軍用機の命名規則 (イギリス)
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イギリス軍の軍用機の命名規則は、主にイギリス空軍が保有した軍用機と保有している軍用機の命名法。
第一次世界大戦以降、イギリスの軍用機は、メーカーによって(いくつかの輸入機種については最初に採用した国の軍によって)付けられた「型名 (type name)」で知られている。これは、軍用機の機種を基本的には英数字の型番によって識別するアメリカ合衆国などの他国とは対照的な命名法である。
これ以前には、1910年ごろから、イギリス陸軍向けの航空機は全てファーンボロー(ファーンバラ)のロイヤル・エアクラフト・ファクトリー (ロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント) で設計することとなっていた(生産は別の場所で行なわれることもあった)。ロイヤル・エアクラフト・ファクトリーは型式をいくつかに分類し、それぞれに以下のような接頭語を付与した:
- B.E.: Blériot Experimental(ブレリオ式。プロペラ配置が牽引式; トラクタ) - 例: B.E.2
- F.E.: Farman Experimental(ファルマン式。プロペラ配置が推進式; プッシャ) - 例: F.E.2
- R.E.: Reconnaissance Experimental(偵察機) - 例: R.E.8
- S.E.: Scouting Experimental(軽偵察機 (Scout)) - 例: S.E.5
一方、海軍は私企業による設計と製造の道を選んだ。陸軍も後には海軍にならい、メーカー製の航空機を購入するようになった。
1920年代には、F が戦闘機 (fighter)、N が海上用 (naval)、B が爆撃機 (bomber) といったように、用途にちなんだ機種名が使用された時期もあった。
1920年から1949年にかけて、ほとんどの航空機には、F.4/27 といったような航空省仕様(Air Ministry Specifications) 記号が割り当てられた。この場合、プロトタイプ(原型試作機)は、契約の下で生産されて(メーカー名 +)F.4/27 と呼ばれ、承認されると運用名が付与される。これ以外の場合、企業による私的な計画 (PV: private venture) を元にプロトタイプが製作され、それから後の公式契約で使用される仕様が発される。あるいは、外国から輸入することもあった。
実際の名称は航空省か海軍省によって、発注時に決定される。名称は、ある一定のパターンに基づいていたり、頭韻を踏んでいることが多かった。
- 4発の重爆撃機は主要な都市や町の名前: ショート スターリング、ハンドレページ ハリファックス、アブロ ランカスター
- 同じ傾向の名称を単一メーカーが続けることもある: ホーカー ハリケーン、ホーカー タイフーン、ホーカー テンペスト(全て風関係)
- 飛行艇は沿岸に位置する町の名前が与えられた: サンダース・ロー ラーウィック、ストランラー、ショート サンダーランド
- (地上基地から飛び立つ)海上哨戒機は海洋探検家にちなんだ名称: アブロ アンソン、ハドソン、アブロ シャクルトン
- 既存航空機の海軍向け派生型は海(シー; Sea)を前に付ける: シーハリケーン、シーファイア、シーベノム
- まれにデ・ハビランド シービクセン、ホーカー シーフューリーのように空軍が発注をキャンセルして海軍向けの名称しかない機種も存在する
- それ以外の海軍機は海と何らかの関係がある: スーパーマリン ウォーラス、ブラックバーン スクア、フェアリー ガネット
- 雷撃機は魚の名前が与えられる: シャーク、フェアリー ソードフィッシュ、フェアリー バラクーダ
- 訓練機は教育、大学、その他に関連した名前が与えられる: オックスフォード、ハーバード、バリオール
時には、VC-10 や HS.125 のように、メーカーが付与した記号がそのまま型名として採用されることもあった。
ジェット推進・後退角翼・核兵器などの急速な導入に伴って、新型の4発ジェット爆撃機のヴァリアント、バルカン、ヴィクターは頭文字に"V"が付けられた(3Vボマー)。