裏切りのサーカス
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| 裏切りのサーカス | |
|---|---|
| Tinker Tailor Soldier Spy | |
|
| |
| 監督 | トーマス・アルフレッドソン |
| 脚本 |
ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
| 原作 |
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 ジョン・ル・カレ |
| 製作 |
ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー ロビン・スロヴォ |
| 製作総指揮 |
ピーター・モーガン ライザ・チェイシン ロン・ハルパーン デブラ・ヘイワード ジョン・ル・カレ ダグラス・アーバンスキー |
| 出演者 |
ゲイリー・オールドマン コリン・ファース トム・ハーディ ジョン・ハート トビー・ジョーンズ マーク・ストロング ベネディクト・カンバーバッチ キアラン・ハインズ |
| 音楽 | アルベルト・イグレシアス |
| 撮影 | ホイテ・ヴァン・ホイテマ |
| 編集 | ディノ・ヨンサーテル |
| 製作会社 |
スタジオカナル ワーキング・タイトル・フィルムズ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 128分 |
| 製作国 |
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| 言語 |
英語 ロシア語 ハンガリー語 フランス語 |
| 製作費 | $21,000,000[1] |
| 興行収入 | $80,630,608[2] |
『裏切りのサーカス』(うらぎりのサーカス、原題: Tinker Tailor Soldier Spy)は、2011年のイギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画。ジョン・ル・カレの1974年の小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を、ブリジット・オコナーとピーター・ストローハンが脚本化し、トーマス・アルフレッドソンが監督した作品である。主人公のジョージ・スマイリーをゲイリー・オールドマンが演じ、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、キアラン・ハインズらが共演する。
イギリスのワーキング・タイトル・フィルムズが製作し、フランスのスタジオカナルが出資した。プレミア上映は第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で行われた。本作は批評家には好評を持って迎えられ、またイギリスでは週末興行収入で3週連続1位となった。日本ではR15+指定。
1970年代、東西冷戦下。イギリス秘密情報部、通称「サーカス」[注釈 1]とソ連情報部、通称「モスクワ・センター」は水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。
1973年、長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスのトップであるコントロールは内部にソ連情報部の二重スパイ(もぐら)がいることを確信していた。そこでコントロールはもぐらに関する情報源と接触するため、信頼できる工作員のジム・プリドーをハンガリーに極秘で送り込む。しかし、情報は漏れており、作戦は失敗してプリドーの死など大きな損害を出す。責任を取ってコントロールと、右腕のジョージ・スマイリーは辞任し、諜報世界から引退に追い込まれる。間もなくしてコントロールは失意のうちに死去する。
イスタンブールに派遣されていたサーカス工作員のリッキー・ターは、ソ連情報部の女性イリーナの寝返り工作を行い、彼女が知る「大物二重スパイ」の情報と引き換えにイギリスへの亡命の手筈を整える。しかし、やはり情報は漏れており、イリーナは翌日には拘束される。ターはサーカスを統括する外務次官のオリバー・レイコンにサーカスにもぐらがいることを伝える。レイコンは半信半疑であったがコントロールのこともあり、密かにスマイリーを復職させ、もぐら狩りを依頼する。スマイリーは信頼できる仲間としてターの上司でスマイリーに忠実であったため左遷されたピーター・ギラム、そして元ロンドン警視庁公安部のメンデル警部とともに調査を始める。
スマイリーはコントロールの調査記録を元に容疑者をサーカス幹部4人に絞る。現サーカスのリーダーで閣下と呼ばれるパーシー・アレリン、優秀で職員達からの人望も厚いビル・ヘイドン、勇敢で愚直なロイ・ブランド、日和見な性格のトビー・エスタヘイスの4人であり、それぞれコントロールから「ティンカー(鋳掛け屋)」(アレリン)、「テイラー(仕立屋)」(ヘイドン)、「ソルジャー(兵隊)」(ブランド)、「プアマン(貧乏人)」(エスタヘイス)とコードネームを付けられていた。また、スマイリー自身も「ベガマン(乞食)」として容疑者に含まれていたことを知りショックを受ける。
今のサーカスはアレリンが主導する「ウィッチクラフト作戦」が進められており、ソ連の二重スパイから機密情報を得て多大な功績を上げているとされ、アメリカCIAとの連携も進んでいた。しかし、スマイリーはもたらされた情報は嘘であり、それを隠れ蓑に逆にもぐらがソ連に情報を与えていると推測する。また、一連の工作の背後には因縁あるソ連情報部の大物スパイ・カーラがいると睨む。調査の中でプリドーは拷問を受けつつも生存していたことなども判明する。
やがてウィッチクラフト作戦の内容も判明し、隠れ家にてアレリンら幹部4人がソ連大使館員ポリヤコフに欺瞞情報を渡すというものであった。ここからスマイリーは、この機会を利用してもぐらがポリヤコフに情報を渡していると推理する。おそらく白と推測するエスタヘイスを脅迫して隠れ家の場所を聞き出した後、スマイリーはパリにいたターを使ってソ連に緊急で伝えなければならない重要情報が発生したように工作する。そしてスマイリーらが待ち構える隠れ家にやってきたのはヘイドンであり、彼がもぐらであった。ヘイドンはスマイリーの妻アンと不倫していたが、それもスマイリーの精神を揺さぶるためにカーラの指示で行われていた。またヘイドンとプリドーは長年の友人関係[注釈 2]で実はプリドーはヘイドンがもぐらだと気づき、内部通報していた。ヘイドンは作戦をソ連に伝えつつも、カーラにプリドーを殺さないように依頼していたが、拷問を受けたことにプリドーは激怒する。数日後、人質交換で同性愛は禁じられているソ連への移送を待つヘイドンはプリドーによって猟銃で狙撃され、射殺される。
アレリンは失脚し、その後任のサーカスのトップにスマイリーが着任して物語は終わる。
登場人物・キャスト
- ジョージ・スマイリー
- 演 - ゲイリー・オールドマン、日本語吹替 - 辻親八
- サーカス幹部。コントロールの右腕として活躍したが、コントロールの辞任に伴い退職する。のちレイコン外務次官の要請によりサーカス内部のもぐら調査を始める。コントロールからは容疑者候補の1人として「ベガマン(乞食)」のコードネームを付けられていた。
- リッキー・ター
- 演 - トム・ハーディ、日本語吹替 - 鶴岡聡
- サーカス工作官。スカルプハンター要員(日本語字幕では「首狩り人」とも。汚れ仕事を請負う工作員)。ソ連使節の寝返り工作のため、イスタンブールに派遣され、イリーナと出会う。彼女の失踪後、口座に不審な入金があったことで「もぐら」と疑われ、消息を絶っていた。レイコン外務次官にサーカス内部の「もぐら」の存在を示唆する密告電話をかける。ソ連側に拘束されたイリーナを取り戻すことを条件に、スマイリーたちに協力する。
- メンデル
- 演 - ロジャー・ロイド=パック
- ロンドン警視庁公安部の元警部。退職後、養蜂を行っていたが、スマイリーの要請で「もぐら」探しのチームになる。
- オリヴァー・レイコン
- 演 - サイモン・マクバーニー
- 外務次官でサーカスの監督役。ターの情報を受けてスマイリーのもぐら調査を命じる。
- ピーター・ギラム
- 演 - ベネディクト・カンバーバッチ、日本語吹替 - 小川輝晃
- サーカス中堅幹部。新人女子職員を口説くなど、手が早いことで知られているが、男性の愛人がいることが劇中で示唆されている。スマイリーに要請され、「もぐら」探しのチームの一員となり、サーカスから調査に必要な書類を持ち出すなどする。
サーカス
- パーシー・アレリン
- 演 - トビー・ジョーンズ、日本語吹替 - 佐々木睦
- サーカスのトップ(コントロールの後任)。通称「閣下」。容疑者候補の1人でコントロールがつけたコードネームは「ティンカー(鋳掛け屋)」。コントロールとは私的・公的に確執があった。
- ビル・ヘイドン
- 演 - コリン・ファース、日本語吹替 - 森田順平
- サーカス幹部。スマイリーの妻アンと不倫関係にある。容疑者候補の1人でコントロールがつけたコードネームは「テイラー(仕立て屋)」。
- ロイ・ブランド
- 演 - キアラン・ハインズ、日本語吹替 - 水野龍司
- サーカス幹部。容疑者候補の1人でコントロールがつけたコードネームは「ソルジャー(兵隊)」。
- トビー・エスタヘイス
- 演 - デヴィッド・デンシック、日本語吹替 - 鈴木正和
- サーカス幹部。容疑者候補の1人でコントロールがつけたコードネームは「プアマン(貧乏人)」。スマイリーによればコントロールに拾われたのに裏切った人物とされる。
- コントロール
- 演 - ジョン・ハート、日本語吹替 - 大塚周夫
- サーカスのトップ。組織内の「もぐら」の存在を強く疑っていたが冒頭のハンガリーでの作戦失敗で辞職を迫られる。間もなくして死去する。
- ジム・プリドー
- 演 - マーク・ストロング、日本語吹替 - 加藤亮夫
- サーカス工作官。ヘイドンの「親友」。「もぐら」の情報を持つという将軍の仲介役と接触するが、危険を察知して立ち去ろうとしたところを銃撃される。
- ジェリー・ウェスタビー
- 演 - スティーヴン・グレアム、日本語吹替 - 松本忍
- サーカス元工作官。プリドーの事件発生時の当直。
- コニー・サックス
- 演 - キャシー・バーク、日本語吹替 - 増子倭文江
- サーカスの元ソ連分析官。「イギリス人が誇りを持てた」大戦期からサーカスにいたベテラン。映像解析から、アレリンが接触している大使館員がスパイである可能性を示唆するも黙殺され、自身もコントロールらの退職後2週間で解雇される。
ソ連
- カーラ
- 演 - マイケル・サーン(声のみ)
- モスクワ・センター幹部。スマイリーは「論理を重んじる狂信者」、プリドーは「司祭のような男」と評する。かつてスマイリーが素性を知らずに寝返り工作のため接触したことがあり、そのとき渡されたライター(スマイリーが妻アンからプレゼントされたもの)を未だに持っている。
- イリーナ
- 演 - スヴェトラーナ・コドチェンコワ、日本語吹替 - 石田嘉代
- モスクワ・センターの局員。自分に接触してきたターの正体を見抜き、「もぐら」の情報と引換えに亡命を希望する。
- アレクセイ・ポリヤコフ
- 演 - コンスタンチン・ハベンスキー
- 在ロンドンソ連大使館文化官。実はモスクワ・センターのロンドン駐在。「ウィッチクラフト作戦」の二重スパイ。
製作
企画
プロジェクトはワーキング・タイトル・フィルムズの依頼でピーター・モーガンが脚本の草案を書き上げたことで開始された。モーガンはその後、私的な理由のために脚本を降板したものの、製作総指揮として残留した[3]。モーガンの離脱により、ワーキング・タイトルは脚本再考のためにブリジット・オコナーとピーター・ストローハンを雇った。2009年7月9日、トーマス・アルフレッドソンの監督着任が明らかになった。本作は彼にとって初めての英語作品となる[4][5]。本作はスタジオカナルの資金援助により、2100万ドルの製作費を持っていた[1]。
キャスティング
監督はジョージ・スマイリー役にゲイリー・オールドマンを選び、彼は「高貴な顔」と「必要とされる静かな強さと知性」を持っていると説明した[6]。デヴィッド・シューリスは早い段階で出演交渉がされていた[7]。マイケル・ファスベンダーはリッキー・ター役で出演交渉されていたが、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の撮影とスケジュールが重なってしまった。その代わりにトム・ハーディが同役を演じることになった[8]。2010年9月17日、マーク・ストロングの出演が確定した[9]。また、ジャレッド・ハリスは『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』とのスケジュール衝突により断念し、彼の役はトビー・ジョーンズが演じることになった[10]。
撮影・編集

主要撮影は2010年10月7日から12月22日までに行われた[11]。スタジオのシーンは北ロンドンのミル・ヒルにある旧軍兵舎で撮影された[1]。「サーカス」の外観には西ロンドンのブライスハウスが使われた[12]。
原作小説でチェコスロバキアで発生する事件は、ハンガリーで撮影された。製作チームはブダペストで5日間の撮影を行った。また、原作小説では香港で起こった一件はイスタンブールに変更され、クリスマス直前の9日間にはイスタンブールでも撮影した[1]。アルフレッドソンの前作『 ぼくのエリ 200歳の少女』でも共同したホイテ・ヴァン・ホイテマ(撮影)とディノ・ヨンサーテル(編集)が本作にも参加している[13]。
編集には6ヶ月を費やした[要出典]。
音楽
主な挿入歌は以下のとおり。
- フリオ・イグレシアス 「ラ・メール」
- ハリケーン・スミス 「太陽を消さないで」
- サミー・デイヴィスJr. 「Spinning Wheel」
- ジョージ・フォームビー 「Mr Wu's a Window Cleaner Now」
- チャーリー・リッチ 「The Proudest, Loneliest Fool」
製作チームは、映画の最後にジョージ・スマイリーが一人で居る時に聴く曲をフランスの曲 「ラ・メール」だろうと推測した。スマイリーが曲を聴く場面も撮影されたが、結局それがあまりにも多くの意味を与えることを避けるためにカットされた[14]。
