1945年、終戦直後。戦果アギヤーとして米軍基地から物資を盗み出していた元兵士の青年・オロク(オロクイサオ)は、ある時米軍に捕まってしまう。オロクは、米軍政府将校のウィラード・A・ハンナの命令で、過酷な屋嘉捕虜収容所への移送を見送る代わりに、嘉手納の歯科医かつ芸人であるブーテン(小那覇舞天)と共に、今だに降伏せずに国頭の亀甲墓に潜伏しているという琉舞の家元の説得に当たることとなる。二人は三線や唄などの芸を駆使して宣撫を試みるが、そこには思わぬ困難が待ち受けていた。
1949年。ヌギバイ(映画の無賃鑑賞)の常習犯である孤児の男の子は、高良一が支配人を務めるアーニーパイル国際劇場に忍び込んだある日、劇場で働く映画好きの女の子と遭遇する。女の子に話しかけられるも間もなく守衛に見つかり、男の子は逃亡を余儀なくされる。数年後、男の子はひょんなことから高良のライバル・宮城嗣吉が支配人を務める沖映本館で、宣伝看板の修復見習いとして雇われることとなった。男の子は働きながらも、たびたび様々な劇場に足を運んでは、女の子のことを探し続けていた。一方、当の女の子は高良の発案で始まった米軍相手の映画の巡回上映に携わることとなったが…
1981年。30年ぶりに故郷・沖縄へと戻ったマカビ(真嘉比朝英)は、大宜味村近くを車で走っていたところ、道路上に大きな石が五つ、横一列に並べられているのを発見する。しかも、左端の石の下には1953年の新聞記事の切り抜きが敷かれており、その余白には「おまえたちにはまだ、裁かれていない罪がある。ちゃんと償え。五人目より。」という手書きのメッセージが記されていた。それを見たマカビは戦慄し、28年前、自身とモロ(諸見賢治)、ビセ(備瀬和男)、カデヤン(嘉手刈達吉)、テンガンの五人が関わったある事件を思い出すのだった。一体、五つの石とメッセージは誰が何のために置いたのか?マカビは謎を追っていくこととなる…
戦後間もないコザ。センター通りで生まれたタミコは、教会やAサインバーから流れてくる洋楽に囲まれて育った。10歳の時、タミコは近くのAサインバーに来ていたアメリカ人・サッド・ジョーと出会った。何者かに追われているらしいジョーは、どういう訳か、タミコに会うたびに必ず25セントを渡した。ある時、タミコはジョーがギターの弾き語りをしているのを目にする。魂を揺さぶる演奏に感動したタミコは、ジョーにギターを教えてもらうようになる。ジョーはなぜ追われていたのか?そしてなぜ、タミコに25セントを渡したのか?その理由とは…
『宝島』にも登場したウタにまつわるエピソード。1968年の夏、ウタはコザのレコード屋・マルブシに呼ばれ、ある計画への参加を命じられる。その計画とは、マルブシのライバルの興行屋・友寄幸之助が引き抜いた歌姫・渡久地ノエを奪還するために、ウタ、アンジ(コザ派のヤクザに使われている少年。ウタと同じく沖縄・アメリカのハーフ)、チバナ(『宝島』にも登場したAサインバー「ヌジュミ」のママ)、ベンジャミン三吉(大阪出身の中年男。日米のハーフ)の4人で疑似家族を組み、友寄の主催するのど自慢大会に出場するというものだった。友寄の妻となっていたノエはのど自慢大会の審査員を務めることになっており、大会に出場して勝ち進めば、自ずとノエと接触する機会も出てくるという訳である。赤の他人である4人は当然まとまらず、ノエの奪還はおろか、大会への出場さえも危ぶまれるほどだったが…
『宝島』の続編と言えるエピソード。1972年、沖縄返還の年。ヤマコの元に、かつての教え子・伊敷トウゴが東京の獄中で記した手紙が送られてきた。トウゴは上京後に同郷の仲間と徒党を組み、沖縄返還協定審議中の国会議事堂に潜入し、爆竹を鳴らしながら”反復帰”のビラをばら撒いた罪[5][6]で投獄されていたのだ。手紙には、基地返還抜きの本土復帰に対する憤りと共に、本当の意味で「沖縄を奪い返す方法」を身に付けておきたいという決意が綴られていた。それから6年後の1978年。本土復帰の総仕上げとされる7月30日の交通改革、通称・ナナサンマル(730)を三日後に控えた日。ヤマコは、かつて受け持ったクラスの同窓会に呼ばれるが、そこで教え子たちから、トウゴが既に出所してコザに戻っているようだが居所は分からないことを聞かされる。さらに、トウゴと特に親しかったフルゲン(古堅カズオ、「宴会男」と呼ばれる)、ガンチョー(大里ケイタツ、コザの警察)、チーボー(慶田城チサ、巫病にかかった女性)、チルー(赤嶺マツ、トウゴに恋慕を抱いていた青年)の4人が揃って同窓会に来ていないのも不審だった。ヤマコは次第に、トウゴが仲間たちと共に、ナナサンマルの日に何らかの計画を実行しようとしているのではないかと考えるようになる。ヤマコは独自に調査を進めるも難航し、遂にナナサンマルが明日に迫る。ヤマコは最後の手段として、幼馴染である元刑事の私立探偵・グスクを頼る。果たして、トウゴたちが企てている計画とは…?