが38.4mm-480mmに、F1.2-2.0がF1.92-3.2の範囲)で
- デジタル化後に発売されたレンズ内超音波モーター駆動のAFレンズは動作しない。ただしペンタックス645D以降は両対応となっている。
- ハッセルブラッドではインスタントAF、富士フイルムではレディマニュアルフォーカスと呼んだ。

